齋藤 智志:著
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ショーペンハウアー新論
ショーペンハウアー新論
四六判/上製/370ページ/刊行
ISBN978-4-588-13049-6 C3010
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内容紹介
内容紹介
世界が「盲目的な生への意志」の相争う舞台であり、そこで演じられる私たちの人生が苦しみに満ちているのならば、そんな人生とどう向き合えばよいのだろうか? 初期から晩年までのショーペンハウアーのテクストをその成立に即して精確に読み解き、従来の解釈史が重ねてきた誤読を退けつつ、意志と表象の枠組み、ペシミズムや同情の倫理の本義を正す。哲学者の一貫性と全体像を提示する研究の集大成。
目次
目次
はじめに
序論 ショーペンハウアー研究の新時代
第1節 〈若きショーペンハウアーの発見〉によるショーペンハウアー像の転換
第2節 『ショーペンハウアー全集』編集上の問題
第3節 『根拠律』第一版の構成・内容と、その重要性
第1部 〈表象としての世界〉の構造と〈意志としての世界〉の導出
第1章 表象論の再構築
第4節 表象一元論の確立──直接表象と全体表象
第5節 以上の表象論は日本語文献では従来どのように扱われてきたのか
(1)二次文献
(2)『根拠律』の日本語訳
第6節 補論1 『根拠律』の英訳
第7節 補論2 ドイセン『形而上学の基本』
第8節 主著正編以降、表象論の基本構造に変更はないのか
(1)『講義録』での議論
(2)『根拠律』第二版における全体表象
第9節 表象一元論の徹底──イデー論の形成
(1)プラトン的イデー
(2)イデー論としての幾何学
(3)〈謎解き〉としてのイデー論読解
第10節 補論3 イデー論に至る、幾何学の道とは別の道の可能性
(1)カントを経由した可能性
(2)ゲーテを経由した可能性
第11節 以上の全体表象論理解に対する疑義の検討
第12節 天才と狂気──もう一つのイデー論
第2章 意志論と自然哲学
第13節 表象から意志へ──物自体としてのイデーと物自体としての意志
第14節 超越論的意志論──認識および行為の制約という意志の二つの契機
第15節 意志の弁証的契機のさらなる検討
第16節 意志と身体
(1)意志と表象の結節点としての身体──意志の客体性
⒜ 意志作用と身体活動の関係に基づいた、意志と身体の同一性の主張
α.ショーペンハウアーの根本洞察
β.三重の意志概念
⒝ 苦痛ないし興奮に関する議論に基づいた、意志と身体の同一性の主張
(2)生理学的身体
(3)超越論的身体──直接的客観
第17節 意志と物質
(1)ショーペンハウアーの物質論に対する従来の批判
(2)抽象概念としての物質
(3)意志の可視化としての物質
第18節 自然哲学における意志
(1)ショーペンハウアーの自然哲学に対する従来の批判
(2)アナロジーという方法
⒜ 音楽論におけるアナロジー
⒝ 身体と自然のアナロジー
第19節 自然哲学の位置と意義
(1)ショーペンハウアー哲学体系内での自然哲学の位置
(2)自然哲学の批判性
(3)四重の意志概念
第20節 意志と概念──「学問としての哲学」と「芸術としての哲学」
(1)「教育について」における直観と概念
(2)概念の本質
⒜ 概念の肯定的側面
⒝ 意志の弁証的契機の道具としての概念
⒞ 二つの哲学概念
(3)概念の適切な使用とはいかなるものか
⒜ 概念使用の不可避性
⒝ 概念の実体化の回避
(4)直観と概念ではどちらが先行するのか、という問題
第21節 ショーペンハウアーの意志論に対する諸批判の検討
(1)ディルタイによる批判
⒜ ショーペンハウアー意志論に対する評価点と批判点
⒝ 以上の批判点の妥当性の検討
