博物館の歴史

2010年度全日本博物館学会賞受賞
A5判 / 538ページ / 上製 / 定価:7,000円 + 税 
ISBN978-4-588-37116-5 C1022 [2008年05月 刊行]

内容紹介

古代王国の宝物庫からルネサンス期の〈キャビネット〉を経て成立する自然史博物館、パリの発見宮殿に始まるサイエンスセンター、ドイツ博物館に代表される科学技術博物館まで、過去の栄光を安置する殿堂から多様な価値観を尊重し、観客に問いを投げかける場へと変化してきた博物館の歴史をたどり、矛盾にみちた現状を明らかにしつつ未来を展望する。

著訳者プロフィール

高橋 雄造(タカハシ ユウゾウ)

東京に生まれる.東京大学工学部電子工学科卒業.同大学大学院博士課程修了.工学博士.中央大学勤務を経て,2008年3月まで東京農工大学教授.日本科学技術史学会会長.1975-77年,ミュンヘン工科大学に,1991-92年,スミソニアン国立アメリカ歴史博物館に留学.専門は高電圧工学,技術史,博物館学.著書に『博物館の歴史』(法政大学出版局,2008年.2010年度全日本博物館学会賞受賞),『電気の歴史──人と技術のものがたり』(東京電機大学出版局,2011年),『ミュンヘン科学博物館』(編著,講談社,1978年),訳書に,コーワン『お母さんは忙しくなるばかり──家事労働とテクノロジーの社会史』(法政大学出版局,2010年), その他がある.

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

 はじめに

第1章 博物館とは何か
1 物質文化としての博物館
2 博物館の機能
3 博物館と科学技術
4 博物館史における時代区分と科学技術博物館の二世代
5 展示の方法の変遷
6 博物館におけるモノと見学者,および見世物との比較
7 博物館学の形成
8 各分野の博物館とその分野の学
9 博物館の近年の動向

第2章 博物館の前史
1 古代
2 中世
3 ルネサンス期とバロック期のキャビネット

第3章 近代的公共博物館への過渡
1 科学革命と公共博物館への胎動
2 団体博物館──ロイヤル・ソサエティの陳列室とアシュモール博物館
3 テイラー博物館
4 個人博物館
5 ヴァーチュオーソとコーヒーハウス
6 ロンドンの見世物
7 ピールの博物館
8 バーナムのアメリカ博物館
9 アデレード・ギャラリ

第4章 近代的公共博物館の出現
1 ルーヴル美術館の成立
2 美術館および博物館をめぐる諸問題
3 近代的技術博物館の出現──パリ工芸院博物館
4 大英博物館の成立
5 自然史の博物館
6 植物園,動物園,水族館
7 公共博物館の拡大と専門博物館の出現

第5章 教育のための博物館の実現
1 サウス・ケンジントン博物館とビクトリア・アンド・アルバート美術館の沿革
2 ロンドン科学博物館の沿革
3 ルーヴル美術館,パリ工芸院博物館,大英博物館とサウス・ケンジントン博物館の比較
4 スミソニアンの博物館の成立

第6章 科学技術博物館の完成
1 ドイツ博物館とその影響
2 米国における技術博物館の成立
3 シカゴ科学・産業博物館

第7章 スミソニアンの技術博物館
1 実現しなかった技術博物館
2 国立歴史技術博物館から国立アメリカ歴史博物館へ
3 スミソニアン・インスティテューションの拡大
4 国立アメリカ歴史博物館の展示
5 国立航空宇宙博物館──栄光の殿堂からメッセージ型展示への動き

第8章 サイエンスセンター
1 サイエンスセンターの誕生
2 エクスプロラトリアム
3 パリのラ・ビレット
4 サイエンスセンターの今後

第9章 現代における博物館の変貌
1 スミソニアンの動向──社会での論議と博物館
2 博物館の今後
むすび

 付表
 注
 文献
 索引
 あとがき