叢書・ウニベルシタス 176
真理と方法 Ⅱ
哲学的解釈学の要綱

四六判 / 422ページ / 上製 / 定価:4,200円 + 税 
ISBN978-4-588-00176-5 C1310 [2008年03月 刊行]

内容紹介

哲学的解釈学によって現代思想界に多大な影響を与えたガダマーの主著、待望の第II巻。近代の科学的方法思考によって覆い隠されているものあるいは見誤られてきた事柄を指摘し、意識化することを課題にした〈哲学的解釈学〉の、その核心が示される「第二部」の展開。シュライアーマッハー心理学、ディルタイの歴史意識、フッサール現象学、ハイデガーらが解釈学的見解から論及・分析される。

著訳者プロフィール

H.-G.ガダマー(ガダマー ハンス ゲオルク)

1900年マールブルク生まれの現代ドイツを代表する哲学者。マールブルク大学などで学び、1922年同大学でナートルプに師事し博士学位を、28年ハイデガーのもとで教授資格を取得。68年にハイデルベルク大学を退官するまで、マールブルク、ライプツィヒ、フランクフルト各大学の哲学教授を務め、占領下のライプツィヒ大学では学長の要職にあった。ハイデガー哲学の影響のもと、自身の古代哲学・近代哲学研究を生かし、主著『真理と方法』でロマン主義的・歴史主義的な解釈学を超える存在論的な“哲学的解釈学”を確立し現代思想界に多大な影響をあたえた。その後、精神科学論に限定されない世界経験論・言語論を展開し、またツェラーンなどの詩を解釈し、さらに適用論を実践哲学論として展開するなど、その解釈学を発展させ精錬した。「ガダマー著作集10巻」(J. C. B. Mohr)が刊行されている。邦訳書に、『真理と方法』『科学の時代における理性』『理論を讃えて』『詩と対話』『健康の神秘』『芸術の真理』『哲学の始まり』(以上、法政大学出版局)、『哲学・芸術・言語』『ヘーゲルの弁証法』『ガーダマー自伝──哲学修業時代』(以上、未來社)などがある。2002年3月ハイデルベルクにて死去。

轡田 収(クツワダ オサム)

1934年生まれ。1959年東京大学大学院修了。ドイツ文学専攻。慶応義塾大学、学習院大学教授を歴任、現在、学習院大学名誉教授。訳書:『挑発としての文学史』(岩波現代文庫)、イーザー『行為としての読書』(岩波モダンクラシックス)、プレッサー『書物の本』(法政大学出版局)、ハーバーマス『近代の哲学的ディスクルスⅡ』(共訳、岩波書店)ほか。

巻田 悦郎(マキタ エツロウ)

1961年生まれ。1991年筑波大学大学院哲学・思想研究科修了。92-93年フンボルト財団奨励研究員(ハイデルベルク大学)。現在、東京理科大学准教授。訳書:ドゥット編『ガーダマーとの対話──解釈学・美学・実践哲学』(未來社)、ガダマー『詩と対話』、『真理と方法Ⅱ』(以上、法政大学出版局)ほか。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

第二部 真理への問いを精神科学における理解へ拡張する
第Ⅰ章 歴史的準備
 第1節 ロマン主義解釈学およびその歴史学への適用における問題点
  a 啓蒙思想とロマン主義のあいだに起きた解釈学の本質変化
   α ロマン主義解釈学の前史
   β シュライアーマッハーの一般解釈学の構想
  b 歴史学派のロマン主義解釈学へのつながり
   α 普遍史の理想に対する困惑
   β ランケの歴史学的世界観
   γ G.J.ドロイゼンにおける歴史学方法論と解釈学の関係
 第2節 ディルタイの陥った歴史主義のアポリア
  a 歴史の認識論的問題から精神科学の解釈学的基礎づけへ
  b ディルタイの歴史意識分析における科学と生の哲学との分裂
 第3節 現象学的探究による認識論的問題設定の克服
  a フッサールとヨルク伯における生の概念
  b ハイデガーの解釈学的現象学の企て

第Ⅱ章 《解釈学的経験の理論》の要綱
 第1節 理解の歴史性を解釈学の原理に高める
  a 解釈学的循環と先入見の問題
   α ハイデガーによる理解の先行構造の発見
   β 啓蒙思想による先入見の信用喪失
  b 理解の条件としての先入見
   α 権威と伝統の復権
   β 古典性を例として
  c 時代の隔たりの解釈学的意義
  d 作用史の原理
 第2節 解釈学の基本問題を取り戻す
  a 適用という解釈学的問題
  b アリストテレスの解釈学的アクチュアリティ
  c 模範としての法解釈学の意義
 第3節 作用史的意識の分析
  a 反省哲学の限界
  b 経験の概念と解釈学的経験の本質
  c 問いの解釈学的優位
   α プラトンの対話術という模範
   β 問いと答えの論理 
原注
訳注
訳者あとがき