ラジオの歴史
工作の〈文化〉と電子工業のあゆみ

A5判 / 402ページ / 上製 / 定価:4,800円 + 税 
ISBN978-4-588-37117-2 C0021 [2011年12月 刊行]

内容紹介

電子立国日本の原点に、工作の〈文化〉があった! 厖大な史料を博捜し、インタビューを重ねて、ラジオ工作少年やフリーランサーの技術者、中小の部品メーカーなどを主人公に、日本のラジオ、テレビ、オーディオの歴史をあとづける。本書は、アマチュア精神へのオマージュであり、収録された457 点の写真・図版は、それだけで「ラジオ博物館」の趣をなす。元NHK放送博物館館長・中田薫氏推薦。

著訳者プロフィール

高橋 雄造(タカハシ ユウゾウ)

東京に生まれる。東京大学工学部電子工学科卒業。同大学大学院博士課程修了。工学博士。中央大学勤務を経て、2008年3 月まで東京農工大学教授。日本科学技術史学会会長。1975-77年、西ドイツ(当時)アレクサンダー・フォン・フンボルト財団給費研究員としてミュンヘン工科大学に留学。1991-92年、米国ワシントンDC のスミソニアン国立アメリカ歴史博物館に留学。1996年に博物館学芸員資格を取得。専門は高電圧工学、技術史、博物館学。著訳書に、『博物館の歴史』(法政大学出版局、2008年)、『ミュンヘン科学博物館』(編著、講談社、1978年)、『てれこむノ夜明け──黎明期の本邦電気通信史』(共編著、電気通信調査会、1994年)、『ノーベル賞の百年──創造性の素顔』(共同監修、ユニバーサル・アカデミー・プレス、2002年)、『岩垂家・喜田村家文書』(監修、創栄出版、2004年)、『百万人の電気技術史』(工業調査会、2006 年)/『電気の歴史──人と技術のものがたり(東京電機大学出版局、2011年)、『静電気がわかる本』(工業調査会、2007年)/『静電気を科学する』(東京電機大学出版局、2011年)、 R.S.コーワン『お母さんは忙しくなるばかり』(訳、法政大学出版局、2010年)などがある。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

 はじめに

第 I 部 ラジオの初めからテレビ普及まで

第1章 電波の発見、無線電話、真空管の登場、放送の開始
    ──欧米におけるラジオ
 間章1 ラジオ雑誌の系譜Ⅰ
     ──柴田寛と『ラジオ科学』
第2章 日本におけるラジオ放送開始とラジオ雑誌 
    ──濱地常康の『ラヂオ』から『無線と実験』へ
 間章2 ラジオ雑誌の系譜Ⅱ
    ──第二次世界大戦後のラジオ雑誌
第3章  日本のラジオ工業のあゆみ
    ──自作ラジオと富士製作所(STAR)
 間章3 山中電機の足跡
     ──第二次世界大戦前のラジオメーカーと戦中の成長
第4章 日本のテレビと受像機工業
    ──JAT、TVK、テレビキット、大企業による量産
 間章4 ポータブルラジオの白砂電機(シルバー)
     ──ラジオ少年がつくった中堅企業

第II部 ラジオ工作とラジオ工業の諸相

第5章 ラジオ・エレクトロニクス技術通信教育の歴史
    ──ラジオ教育研究所の通信教育
 間章5 神田・秋葉原の電気街
     ──ラジオ少年のふるさと
第6章 ラジオ・テレビと修理技術 
    ──修理サービスの重要性
 間章6 unofficialな研究グループ
     ──十日会、テープレコーダー研究会、学校のクラブ
第7章 オーディオ愛好家と日本オーディオ協会
    ──「世界のステレオ工場」への道
 間章7 東京大学の「電気相談部」 
     ──第二次大戦後の学生アルバイト団体
第8章 トランジスターラジオ輸出とロックンロール
    ──日本の電子工業の繁栄をもたらしたもの
 間章8 戦争、政治とラジオ・テレピ
     ──技術進歩とプロパガンダ
第9章 ラジオ工作とunofficialなセクターの役割
    ──男性性、電気技術者教育、「電気リテラシー」
 間章9 文芸に見るラジオ、女性とラジオ
     ──世につれて変わるラジオ

 おわりに
 史料・文献
 索  引