続・ハイデガー読本

A5判 / 406ページ / 並製 / 定価:3,300円 + 税 
ISBN978-4-588-15077-7 C1010 [2016年05月 刊行]

内容紹介

生涯の思索をつぶさにたどった決定版の入門書『ハイデガー読本』の続編。古代以来の哲学史と現代思想の流れのうちにハイデガーを位置づけ、その開かれた窓を通して精神史全体を眺望する。古今の思想家との緊張にみちた対決・交渉・影響関係を描き出し、日本での受容史をも一望。精鋭執筆陣50名の知を結集した必携の一冊!

著訳者プロフィール

秋富 克哉(アキトミ カツヤ)

1962年生。京都工芸繊維大学教授。著書:『芸術と技術 ハイデッガーの問い』(創文社),共編著:『ハイデッガー『存在と時間』の現在』(南窓社)。

安部 浩(アベ ヒロシ)

1971年生。京都大学教授。著書:『「現」/そのロゴスとエートス』(晃洋書房),共著:Environmental Philosophy in Asian Traditions of Thought(SUNY Press).

古荘 真敬(フルショウ マサタカ)

1968年生。東京大学准教授。著書:『ハイデガーの言語哲学』(岩波書店),論文:「呼びかけられる私,呼びかける私」(『自己(哲学への誘い 第Ⅴ巻)』東信堂)。

森 一郎(モリ イチロウ)

1962年生。東北大学教授。著書:『死と誕生──ハイデガー・九鬼周造・アーレント』『死を超えるもの──3・11以後の哲学の可能性』(以上,東京大学出版会)。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序  【森一郎】
凡例

第Ⅰ部 哲学の伝統との対話──古代ギリシアから近代ドイツまで

導入 伝統との対決──存在の歴史【秋富克哉】
1 アナクシマンドロス、ヘラクレイトス、パルメニデス──原初の思索家たち【日下部吉信】
2 プラトン──豊かな暗闇【小島和男】
3 アリストテレス──『形而上学』第一巻第一〜二章が人を感激させる理由【坂下浩司】
4 パウロ、アウグスティヌス──キリスト教における事実的生の経験の解釈学【片柳榮一】
5 トマス、スコトゥス、スアレス──「スコラ哲学」の解体と再建【山本芳久】

コラム① エックハルト──ハイデガーとドイツ神秘主義【上田閑照】
コラム② 老子──ハイデガーと中国道家思想【中島隆博】
コラム③ 親鸞──ハイデガーと日本仏教思想【大峯顯】

6 ルター、パスカル、キルケゴール──〈形而上学の克服〉のモチーフ【茂牧人】
7 デカルト──存在と実存─「私」と「現」における【小泉義之】
8 ライプニッツ──終生の「共同思索者」【酒井潔】
9 カント──超越論的構想力と構想─暴力【宮崎裕助】
10 シェリング──『自由論』解釈と「無底」問題【森哲郎】
11 ヘーゲル──六つのテーマに即して【大橋良介】

コラム④ フィヒテ──ハイデガーとドイツ観念論【美濃部仁】

第Ⅱ部 二十世紀の潮流のなかで──思索者たちの遭遇
12 ニーチェ、ヴェーバー──「学問の危機」をめぐって【竹内綱史】
13 ディルタイ、ヨルク──『存在と時間』成立の一大ドキュメント【的場哲朗】
14 ベルクソン、マルセル──希望をめぐって【戸島貴代志】
15 ブレンターノ、シェーラー──動物の心をめぐって【吉川孝】
16 フッサール──発生と解体【榊原哲也】
17 リッカート、ラスク、カッシーラー──新カント派との交差点【渡辺和典/庄子綾】

コラム⑤ マルクス──ハイデガーとマルクス主義【熊野純彦】
コラム⑥ バルト、ブルトマン、ティリッヒ──ハイデガーと二十世紀神学【芦名定道】

18 ヤスパース──かつての盟友からの視角【中山剛史】
19 ガダマー──存在の思索の解釈学的転回【佐々木一也】
20 アーレント──良心をめぐって【森一郎】
21 ヨーナス──グノーシス、自然哲学、科学技術倫理【安部浩】
22 レーヴィット、アンダース、マルクーゼ──三人の弟子たちのそれぞれの道【小松恵一】
23 サルトル、メルロ=ポンティ──フランス現象学の双星【本郷均】

コラム⑦ シュタイン、フィンク、パトチカ──ハイデガーとフライブルク現象学【陶久明日香】
コラム⑧ ビンスヴァンガー、ブランケンブルク、木村敏──ハイデガーと精神医学【野間俊一】

