叢書・ウニベルシタス 353
モーツァルト 〈新装版〉
ある天才の社会学

四六判 / 198ページ / 上製 / 定価:2,200円 + 税 
ISBN978-4-588-09981-6 C1336 [2014年02月 刊行]

内容紹介

父と子の愛憎の交錯、宮廷社会における葛藤と反逆──自由を求めて闘いに生きたひとりの芸術家を光源に据えて、18世紀ヨーロッパ社会にくりひろげられたドラマを再現し、人間の深さと社会のダイナミズムを描き出す。文明化の過程をめぐるエリアス社会学の精華。

著訳者プロフィール

ノルベルト・エリアス(エリアス,N.)

(Norbert Elias)
1897年ブレスラウ生まれのユダヤ系ドイツ人社会学者。地元のギムナジウムを経てブレスラウ大学に入学。そこで医学や哲学を学ぶ。第一次世界大戦では通信兵として従軍する。その後、ハイデルベルク大学でリッケルト、ヤスパースなどに哲学を学び、アルフレート・ヴェーバー、カール・マンハイムの下で社会学の研究に従事する。フランクフルト大学に移り、マンハイムの助手として働く。ナチスに追われフランスやイギリスに亡命。1954年57歳でレスター大学社会学の専任教員に任命される。レスター大学を退職した後にガーナ大学社会学部教授として招聘される。レスター大学では数多くの有能な若手社会学者を指導し、社会学、心理学、歴史学などの該博な知識に裏打ちされた独自の社会理論を構築する。邦訳書に、『文明化の過程』、『宮廷社会』、『社会学とは何か』、『参加と距離化』、『死にゆく者の孤独』、『時間について』、『諸個人の社会』、『ドイツ人論』、『定着者と部外者』(共著)〔以上、法政大学出版局〕などがあり、その他にも英語とドイツ語で書かれた多数の論文がある。1977年第一回アドルノ賞を受賞。ドイツ、フランス、オランダの大学からも名誉博士号や勲章が授与された。1990年オランダで93年の生涯を終える。

青木 隆嘉(アオキ タカヨシ)

1932年福岡県に生まれる。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学(哲学専攻)。大阪女子大学名誉教授。著書:『ニーチェと政治』、『ニーチェを学ぶ人のために』、共著:『実践哲学の現在』〔以上、世界思想社〕、『過剰としてのプラクシス』〔晃洋書房〕ほか。訳書:アーレント『思索日記』Ⅰ・Ⅱ(レッシング・ドイツ連邦共和国翻訳賞受賞)、ヴィラ『アレントとハイデガー:政治的なものの運命』、C.ムフ編『脱構築とプラグマティズム』、ヨベル『深い謎:ヘーゲル、ニーチェとユダヤ人』、ヘッフェ『倫理・政治的ディスクール』、エリアス『ドイツ人論』、シュトラウス『始まりの喪失』、エーベリング『マルティン・ハイデガー』、デュル『神もなく韻律もなく』、ピヒト『ニーチェ』、アンダース『寓話・塔からの眺め』、『世界なき人間:文学・美術論集』、『異端の思想』、『時代おくれの人間』上下、カネッティ『蠅の苦しみ:断想』、ブルーメンベルク『神話の変奏』〔以上、法政大学出版局〕ほか。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

モーツァルトについての社会学的考察
 断念と放棄
 宮廷社会における市民芸術家
 〈自由芸術家〉へのモーツァルトの歩み
 職人の芸術と芸術家の芸術
 人間のうちなる芸術家
 天才となる道
 モーツァルトの青春時代──二つの社会のはざまに

モーツァルトの反逆──ザルツブルクからウィーンへ
 解放の実現──モーツァルトの結婚

構想──ドラマとしてのモーツァルトの生涯(覚え書き)

メモ二篇

 原注
 編者あとがき(ミヒャエル・シュレーター)
 訳者あとがき