叢書・ウニベルシタス 300
ヨーロッパの日記 〈新装版〉

四六判 / 1330ページ / 上製・箱入 / 定価:12,000円 + 税 
ISBN978-4-588-09999-1 C1398 [2014年12月 刊行]

内容紹介

ルネサンスから現代まで400年にわたる赤裸な〈生〉の記録を、明確に抽出された基本モチーフによって分類分析し、彷徨するヨーロッパ精神・終わりなき弁証法的人間ドラマを再構築したヨーロッパとヨーロッパ人の本質に迫る体系的な日記人間学。

著訳者プロフィール

グスタフ・ルネ・ホッケ(ホッケ,G.R.)

(Gustav René Hocke)
1908年ブリュッセルでドイツ系の父とフランス系の母のもとに生れる。ベルリン大学在籍中にE. R. クルツィウスの著作に触発されてボン大学に移る。長期のパリ留学を経て1934年に師の審査のもとで哲学博士の学位を得る。同年ケルン新聞に入社。最初のイタリア旅行後イタリアと大ギリシア文化の研究に没頭する。1940年ケルン新聞ローマ特派員。戦争による中断後1949年戦後初のドイツ通信員としてローマを再訪し精力的なジャーナリズム活動を続ける傍ら包括的なマニエリスム研究に従事。その後は今日の世界における人間の地位に関して、文学と芸術の間の関係を主な研究テーマとした。1985年7月14日死去。1950年来ドイツ言語文学アカデミー会員、1969年イタリア共和国地中海アカデミーの、1970年ローマのテーヴェレ・アカデミーの会員。1978年ウィーン芸術大学から教授の称号を贈られ、またヴィエンナーレ国際美術批評賞を受賞したほか各国政府から数々の顕彰を受けている。主な著書は、著者のライフワークであり本書をも含めてマニエリスム研究の三部作をなす、『迷宮としての世界』(1957)、『文学におけるマニエリスム』(1959)が知られている。

石丸 昭二(イシマル ショウジ)

1940年生れ。東京大学大学院修士課程修了。ドイツ文学専攻。お茶の水女子大学名誉教授。訳書:G.ショーレム『サバタイ・ツヴィ伝』(法政大学出版局)ほか。

柴田 斎(シバタ ヒトシ)

1939年生れ。広島大学大学院修士課程修了。ドイツ文学専攻。姫路工業大学元教授。訳書:W.カイザー『言語芸術作品』(法政大学出版局)ほか。

信岡 資生(ノブオカ ヨリオ)

1929年生れ。東京大学独文科卒。ドイツ文学専攻。成城大学名誉教授。訳書:H.ヴァイゲル『ウィーンフィルハーモニー讃』(白水社)ほか。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