第Ⅲ部 ハイデガー以後と現代思想──他なる思考の競演
24 ブロッホ、ローゼンツヴァイク、ベンヤミン──反転する時間、革命としての歴史【柿木伸之】
25 アドルノ、ハーバーマス、ホネット──危機の時代の生存と哲学【入谷秀一】
26 リクール──「短い道」と「長い道」【杉村靖彦】
27 レヴィナス──私の死と他人の死【小手川正二郎】
28 フーコー、ドゥルーズ──主体と真理、存在と出来事【廣瀬浩司/増田靖彦】
29 デリダ──「脱構築」の形成【加藤恵介】

コラム⑨ アガンベン、ナンシー、バディウ──ハイデガーと「脱構築」以後【三松幸雄】
コラム⑩ アンリ──ハイデガーと生の現象学【川瀬雅也】
コラム⑪ ラカン──ハイデガーと精神分析【立木康介】

30 カルナップ、ウィトゲンシュタイン──形而上学的なものをめぐる誤解と理解【荒畑靖宏】
31 テイラー、ローティ、ブランダム──点と線、鏡、そして理由の空間へ【乘立雄輝】
32 鈴木大拙、西田幾多郎、田邊元──三通りの出会いとすれ違い【松丸壽雄】
33 三木清、西谷啓治──アリストテレス解釈から未完の構想力論へ【秋富克哉】
34 和辻哲郎、九鬼周造──「他者」との共同性をめぐって【古荘真敬】
35 三宅剛一、辻村公一、渡邊二郎、川原栄峰──有限性、絶対性、本来性【佐野之人/松本直樹】

コラム⑫ ブルーメンベルク──ハイデガーと哲学史考【齋藤元紀】

付録 「ハイデガーと哲学史・現代思想」に関する文献案内【監修:齋藤元紀/陶久明日香/松本直樹】

人名・著作名索引【作成協力:庄子綾/渡辺和典】
図版・装丁=中野仁人

■著者(掲載順)

日下部 吉信(クサカベ ヨシノブ) 1946年生。立命館大学特任教授。著書:『ギリシア哲学と主観性』(法政大学出版局),『ハイデガーと西洋形而上学』(晃洋書房)。

小島 和男(コジマ カズオ) 1976年生まれ。学習院大学准教授。著書:『プラトンの描いたソクラテス』(晃洋書房),共著:『面白いほどよくわかるギリシャ哲学』(日本文芸社)。

坂下 浩司(サカシタ コウジ) 1965年生。南山大学教授。著書:『アリストテレスの形而上学』(岩波書店),訳書:アリストテレス『動物部分論・動物運動論・動物進行論』(京都大学学術出版会)。

片柳 榮一(カタヤナギ エイイチ) 1944年生。聖学院大学客員教授。著書:『初期アウグスティヌス哲学の形成』(創文社),共著:The Depth of the Human Person(Wm. B. Eerdmans Publishing).

山本 芳久(ヤマモト ヨシヒサ) 1973年生。東京大学准教授。著書:『トマス・アクィナスにおけるの存在論』(知泉書館),『トマス・アクィナス 肯定の哲学』(慶應義塾大学出版会)。

上田 閑照(ウエダ シズテル) 1926年生。京都大学名誉教授。著書:『上田閑照集』(全11巻,岩波書店),Wer und was bin ich? Zur Phänomenologie des Selbst im Zen-buddhismus(Karl Alber).

中島 隆博(ナカジマ タカヒロ) 1964年生。東京大学教授。著書:『悪の哲学──中国哲学の想像力』(筑摩書房),編著書:『コスモロギア──天・化・時』(法政大学出版局)。

大峯 顯(オオミネ アキラ) 1929年生。大阪大学名誉教授。著書:『フィヒテ研究』(創文社),『花月の思想』(晃洋書房),『親鸞のコスモロジー』『親鸞のダイナミズム』『宗教の授業』(法蔵館)。

茂 牧人(シゲル マキト) 1958年生。青山学院大学教授。著書:『ハイデガーと神学』(知泉書館),共著:『ハイデガー哲学は反ユダヤ主義か』(水声社)。

小泉 義之(コイズミ ヨシユキ) 1954年生。立命館大学教授。著書:『兵士デカルト──戦いから祈りへ』(勁草書房),『デカルト哲学』(講談社学術文庫)。

酒井 潔(サカイ キヨシ) 1950年生。学習院大学教授。著書:『世界と自我』(創文社),『ライプニッツのモナド論とその射程』(知泉書館),『ライプニッツ』(清水書院),『自我の哲学史』(講談社)。

