〈フランツ・シューベルト〉の誕生
喪失と再生のオデュッセイ

A5判 / 406ページ / 上製 / 定価:5,500円 + 税 
ISBN978-4-588-42016-0 C1073 [2016年04月 刊行]

内容紹介

二つの世紀を越えて燦然とその名を歴史に刻むフランツ・シューベルト。一人の青年が大作曲家へと孵化するには、かけがえのない友と出会い、そして別れなければならなかった―。遺された楽譜、友人との書簡、そして近代化に揺れ動く19世紀ヴィーン。それらが重なるとき、シラー、ゲーテ、ノヴァーリスらが闊歩するロマン主義のただなかに、ドラマは浮かび上がる。気鋭の著者による音楽思想劇!

著訳者プロフィール

堀 朋平(ホリ トモヘイ)

1979 年生まれ。2002年国立音楽大学音楽学学科卒業。2004 年国立音楽大学大学院修士課程音楽研究科修了。2013年東京大学大学院人文社会系研究科後期博士課程修了(文学博士)。日本シェリング協会第10回研究奨励賞受賞。日本学術振興会特別研究員PDを経て、現在、学校法人武蔵野音楽学園大学非常勤講師、国立音楽大学非常勤講師。
 共著に『バッハ キーワード事典』(春秋社、2012年)、共訳書にハインリヒ・シェンカー『ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第28番 op. 101批判校訂版――分析・演奏・文献』(音楽之友社、2015年)など。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに
凡例

序 章 シューベルトの時代
一 二羽の白鳥
二 豊饒な背景
三 突出的瞬間
四 思想的背景
五 突出と内省

第Ⅰ章 共生と孤独
一 さすらい
二 分裂
三 破局の嬰ヘ短調
四 楽園への呪詛
五 天地の隔絶
六 孤独の完成

第Ⅱ章 規範と自由
一 新星
二 「新たな道」
三 自由の諸相
四 異名同音の美的意味
五 規範と自由のはざまで

第Ⅲ章 教化育成の黄昏
一 誘惑
二 境域(エレメント)としての友人
三 リンツ・サークルの美学思想
四 理念の結実、そして解体
五 ショーバーの別離

第Ⅳ章 啓蒙から幻想へ
一 喪失と再生
二 連帯
三 幻想
四 失われたものの現前
五 逃避の美学

第Ⅴ章 憂鬱な詩人と超越の欲望
一 身体の溶解
二 痛みと超越
三 痛みと愛
四 北国の海、南国の花

第Ⅵ章 未来と過去
一 前進と没入
二 喪失と再生
三 ショーバーの花
四 ロマン主義の中のシューベルト
終節 友の楽園


あとがき
譜例
参考文献
索引

書評掲載

「音楽の友」(2016年6月号/花岡千春氏・評)にて紹介されました。

「週刊読書人」(2016年6月3日号/小宮正安氏・評)にて紹介されました。

「音楽学」(2016年第62巻2号/稲田隆之氏・評)にて紹介されました。