叢書・ウニベルシタス 133
石器時代の経済学 〈新装版〉

四六判 / 454ページ / / 定価:4,800円 + 税 
ISBN978-4-588-09950-2 C1338 [2012年06月 刊行]

内容紹介

未開社会の狩猟・採集に関する豊富なデータを駆使して、「始原のあふれる社会」を実証的に描き、「飢えと過重労働」だけを見る旧来の未開社会観を根底から覆す。あわせて、生産‐労働とは何かを問い直し、未開交換の相互性と外交術などの考察の上に、人類生存のための経済活動の理論を提示する。

著訳者プロフィール

M.サーリンズ(サーリンズ マーシャル)

(Marshall Sahlins)
1930年生まれ。ミシガン大学卒業。コロンビア大学、ミシガン大学を経て、シカゴ大学教授。現代アリカの代表的人類学者。人類学と歴史学、経済学、社会学、政治学等を綜合する新進化論の理論的主導者として知られた。その後構造主義にのめり込み、構造主義が最も不得手とすると一般的に考えられている歴史研究と構造主義を融合する構造主義的歴史研究にうち込んでいる。訳書に、本書『石器時代の経済学』(72)、『人類学と文化記号論』(76)、『歴史の島々』(85)(以上、法政大学出版局刊)などがある。

山内 昶(ヤマウチ ヒサシ)

1929年東京生まれ。京都大学仏文学科卒業。同大学院(旧制)修了後、パリ大学高等研究院に留学。大手前大学教授、甲南大学名誉教を歴任し、2006年9月死去。著書:『食具』、『もののけ Ⅰ・Ⅱ』(以上、ものと人間の文化史)、『ロマンの誕生』、『現代フランスの文学と思想』、『経済人類学の対位法』、『食の歴史人類学』、『経済人類学への招待』、『タブーの謎を解く』、『ジッドの秘められた愛と性』。訳書:マンデル『カール・マルクス』、マレ『労働者権力』、サーリンズ『人類学と文化記号論』、ゴドリエ『人類学の地平と針路』『観念と物質』『贈与の謎』、プィヨン編『経済人類学の現在』、ロダンソン『イスラームと資本主義』、トマス『人間と自然界』、アタリ『所有の歴史』、テスタール『新不平等起源論』ほか。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

 謝辞
 序論

第一章 始原のあふれる社会
誤解の源泉
《ある種の物質的潤沢さ》
生活資料の自立生計
狩猟=採集民再考

第二章 家族制生産様式──過少生産構造
過少生産の諸相
家族制生産様式の概要

第三章 家族制生産様式──生産の強化
家族制生産の社会的撓曲の調査法について
親族制と経済強度
政治面での経済強化

第四章 贈与の霊
《テクストの解明》
レヴィ=ストロース、ファース、ヨハンセンの注解
『贈与論』の政治哲学

第五章 未開交換の社会学
物財の流れと社会関係
相互性の図式
相互性と親族制の距離
相互性と親族性のランク
相互性と富
相互性と食物
均衡のとれた相互性について
後思案に

第六章 交換価値と未開交易の外交術
三つの交易システム
交換レートの時間的変動
未開・市場交易の社会組織
未開の交換価値論
交換レートの安定と変動

補遺A 相互性と親族制の距離にかんするノート
補遺B 相互性と親族制ランクにかんするノート
補遺C 相互性と富にかんするノート

 原注
 訳注
 訳記
 参考文献