中世の音楽世界
テキスト、音、図像による新たな体験

A5判 / 440ページ / 上製 / 定価:7,500円 + 税 
ISBN978-4-588-42012-2 C1073 [2012年06月 刊行]

内容紹介

中世音楽を現代的感覚のみで聴くこと、理解することの不毛性と危うさ、つまらなさを指摘し、音楽における「個人性」の認識過程、イングランドやスペインの状況、ギリシャ思想との関連など、中世社会の全体を俯瞰する視野のもとに展開する音楽文化史。その対象は教会音楽のみならず、俗謡や恋愛歌の数々におよぶ。詳細なディスコグラフィーと、51点の楽譜および演奏を収録したCDを付す。

著訳者プロフィール

ベルンハルト・モールバッハ(モールバッハ,B.)

1949年,ドイツ,ラインラントプファルツの生まれ.ザールブリュッケン大学で音楽学,芸術史などを学ぶ.ザールラントなどで音楽関係の教職の後,1979年以降,ラジオ放送を通して古音楽の紹介,解説を続けている.放送局SFB (Sender Freies Berlin) =今日のRBB(Rundfunk Berlin Brandenburg)での番組は今日までに約6000回に及ぶ.その結実の一つが本書および,『ルネサンスの音楽世界』『バロックの音楽世界』(いずれもベーレンライター社から既刊)の三部作となっている.放送の他,ライブなどを通して,古音楽の復活,再生だけでなく,それを今日に「生かす」ことに心を注いでいる.

井本 晌二(イモト ショウジ)

1943年に生まれる.東京大学文学部独文学科卒業.東京都立大学大学院修士課程(独文学専攻)修了.元・横浜国立大学教育人間科学部教授.訳書に,H. C.シャーパー『西洋音楽史・上下』,O. E.ドイッチュ他編『モーツァルトの生涯』(以上,シンフォニア社),共訳に,キンツィンガー『中世の知識と権力』,W.ハルトゥング『中世の旅芸人』,F.ライヒェルト『世界の体験』,N.オーラー『巡礼の文化史』,N.エリアス『時間について』,N.ビショッフ『エディプスの謎・下』(以上,法政大学出版局),O.ボルスト『中世ヨーロッパ生活誌・上下』(白水社),A.ボルスト『中世の巷にて』(平凡社)などがある.

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

0 古楽による新しい音楽体験  1
1 中世音楽は存在するか  13
2 中世音楽の現在 ── 過去の芸術の再構成  25
3 世界の音楽的秩序 ── 音楽哲学  37
4 グレゴリオ聖歌と一〇〇〇年ころの音楽の文字・記号化  59
5 グレゴリオ聖歌のさまざまなジャンルと形式  73
6 トロープスとセクウェンツ ── 宗教詩  87
7 ビンゲンのヒルデガルト  101
8 初期のオルガヌム  117
9 トゥルバドゥール、トゥルヴェール、ミンネゼンガー  131
10 一二〇〇年頃のパリ・ノートル・ダムの音楽  151
11 アルス・アンティクァ ── 一三世紀の古芸術  173
12 ヨハネス・デ・グロケオと一三〇〇年ころのパリの音楽  187
13 楽  器  205
14 器楽音楽  221
15 アルス・ノヴァ ── 一四世紀の新音楽  237
16 ギョーム・ド・マショーと一四世紀のシャンソン  253
17 アルス・スブティリオール ── 中世の秋のアヴァンギャルド  281
18 トレチェント ── 一四世紀のイタリア音楽  297
19 一一五〇−一三五〇年ころのイベリア音楽  317
20 イングランドの音楽  341
 付録  357
 付録CD-ROMの使い方について  389
 訳者あとがき  415
 索  引  (i)
 原  注  (v)

書評掲載

「史学雑誌」(第123編第12号、2014年12月発行/武田啓佑氏・評)に紹介されました。