宮﨑 裕助(ミヤザキ ユウスケ) 1974年生。新潟大学准教授。著書:『判断と崇高──カント美学のポリティクス』(知泉書館),共訳書:デリダ『哲学への権利2』(みすず書房)。

森 哲郎(モリ テツロウ) 1950年生。京都産業大学教授。共著:『世界史の理論』『禅と京都哲学』(以上,燈影舎),『モデルネの翳り』(晃洋書房)。

大橋 良介(オオハシ リョウスケ) 1944年生。日独文化研究所所長。著書:『感性の精神現象学』(創文社),編著:『ハイデッガーを学ぶ人のために』(世界思想社)。

美濃部 仁(ミノベ ヒトシ) 1963年生。明治大学教授。共著:『思想間の対話』(法政大学出版局),『フィヒテ知識学の全容』(晃洋書房),論文:Selbstnegation des Wissens(Fichte-Studien Bd. 43).

竹内 綱史(タケウチ ツナフミ) 1977年生。龍谷大学准教授。共著:『哲学と大学』(未來社),論文:「ニーチェにおけるニヒリズムと身体」(『宗教哲学研究』第33号)。

的場 哲朗(マトバ テツロウ) 1949年生。白鴎大学教授。共編著:『ハイデッガー『存在と時間』の現在』(南窓社),編著:『第一次世界大戦と現代』(丸善プラネット)。

戸島 貴代志(トシマ キヨシ) 1958年生。東北大学教授。著書:『創造と想起──可能的ベルクソニズム』(理想社)。論文:「ふるさとの音」(『「地域」再考 復興の可能性を求めて』東北大学出版会)。

吉川 孝(ヨシカワ タカシ) 1974年生。高知県立大学准教授。著書:『フッサールの倫理学──生き方の探究』(知泉書館),論文:「アクラシアの現象学」(『現象学年報』第30号)。

榊原 哲也(サカキバラ テツヤ) 1958年生。東京大学教授。著書:『フッサール現象学の生成[方法の成立と展開]』(東京大学出版会)。共訳書:フッサール『イデーンⅡ-Ⅱ』(みすず書房)。

渡辺 和典(ワタナベ カズノリ) 1975年生。学習院大学ほか非常勤講師。著書:『最初期ハイデッガーの意味論──発生・形成・展開』(晃洋書房),共著:『科学と技術への問い』(理想社)。

庄子 綾(ショウジ アヤ) 1978年生。上智大学大学院博士後期課程。共訳:ラスク「哲学の論理学とカテゴリー論」(『哲学科紀要』上智大学,第40号),『科学と技術への問い』(理想社)。

熊野 純彦(クマノ スミヒコ) 1958年生。東京大学教授。著書:『マルクス 資本論の思考』(せりか書房),訳書:ハイデガー『存在と時間』(岩波文庫)。

立木 康介(ツイキ コウスケ) 1968年生。京都大学准教授。著書:『露出せよ,と現代文明は言う』(河出書房新社),『狂気の愛,狂女への愛,狂気のなかの愛』(水声社)。

芦名 定道(アシナ サダミチ) 1956年生。京都大学教授。著書:『ティリッヒと弁証神学の挑戦』(創文社),『自然神学再考──近代世界とキリスト教』(晃洋書房)。

中山 剛史(ナカヤマ ツヨシ) 1963年生。玉川大学教授。共編著:『精神医学と哲学の出会い──脳と心の精神病理』(玉川大学出版部),『始まりのハイデガー』(晃洋書房)。

佐々木 一也(ササキ カズヤ) 1954年生。立教大学教授。論文「精神科学の現代的意味」(『ディルタイ年報』第24号),分担執筆「Ⅵ ガーダマー」(『哲学の歴史10』中央公論新社)。

小松 恵一(コマツ ケイイチ) 1954年生。仙台大学教授。論文:「『否定弁証法』は『啓蒙の弁証法』の徹底であるか」(『思索』第47号),「森鴎外とカール・レーヴィット覚書」(『ヨーロッパ研究』第6号)。

本郷 均(ホンゴウ ヒトシ) 1959年生。東京電機大学教授。論文:「中間領域の創造性について」(『研究紀要』),共訳書:ディディエ・フランク『現象学を超えて』(萌書房)。

