叢書・ウニベルシタス 976
ゾーハル
カバラーの聖典

四六判 / 492ページ / 上製 / 定価:5,400円 + 税 
ISBN978-4-588-00976-1 C1310 [2012年07月 刊行]

内容紹介

一千年以上にわたる民族離散の歴史を背景に、13世紀スペインに出現した作者未詳の伝承テクスト『ゾーハル』(光輝の書)。ユダヤ神秘主義において聖書やタルムードと同列に置かれ、後世のメシアニズムに深い影響をもたらしたこの聖書解釈の聖典を、作家ミュラーによるヘブライ語(アラム語)原典からのドイツ語抄訳に基づいて初めて邦訳。その貴重な解説「ゾーハルとその教義」も併録。

著訳者プロフィール

エルンスト・ミュラー(ミュラー,E.)

(Ernst Müller)
1880年11月21日チェコのモラヴィア地方に生まれ、ウィーン大学で哲学の博士号を取得したのち、1907年から3年間パレスチナでギムナジウムの教師。1910年ふたたびウィーンに戻り、ユダヤ人教区の図書館司書職に就く。1938年ナチスの進出によってロンドンに亡命。1954年死去。主な作品にCh. N. ビアリクの抒情詩の翻訳(1911)、カバラー入門『ゾーハルとその教義』(1920)、『ゾーハル』抄訳(1932)、『ユダヤ神秘主義の歴史』(1946)、精神的自画像『わが道ユダヤ教とキリスト教』(1952)がある。

石丸 昭二(イシマル ショウジ)

1940年生まれ。東京大学大学院修士課程修了。ドイツ文学専攻。お茶の水女子大学名誉教授。現在獨協大学特任教授。主な著訳書に『アール・ヌーヴォーのグラフィック』(岩崎美術社)、G.ショーレム『ユダヤ神秘主義』(共訳)、G. R.ホッケ『ヨーロッパの日記』全二巻(共訳)、A.ノーシー『カフカ家の人々』、ハイデン=リンシュ『ヨーロッパのサロン』、G.ショーレム『サバタイ・ツヴィ伝』全二巻(以上、法政大学出版局刊)、E.ブロッホ『希望の原理』全三巻(共訳)、G.ロスト『司書』、U.ハイゼ『亭主』(以上白水社刊)、『独和辞典』(共編著)、『和独辞典』(共編著)(以上郁文堂刊)ほか。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

凡例

カバラーとゾーハル
序/秘密の開示 シモン・ベン・ヨハイと弟子たち/薔薇の比喩

トーラーの賛美
トーラーの言葉の創造力/神の名、自由、右側としてのトーラー コラハの乱行/下と上のトーラー/トーラーと人間創造 トーラーに庇護されていること/トーラーの愛の告白/トーラーの衣服と本性/一般的なものと特定のもの/二重の知恵/わたしと自由とトーラーについて

創造教義 世界計画
源泉の光──仲介者/隠れた原光──会見の幕屋 サロモとヒラム──露顕の時代/罪深くも最高位者を区別すること/完全なものとしての恐ろしきもの 父と子/義人の守護──二種類の岩/幕屋の意味について 礎石とその周囲/原生岩 生命の木と知識の木/一〇の神的セフィロースの無形と形態 および一〇の天使の位階/裁きの径と愛の径/世界の主体と客体/二つの相対する領域/最高の一者における三者/神の目/詩篇一九への注釈/胡桃の像で/日と月/二種類の天の使い/世界の礎石 天使の夜の讃歌とイスラエルの昼の讃歌/上の歌と下の歌/朝の空に現れるしるし 三重の讃歌/御召し車の幻視の説明 原色の弧/天の生き物とその完成たる人間像 /下と上の生き物の栄養 原人間の形像である王の戦車の四つの生き物/それからすべての言葉が造られた原初の輝き/生命の天秤/創造の日々と雅歌のなかの父祖たち/光と闇、昼と夜/光の創造と第一日について/創造の業について。生き物の群れ、言葉と光 上と下の一致/二種の対立/天と地における分かれ/一つになる場所──第三日の実を結ぶ木/第七日の段階