第 I 部 ヨーロッパの日記の基本モチーフ──比較文学史のために

意図と方法

第1章 構造と動機
1 形式の多様性
2 動機の多様性
3 日記作者の心理学
 ヨーロッパの表現

第2章 自己観察と世界観察
1 自己認識の起源と発展
2 自己観察の発展
3 年代記風事件‐記録
4 自己中心的自我‐分析、自我‐礼讃、実存における自我‐存在

第3章 自己の発揚と解体
1 不死とメランコリー
2 顕微鏡下の心、そして無秩序
3 挫折における深みの体験
4 ナルシズム的自己‐抹殺とヨーロッパ的自己‐保存

第4章 愛、性愛、性欲
1 理想、不安、そして挫折
2 反逆主義、悪魔主義、そして軽薄さ
3 自己陶酔的過ち
4 半陰陽的昏迷

第5章 隣人にたいする不安と外界批判
1 日記における隠蔽と日記の秘匿
2 圧制下の日記文学
3 隠れ家からの告発と時代からの逃避

第6章 証言記録と時代批判
1 政治日記
2 国家にたいする反抗と時代批判
3 日記のスキャンダルと日記の偽造
4 誠実性の問題

第7章 日記入間学
1 偉大の分裂
2 時間に魅入られて
3 無と全の中間に在る人間
4 大いなる苦悩とささやかなる楽園

第8章 創造の問題
1 実験室のカイロス
2 フィクションとしての現実
3 作品成立史
4 読書と人間形成

第9章 哲学と自己経験
1 自己と存在のあいだ
2 憂愁と懐疑
3 形而上学的日記
4 現存在分析における神の認識

第10章 絶対者の年代記
1 自我と世界からの解放
2 「閉ざされた」人間の突破
3 神秘的な対話
4 隣人への指向

整理 日記の〈神話的意味〉
a ヨーロッパ──探し求める創造
b 実在象徴としての神話
c 自我、そして時間の発生
d 愛の地球

原註
人名索引


第 II 部 ヨーロッパ日記選

緒言

第1系列 ルネサンスから古典的絶対主義の終りまで
フランチェスコ・ダ・フィエッソ
ステファーノ・インフェッスラ
シャルル六世・シャルル七世治下におけるパリ一市民の日記
ルカ・ランドゥッチ
クリストフ・コロンブス
ペーター・マイアー
フランソワ一世治下におけるパリ一市民の日記
アルブレヒト・デューラー
イグナティウス・フォン・ロヨラ
フェーリクス・ブラッター
ヤーコポ・ダ・ポントルモ
首切り役人フランツ・シュミット親方
ジョン・ディー
マルティーヌス・クルージウス
イザーク・カゾボン
ヤーコプ・レーダー
ジアチント・ジッリ
ガンゴルフ・ハルトゥング
サミュエル・ピープス
アルブレヒト・フォン・ハラー
サミュエル・ジョンソン
ジェイムズ・ボズウェル
ヨハン・ゲオルク・ハーマン
クリスティアン・フュルヒテゴット・ゲラート
ヨハン・ゴットフリート・ヘルダー
ヨハン・カスパール・ラーヴァーター
フランツ・フォン・バーダー
アマーリエ・フォン・ガリツィン
フリードリヒ・フォン・ハルデンベルク[ノヴァーリス]

第2系列 フランス革命から世紀末デカダンスまで
ヴィルヘルム・フォン・フンボルト
フリードリヒ・ゴットロープ・ヴェッツェル
サミュエル・テイラー・コールリッジ
E・T・A・ホフマン
ヨハン・ゴットリープ・フィヒテ
ベンジャミン・ロバート・ヘイドン
バンジャマン・コンスタン
アウグスト・フォン・プラーテン伯
バイロン卿
ヴィルヘルム・ヴァイブリンガー
ニッコロ・トンマゼーオ
アルフレッド・ド・ヴィニー
モーリス・ド・ゲラン
カミロ・ベンソ・ディ・カヴール
セーレン・キルケゴール
アンリ=フレデリック・アミエル
ゴットフリート・ケラー
ヴィルヘルム・ディルタイ
ゴンクール兄弟
ヴィクトリア女王
リヒャルト・ヴァーグナー
シャルル・ボードレール
ジョン・ヘンリー・ニューマン枢機卿
フェルディナント・グレゴローヴィウス
ジェラード・マンリー・ホプキンズ
フリードリヒ・ニーチェ
バイエルン王ルートヴィヒ二世
皇帝フリードリヒ三世
リュシ・クリスティーヌ
マリー・バッシュキルツェフ
ヒルデガルト・フォン・シュピッツェムベルク
ジュール・ルナール
フーゴ・フォン・ホーフマンスタール

第3系列 古いヨーロッパの終焉から現代まで
レオン・ブロワ
ライナー・マリーア・リルケ
レオ・N・トルストイ
イタロ・ズヴェーヴォ
シャルル・ド・フコー
エーミール・フォン・ベーリング
オスカー・レルケ
キャサリン・マンスフィールド
ゲオルク・ハイム
W・N・P・バーベリオン
エルンスト・バルラッハ
エマヌエル・フォン・ボートマン
ルネ・シッケレ
ヨーゼフ・ホーフミラー
ヴァースラフ・ニジンスキー
皇太子ヴィルヘルム・フォン・ホーエンツォレルン
ヘルマン・ヘッセ
シャルル・デュ・ボス
ハリー・グラーフ・ケスラー
ヨッヘン・クレッパー
ジュリアン・グリーン
レオ・トロツキー
ゴットフリート・ベン
アルベール・カミュ
フェーリクス・ハルトラウプ
テーオドール・ヘッカー
ヴァージニア・ウルフ
クラウス・マン
ヨーゼフ・ゲッベルス
アンリ・ド・モンテルラン
シリル・アンソニー・ストラウス
ディートリヒ・ボーンヘッファー
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
ベネデット・クローチェ
アンリ・ペラン
ペッター・ムーン
エラスムス・フォン・ヤキモフ
クヌート・ハムスン
エーリヒ・ケストナー
エルンスト・ユンガー
マックス・フリッシュ
エルンスト・ローベルト・クルツィウス
アルフレート・カントーロヴィッチュ
ヴィトルト・ゴムブロヴィッチュ
フランソワ・モーリヤック
レーオ・ヴァイスマンテル
グレアム・グリーン
教皇ヨハネス二十三世[アンジェロ・ジュゼッペ・ロンカルリィ]

訳者あとがき(石丸昭二)
主な邦訳文献
文献目録

[その他の訳者]

竹内 節(タケウチ ミサオ)
1947年生れ。大阪市立大学大学院修士課程修了。ドイツ文学専攻。兵庫県立大学教授。訳書:Th.ベルンハルト『石灰工場』(早川書房)ほか。

小谷 一夫(コタニ カズオ)
1957年生れ。東北大学大学院修士課程修了。ドイツ文学専攻。兵庫県立大学教授。