(2)西田幾多郎による批判
⒜ 西田のショーペンハウアー評価
⒝ 西田の意志論
α.個的意志体験に定位して導出される意志の根源性
β.絶対自由の意志
γ.個々の意志と絶対自由の意志との関係
⒞ 西田のショーペンハウアー批判とその検討
第22節 ショーペンハウアーは観念論から実在論へ移行したのか
(1)主著正編における超越論的観念論と経験的実在論の関係
(2)表象と脳
第2部 同情倫理学の射程と意志否定論の帰趨
第3章 倫理、国家、歴史
第23節 同情倫理学の射程──ショーペンハウアーcontraニーチェ
(1)ショーペンハウアーはニーチェの同情批判をどこまでなら許容するか
(2)ショーペンハウアー倫理学の非規範性
(3)善悪の問題
(4)白痴の同情
(5)治療としての哲学
第24節 内なる命令としての同情
第25節 ショーペンハウアー解釈の三タイプ
第26節 ショーペンハウアーによる、ルソー同情論の受容
第27節 道徳教育の可能性
(1)徳の教育不可能性、性格不変論、自由と責任
(2)性格不変論の擁護
(3)徳と道徳の教育可能性とその限界
第28節 道徳がわれわれを動かせるのはなぜか、という問題
(1)共感に関するポール・ブルームとジョシュア・グリーンの議論
⒜ ブルームの反共感論
⒝ グリーンの道徳脳二モード論
(2)道徳がわれわれを動かせるのはなぜか、という問いへの応答
(3)ブルームからの反論への応答
⒜ 同情の対象限定性という問題
⒝ 道徳的価値の指標という問題──帰結主義か動機主義か
第29節 ショーペンハウアーはペシミストか
(1)ショーペンハウアーのテクストにおけるペシミズムとオプティミズム
(2)ショーペンハウアーは〈行為規範としてのペシミズム〉を説いているのか
(3)〈人生は生きるに値しない〉というテーゼをどう捉えるべきか
(4)ショーペンハウアーは(いかなる種類の)ペシミストなのか
第30節 国家論と法哲学
(1)エゴイズム
(2)正義と不正
(3)国家と法
(4)国家と道徳
(5)国家批判の帰趨
(6)ショーペンハウアーの国家論に対する二つの評価
第31節 学知と自由──「大学哲学について」読解
第32節 〈批判史学〉としての歴史論
(1)主著正編の歴史考察
(2)主著続編の歴史考察
(3)〈批判史学〉の影響と射程
(4)ヘーゲル批判の意義
第4章 意志の否定、無、意志の自由
第33節 ショーペンハウアー哲学の限界点としての無
(1)意志否定論に対する三つの批判の検討
⒜ 世界の本体たる意志を否定できるのか、という問題
⒝ 認識による意志の否定は可能なのか、という問題
⒞ 意志の否定は空虚な無への移行ではないのか、という問題
α.ショーペンハウアーにおける無の概念
β.無についての兵頭高夫の見解の検討
γ.無についてのクリストファー・ライアンの見解の検討
(2)肯定的認識の最後の境界石としての相対的無
(3)思考とその外部
第34節 現象界における意志の自由の発露
(1)意志の自由
(2)性格の廃棄
(3)意志否定論の意義──無と宗教と哲学
初出一覧
あとがき
文献一覧
索引
著訳者プロフィール
著訳者プロフィール
齋藤 智志(サイトウ サトシ)
1962年生。学習院大学大学院人文科学研究科博士後期課程単位取得退学。杏林大学外国語学部教授。哲学専攻。共編著:『ショーペンハウアー読本』(法政大学出版局)、共著:『モナドから現存在へ』(工作舎)、『ペシミズムの時代とニーチェ』(昭和堂)、共訳書:『ショーペンハウアー哲学の再構築──『充足根拠律の四方向に分岐した根について』(第一版)訳解』(法政大学出版局)、『ディルタイ全集9 シュライアーマッハーの生涯 上』(編集/校閲、法政大学出版局)。
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