サピエンティア 27
正義の秤(スケール)
グローバル化する世界で政治空間を再想像すること

四六判 / 304ページ / 上製 / 定価:3,300円 + 税 
ISBN978-4-588-60327-3 C1330 [2013年09月 刊行]

内容紹介

正義の秤=尺度をめぐる二つのイメージ。ひとつの難題は、再分配か、承認か、代表かという「なに」をめぐって競合する見解から生じる。もうひとつの困難は、領域化された市民か、グローバルな人類か、国境横断的なリスクの共同体かという「だれ」をめぐって対立するフレーム化から生じている。本書は、これらの難題をえぐり出しつつ批判理論化のもとで統合し、正義の理想を追究する。

著訳者プロフィール

ナンシー・フレイザー(フレイザー,N.)

(Nancy Fraser)
1947年、アメリカのボルティモア生まれ。1980年にニューヨーク市立大学大学院で哲学の博士号を取得。現在はニューヨークのニュー・スクール・フォー・ソーシャル・リサーチの哲学科で、政治学および社会科学講座の教授を務める。フェミニズの理論家としても著名で、アメリカ批判理論の代表者のひとりである。
最新刊に Fortunes of Feminism: From Women's Liberation to Identity Politics to Anti-Capitalism( London: Verso, 2013)、主な邦訳に、『中断された正義──「ポスト社会主義的」条件をめぐる批判的省察』(仲正昌樹監訳、御茶の水書房、2003年)、『再配分か承認か? ──政治・哲学論争』(アクセル・ホネットと共著、加藤泰史監訳、法政大学出版局、2012年)、『九・一一とアメリカ知識人』(エリ・ザレツキーと共著、仲正昌樹訳、御茶の水書房、2002年)などがある。

向山 恭一(ササヤマ キョウイチ)

1964年生まれ。新潟大学教授。政治思想専攻。
著書に『対話の倫理──ヘテロトピアの政治に向けて』(ナカニシヤ出版、2001年)、訳書に、セイラ・ベンハビブ『他者の権利──外国人・居留民・市民』(法政大学出版局、2006年)、ウェンディ・ブラウン『寛容の帝国──現代リベラリズム批判』(法政大学出版局、2010年)などがある。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

 謝辞

第1章 正義の秤、天秤と地図──序論

第2章 グローバル化する世界で正義を再フレーム化すること

第3章 平等主義の二つのドグマ

第4章 変則的正義

第5章 公共圏の国境を横断すること──ポストウェストファリア的世界における世論の正統性と実効性について

第6章 フェミニズムの想像力を地図化すること──再分配から承認、そして代表へ

第7章 規律訓練からフレキシビリゼーションへ? ──グローバリゼーションの影のもとでフーコーを再読すること

第8章 グローバリゼーションにおける人類の脅威──二一世紀をめぐるアレント的考察

第9章 フレーム化の政治──ナンシー・フレイザーと語る(ケイト・ナッシュ、ヴィッキ・ベル)

 註記
 訳者あとがき
 文献一覧
 索引

関連書籍

N.フレイザー、A.ホネット著/加藤泰史監訳『再配分か承認か?』
M.ヌスバウム著/神島裕子訳『正義のフロンティア』