「第13回 法政大学出版局学術図書刊行助成」 選考結果のお知らせ
法政大学出版局では、2014年より「法政大学出版局学術図書刊行助成制度」を設け、全国の各大学在職の研究者および民間研究者を対象に、優れた学術的価値を有する専門的研究成果の募集を行っております。
2026年も、春に第13回目の募集を行い、局内および小局理事会における厳正な審査と、外部の審査員による評価を経て、本年度は下記2点の論文作品を刊行助成対象とすることに決定しました。
(1)
著者:櫻井すみれ氏
論文名:『指紋押捺拒否運動とはなんだったのか──「生」をめぐる自己決定/脱帝国主義への分岐点』
《選考理由》
「指紋押捺拒否運動に関する従来の先行研究は、押捺を拒否した側の在日コリアン当事者を主な対象にしていたが、本論は日本人の支援者側も分析対象とし、その支援者としての当事者性を論じた点が新鮮である。自治体労働者、聖職者、教員、ウーマンリブ活動家など多様な個性をもったアクターに着目し、会報・ミニコミや行政資料・外交資料などこれまで活用されてこなかった文献資料にあたるとともに、6名の当事者へのインタビューも行っている。研究の独自性が高く評価できる。」
(2)
著者:洪龍日氏
論文名:『「サッカーのある暮らし」の文化政治学──現代中国に
《選考理由》
「中国・延辺朝鮮族自治州におけるプロサッカーの歴史やクラブ運営の経緯を観察することで、サッカーという文化実践を通した朝鮮族社会の変容を記述する民族誌。延辺サッカーの誕生から発展、衰退、そして再編成までの歴史を丁寧に整理し、その過程で民族、国家、地域社会、市場、さらには国境を越えたネットワークがどのように形成されてきたのかを丁寧に分析している。サッカー文化論としても中国の少数民族の民族誌としても、また双方を架橋するカルチュラル・スタディーズとしても出版に値する。」
書籍としての刊行は、2027年春〜夏を予定しております。
このほか、少なからぬ力作論考のご応募をいただきましたが、限られた枠ゆえ惜しくもご期待に添うことができませんでした。ご応募いただきましたすべての皆さまに、心より感謝を申し上げます。
なお、次年度以降も引きつづき、本「刊行助成制度」を実施してまいります。2027年3月下旬以降に、当ウェブサイト上にて詳細を告知する予定ですので(締め切りは5月末)、積極的なご応募をお待ちしております。
2026年 10月9日 一般財団法人 法政大学出版局