陶久 明日香(スエヒサ アスカ) 1973年生。成城大学准教授。著書:Die Grundstimmung Japans(Peter Lang),論文:「ハイデッガーにおける気分論の形成」(『現象学年報』第29号)。

柿木 伸之(カキギ ノブユキ) 1970年生。広島市立大学准教授。著書:『ベンヤミンの言語哲学』(平凡社),『パット剝ギトッテシマッタ後の世界ヘ──ヒロシマを想起する思考』(インパクト出版会)。

入谷 秀一(ニュウヤ シュウイチ) 1975年生。龍谷大学講師。著書:『ハイデガー──ポスト形而上学の時代の時間論』『かたちある生──アドルノと批判理論のビオ・グラフィー』(以上,大阪大学出版会)。

杉村 靖彦(スギムラ ヤスヒコ) 1965年生。京都大学准教授。著書:『ポール・リクールの思想 意味の探索』(創文社),共編著:Philosophie japonaise. Le néant, le monde et le corps(J. Vrin).

小手川 正二郎(コテガワ ショウジロウ) 1983年生。國學院大學准教授。著書:『甦るレヴィナス』(水声社),
論文:「いかにして「自己の内なる良心」に目覚めるのか」(『ハイデガー・フォーラム』第8号)。

廣瀬 浩司(ヒロセ コウジ) 1963年生。筑波大学教授。著書:『デリダ──きたるべき痕跡の記憶』(白水社),『後期フーコー』(青土社),共著:『知の教科書 デリダ』(講談社)。

増田 靖彦(マスダ ヤスヒコ) 1967年生。龍谷大学准教授。共編著:『ヨーロッパ現代哲学への招待』(梓出版社),共訳書:ドゥルーズ+パルネ『ディアローグ ドゥルーズの思想』(河出文庫)。

加藤 恵介(カトウ ケイスケ) 1958年生。神戸山手大学教授。共著:トラヴニー・中田・齋藤編『ハイデガー哲学は反ユダヤ主義か』(水声社),訳書:ナンシー『複数にして単数の存在』(松籟社)。

三松 幸雄(ミツマツ ユキオ) 明治大学兼任講師。論文:「「芸術」以後──音楽の零度より」(『21世紀の哲学をひらく』ミネルヴァ書房),共編訳書:B. Newman: The Stations of the Cross(Miho Museum/NGA).

川瀬 雅也(カワセ マサヤ) 1968年生。島根大学准教授。著書:『経験のアルケオロジー──現象学と生命の哲学』(勁草書房),訳書:『ミシェル・アンリ──生の現象学入門』(勁草書房)。

野間 俊一(ノマ シュンイチ) 1965年生。京都大学講師。著書:『解離する身体』(みすず書房),『身体の時間──〈今〉を生きるための精神病理学』(筑摩書房)。

荒畑 靖宏(アラハタ ヤスヒロ) 1971年生。慶應義塾大学准教授。著書:Welt-Sprache-Vernunft (Ergon),『世界内存在の解釈学──ハイデガー「心の哲学」と「言語哲学」』(春風社)。

乘立 雄輝(ノリタテ ユウキ) 1968年生。東京女子大学教授。論文:「オッカムからヒュームへ」(『西洋哲学史4』講談社),「世界はなぜ,このように存在しているのか」(『RATIO3』講談社)。

松丸 壽雄(マツマル ヒサオ) 1945年生。獨協大学教授。著書:『直接知の探求』(春風社),論文:Tanabe und Heidegger. Fragendes Kreisen um den Tod(Heidegger-Jahrbuch 7, Karl Alber).

佐野 之人(サノ ユキヒト) 1956年生。山口大学教授。共著:『ハイデッガーを学ぶ人のために』(世界思想社),論文:「純粋経験とは何か」(『西日本哲学年報』第23号)。

松本 直樹(マツモト ナオキ) 1966年生。同志社女子大学非常勤講師。論文:「死はいつかの出来事であるか」(『宗教哲学研究』第24号),共訳書:グレーシュ『『存在と時間』講義』(法政大学出版局)。

齋藤 元紀(サイトウ モトキ) 1968年生。高千穂大学教授。著書:『存在の解釈学──ハイデガー『存在と時間』の構造・転回・反復』,共訳書:ロックモア『カントの航跡のなかで』(以上,法政大学出版局)。

書評掲載

「週刊読書人」(2016年7月22日号/須藤訓任氏・評)にて紹介されました。

「図書新聞」(2016年10月15日号/井上克人氏・評)にて紹介されました。