サピエンティア 31
人民主権について

四六判 / 256ページ / 上製 / 定価:3,000円 + 税 
ISBN978-4-588-60331-0 C1331 [2013年07月 刊行]

内容紹介

政治には、現実政治と言説的な表現である政治的なるものの両義性がある。「政治の両義性」をどのように判断し調整し定位するかは主権者に委ねられているが、それでは現代政治において人民主権は存在するのか? 本書は、機能不全をきたしている政治を私たちの手に取り戻すために、主権、主権者、ポピュリズム、代表などの政治的な概念との対話を重ねながら人民主権概念を再考する。

著訳者プロフィール

鵜飼 健史(ウカイ タケフミ)

1979年生まれ。一橋大学社会学部、ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジ政治学部博士課程(博士号候補資格取得)を経て、一橋大学大学院社会学研究科総合社会科学専攻博士後期課程を単位取得退学。博士(社会学・一橋大学)。日本学術振興会特別研究員を経て、現在、早稲田大学社会科学総合学術院助教。
主な著作・訳書として、「主権国家の意義?」杉田敦編『守る――境界線とセキュリティの政治学』(風行社、2011年)、「日本国憲法前文は誰が書いたか――行為遂行性と事実確認性の間」中野勝郎編著『市民社会と立憲主義』(法政大学現代法研究所叢書34、法政大学出版局、2012年)、ウィリアム・コノリー『プルーラリズム』(杉田敦・鵜飼健史・乙部延剛・五野井郁夫訳、岩波書店、2008年)、ほか。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序章 「政治の両義性」という考え方
一 「哀れな政治」
二 政治的なるものの介在
三 「政治の両義性」の展望
四 人民主権の政治学へ

第1章 政治の可能性と不可能性
一 政治からの解放
二 国民国家とその落日以後
三 リベラリズムを批判すること
四 普遍主義か特殊主義か
五 普遍主義とどのようにつき合うべきか

第2章 主権と政治――王の首の行方について
一 主権の形式
二 主権の機能
三 主権の現象
四 主権の循環性
五 主権の未来

第3章 主権者の存在論とその意味――あるいは主権者の不在論とその無意味
一 主権から主権者へ
二 現代主権論のふたつの傾向
三 人民と国民
四 主権者の限界
五 主権者から主権へ

第4章 ポピュリズムの両義性
一 ポピュリズムと私たち
二 敵対性の多元化と危機
三 人民とポピュリスト
四 ポピュリズムを超えて?
五 ポピュリズムなき人民的なるもの

第5章 「代表」の何が問題なのか――代表の彼方
一 代表の論じ方
二 代表性と代表制
三 代表する者と代表される者
四 直接民主制と間接民主制
五 代表の罪

終章 目的なき人民主権の目的
一 人民主権は存在するか
二 「私たち」はどこからきたのか
三 「私たち」はどこへいくのか

 あとがき
 初出一覧
 参考文献一覧
 索引

関連書籍

M.カリーゼ著/村上信一郎訳『政党支配の終焉』