叢書・ウニベルシタス 955
神話の変奏

四六判 / 864ページ / 上製 / 定価:11,000円 + 税 
ISBN978-4-588-00955-6 C1310 [2011年04月 刊行]

内容紹介

神や自然、あるいは歴史などを一括して「現実」と呼んで、それが与える恐怖を終わらせるところに神話の機能があるとし、その機能が宗教、神学、形而上学、芸術に受け継がれ、科学者の背後にも〈神話の変奏〉が潜んでいることを明らかにした大著。第一部は総論であり、第二部と第三部では古代から啓蒙思想の時代までを、第四部ではゲーテについて、第五部はロマン主義から現代にいたるまでを論じる。

著訳者プロフィール

ハンス・ブルーメンベルク(ブルーメンベルク ハンス)

1920年ドイツのリューベックに生まれる.パーダーボルンとフランクフルトで哲学と神学を学ぶ.1950年キール大学で教授資格を取得.60年ギーセン大学正教授,この頃エーリヒ・ロータッカーの推薦でマインツのアカデミー会員となり,独自の〈メタファー論〉の構想を発表.63年〈詩学と解釈学〉の設立メンバー,65年ボッフム大学に移り,70年から85年に退官するまでミュンスター大学教授を務めた.クーノー・フィッシャー賞やドイツ言語文芸アカデミーのジークムント・フロイト賞を受賞.96年死去.『世界の読解可能性』,『コペルニクス的宇宙の生成』Ⅰ〜Ⅲ(Ⅲは近刊),『近代の正統性』Ⅰ〜Ⅲ(以上,法政大学出版局),『難破船』(哲学書房),『光の形而上学』(朝日出版社)などが邦訳されているほかに,『生活時間と世界時間』『トラケアの下女の哄笑』『マタイ受難曲』『洞窟の出口』『人間の記述』『生活世界論』など多数の著作がある.

青木 隆嘉(アオキ タカヨシ)

1932年福岡県に生まれる.京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学(哲学専攻).大阪女子大学名誉教授.著書:『ニーチェと政治』,『ニーチェを学ぶ人のために』,共著:『実践哲学の現在』(以上,世界思想社),『過剰としてのプラクシス』(晃洋書房)ほか.訳書:アーレント『思索日記』Ⅰ〜Ⅱ(レッシング・ドイツ連邦共和国翻訳賞受賞),ヴィラ『アレントとハイデガー』,C.ムフ編『脱構築とプラグマティズム』,ヨベル『深い謎』,ヘッフェ『倫理・政治的ディスクール』,エリアス『ドイツ人論』,『モーツァルト』,シュトラウス『始まりの喪失』,エーベリング『マルティン・ハイデガー』,デュル『神もなく韻律もなく』,ピヒト『ニーチェ』,アンダース『寓話 塔からの眺め』,『世界なき人間』,『異端の思想』,『時代おくれの人間』上下,カネッティ『蝿の苦しみ』,マイアー『中国との再会』(以上,法政大学出版局)ほか.

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

第一部 太古における権限分割
  I 〈現実による絶対支配〉以後
  II 名状しがたい混沌への名前の闖入
  III《意味》
  IV さまざまな方式

第二部 物語の歴史化
  I 時代を見る遠近法の歪み
  II 基本神話と芸術神話
  III 神話と教義
  IV 神話を〈終わらせる〉ということ

第三部 火を奪った償い
  I 継承の源泉としての源泉の継承
  II ソフィストとキュニコス学派
    ──プロメテウス物語の光と影
  III 存在の根拠喪失からの帰還
  IV 芸術的解釈

第四部 神に逆らう神
  I 《起爆剤》
  II 神と神との対立
  III ナポレオン・プロメテウス
  IV「途方もない警句」の読み方

第五部 プロメテウス・この百年
  I 歴史哲学を経て
  II 再び孤島の岩山で
  III 神話を一つ〈終わらせる〉

  原 注
  訳者あとがき
  人名索引

書評掲載

「図書新聞」(2011年6月25日号/松村一男氏・評)にて紹介されました。

月刊「みすず」(2015年1・2月合併号、読書アンケート特集/金森修氏・評)に紹介されました。