法政大学現代法研究所叢書 40
境界線の法と政治

中野 勝郎:編著
A5判 / 236ページ / 上製 / 定価:3,000円 + 税 
ISBN978-4-588-63040-8 C1331 [2016年03月 刊行]

内容紹介

法律学・政治学において考察の前提であった「境界線」の意味を問い直す試み。国際法、政治理論、政治思想史の中堅・若手の研究者を中心とした共同研究の成果。「分かつ」と「つなげる」という相矛盾する機制をもつ「境界線」をめぐって、帝国、国際主義、原子力の平和利用、国家と市場、生産と労働、合法性と超法規性、合法性と違法性、分権と集権という視点から考察した論文集。

著訳者プロフィール

中野 勝郎(ナカノ カツロウ)

法政大学法学部教授

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

まえがき(杉田 敦)

第1部 国際社会をめぐる法と政治

第1章 帝国化と文明
──イギリスのインド統治とエドマンド・バークの批判(高橋和則)
はじめに
一 「政治的必要」と「媒介的恣意的権力」
二 「東洋の専制」と「地理的道徳」
おわりに

第2章 日韓の社会規範としての国際主義思想の展開
──日本統治時代におけるキリスト教、並びにマルクス主義について(崔先鎬)
はじめに
一 近代知識人における伝統的「中庸(moderation)」の概念の理解と平和──新渡戸稲造
二 平和思想をめぐる認識の差、そして思考世界における信念
三 新渡戸思想に内在する東西文化の体系と論理性
四 新渡戸の「知行合一」と「平民道(PLEBEIANISM)」についての考察
  ──内村鑑三の門下生としての矢内原忠雄らにおける新渡戸稲造
五 もう一つの軸、社会主義系列の知識人──立証可能な学問としての科学主義
六 社会主義論議の背景と経緯──文化についての並行的認識
七 文芸を通した思想の展開──新幹会活動
八 母国語の普及による社会主義と民族主義の実現
おわりに

第3章 奴隷取引船舶に対する干渉行為
──二〇世紀における法典化の展開(森田章夫)
はじめに
一 戦間期の展開
二 第二次世界大戦後の展開
結び

第4章 国境を越える核関連物質・機器の国際管理(岡松暁子)
一 はじめに
二 原子力平和協力の意義
三 原子力の軍事転用防止への取組み
四 NPT非加盟国への新たな対応
五 結語──原子力の平和利用に関する国際法の展望

第2部 国内社会をめぐる法と政治

第5章 抵抗権を考える──例外状態との関連において(谷本純一)
はじめに
一 抵抗権のメカニズムについて
二 パルチザンについて
三 例外状態と抵抗権の一致
四 闘争形態の変化
結論 

第6章 フィジオクラットにおける土地と主権
──富の形態とその領域性をめぐって(安藤裕介)
はじめに
一 モンテスキューにおける富と主権
二 フィジオクラットにおける富と主権
三 フィジオクラットにおける「商業社会」
四 土地単一税と「共同所有者」の構想
おわりに

第7章 境界線の政治理論
──マリオ・トロンティの〈社会的工場〉論(中村勝己)
はじめに
一 『労働者と資本』──トロンティのマルクス読解の独自性
二 トロンティの戦略構想の独自性──階級闘争の第一次性、賃労働─資本関係の政治性
三 さまざまな反響──アソル=ローザ、ダッラ=コスタ、ネグリ
おわりに──六八年と六九年のはざまで

第8章 多からなる統一 ──境界線をめぐる革命(中野勝郎)
はじめに
一 「多」─植民地(邦)という政治空間
二 「統一」─連邦という政治空間
三 「多」から「統一」へ
四 「多」と「統一」

[著者一覧] (*は編著者)

杉田 敦(スギタ アツシ)
法政大学法学部教授

高橋 和則(タカハシ カズノリ)
中央大学法学部、立教大学法学部非常勤講師

崔 先鎬(チェ ソンホ)
法政大学法学部、立教大学異文化コミュニケーション学部兼任講師

森田 章夫(モリタ アキオ)
法政大学法学部教授

岡松 暁子(オカマツ アキコ)
法政大学人間環境学部教授

谷本 純一(タニモト ジュンイチ)
福岡教育大学教育学部講師

安藤 裕介(アンドウ ユウスケ)
日本学術振興会特別研究員PD

中村 勝己(ナカムラ カツミ)
法政大学法学部、中央大学法学部兼任講師

中野 勝郎(ナカノ カツロウ) *