人間界
わたしについて──あの世の境目の原人間/創造の中心としての人間/世界の仕事につくシェキーナー 光と闇のなかでの人間の創造/最初の人について/地と人の創造 魂の三幅対/誕生まえの軀の形 一点の曇りなく祝福を反映する段階/眠っているあいだの魂──三つの魂の段階/人の霊の形成/言葉を持つ魂/人の魂の下降と再上昇 魂とその身体──愛の宮殿/男と女/原初の女性について、原初の両性関係について──セフィロースの木について/結婚生活の聖別/民族の統一──正しい愛の和合に写った神的統一/アダムから妻を分離すること 結婚生活と不倫について/シャロンの百合と低地の薔薇──アダムの堕落/低級な恐怖の始まり/新しい衝動としての善について ならびにそれより古い衝動としての悪について/誘惑のデーモンたち/神的一人称存在と異物 二重の七/暗黒の国の果て/三つの大罪と下半身の三つの器官/いまわのきわにおけるアダムとの出会い あからさまな冒瀆行為の結果/悪の必然性/善と悪の衝動ならびにその浄化──ヤハウェの使い/正しい近づきの供儀 ヨブの片手落ちな全焼の供儀 パン種としての悪人/ヨブの試練──悪への供儀/罪と死 神と人の三つの世界/いまわのきわに/死にぎわにまなざしが消えること 低いところと高いところの衣服 人の体の形成について/地獄の業火/死後の魂の三部分/生きる日々の衣服/魂のより高い光の衣/レヴィラト婚と人の魂の具現/あらかじめ定められた夫婦──他と最後/生と死の原素材/人の身体器官について/脾臓と胆汁/人体のなかの嵐と火、水について/最初の病人と最初の治癒者 バビロニアの王たち/上と下の諸元素の多様性 金属の起源──一二の象徴/星星の効力/ヤコブの墓所──いまわのきわに見ること 人間の目/人の額の表情について

祭祀と祭式
組み合わせて一つにすること。神とシェキーナー、イスラエルと大地/契約と契約のしるし/供儀の秘義/原元素と天使──供儀幻想としてのウリエル/生け贄を焼く炎の秘義 焼き尽くす天の光/上の祭壇と下の祭壇 ごくかすかな声と極上の供儀のきずな/幕屋に必要なもの/口の清浄さ──食餌法の理由/神殿建設の不思議と言葉の形成/大祭司の高さ 王と大祭司の妻/低いところの混合と高いところの結合/空っぽの卓上に祝福なし/パンと葡萄酒/契約のシンボルとしての塩/安息日について/安息日の聖別について/下と上の安息日/親への畏れと安息日の聖別/裁きの日と贖罪の日/裁きの源流──ショーファールの三つの音/贖罪の日の雄山羊 ソロモンの三書──恩寵の実現/耕されるべき土地と返ってくる祝福 ラビ・イェッセ老の食事/挙げられた両手/功績と高いところの恵みの川 深みからの祝福/一〇の言葉の重複/十戒の解釈から/最高位の三つのセフィロース──一二部族 ツァッディークの力/戒律の石板/より気高い行い/祈祷の梯子/祈りの冠/朝の祈りの六段階/ニシュマート祈祷──神のそばにいること/食前の祈り──三種の火/長引いた期待とかなう願い/義人の賞讃/神への畏れ、より高い知恵の始まり/裁きにおける釣り合い 魂のなかの支配するものと仕えるもの/井戸とノアの方舟/魂の力と養分について/奉仕の二段階 下降のまえのより高い結合/上昇、改悛、そしてより高い住まい/統一における真実の勤め──神の顔 義しい人の力/優しさの道と平安の径/聞けの秘密 三者一体と人の声/言葉の力と純粋さ 言語の分裂/魔術の克服──神の喜び マルキツェデク/アダムの子ら──悪の衝動や聖霊による生殖/神の愛について/喜びの完成/炎の比喩について/時と意志/時間の段階/洞穴のなかの書

ゾーハルについての声
附『ゾーハルとその教義』抄(エルンスト・ミュラー)

訳者あとがき
ゾーハルの翻訳箇所の一覧表
文献指示