叢書・ウニベルシタス 935
権威の概念

四六判 / 206ページ / 上製 / 定価:2,300円 + 税 
ISBN978-4-588-00935-8 C1310 [2010年04月 刊行]

内容紹介

権威とは何か? 人類史上、あらゆる国家や政治権力を基礎づけてきた神秘の力は何に由来権威とは何か? 人類史上、あらゆる国家や政治権力を基礎づけてきた神秘の力の由来とは? パリでの伝説的ヘーゲル講義で知られるロシア人哲学者が、1942年にドイツ占領下で書き上げた本書は、父・指導者・主人・裁判官という四つの権威類型の分析を通じて、きわめて独創的で普遍的な政治理論を構想しようとする。長らく未刊であった第一級の哲学的ドキュメント。〔哲学・思想〕

著訳者プロフィール

アレクサンドル・コジェーヴ(コジェーヴ、アレクサンドル)

1902-1968.ロシア(モスクワ)生まれの著名なヘーゲル研究家・哲学者.ロシア革命の際にロシアを離れ,ドイツに亡命する.K.ヤスパースの指導の下で,ロシアの神学者ソロヴィヨフに関する学位論文を書く.1926年にフランスに移住する.同じロシア出身の思想家A.コイレと交流し,彼のヘーゲル研究に大いに影響される.1933年から39年まで,コイレの後継者として,パリの高等研究院でヘーゲル『精神現象学』講義を行う.この講義には,M.メルロ=ポンティ,J.ラカン,R.アロン,G.バタイユ,P.クロソウスキー,R.クノーなど,第二次大戦後のフランスを代表する大知識人が多数出席し,彼らの思想形成に絶大な影響を与えた.この講義はR.クノーにより整理され,1947年に『ヘーゲル読解入門』のタイトルで公刊される(邦訳,国文社).戦後はフランス政府の高級官吏として,フランスの対外経済政策に影響を与え,ヨーロッパ統合のために外交的手腕を発揮する.1968年ブリュッセルで死去.彼は生前著作を公刊しなかったが,その死後,残された原稿のいくつかが編集・出版された.『法の現象学』『概念・時間・言説』(邦訳,法政大学出版局)と同様,本書もその一つである.その他に,『ギリシャ哲学史試論(三巻)』『カント』などがある.

今村 真介(イマムラ シンスケ)

1971年生.上智大学法学部法律学科卒業.一橋大学大学院言語社会研究科博士課程満期退学.現在,早稲田大学法学部非常勤講師,東京外国語大学AA研共同研究員.専攻は社会思想史,現代思想.著書に『王権の修辞学』(講談社),共著に『儀礼のオントロギー』(同),共訳書にフュレ『マルクスとフランス革命』(法政大学出版局)がある.

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

緒言  フランソワ・テレ
権威の概念
予備的考察
A 分 析
Ⅰ 現象学的分析
Ⅱ 形而上学的分析
Ⅲ 存在論的分析
B 演 繹
Ⅰ 政治的適用
Ⅱ 道徳的適用
Ⅲ 心理学的適用
付 録
Ⅰ ペタン元帥の権威の分析
Ⅱ 国民革命に関する考察
訳者あとがき