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日本仏教の医療史

日本仏教の医療史

四六判/上製/306ページ/刊行

978-4-588-31212-0 C1021

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内容紹介

病に苦しみ、死苦に脅える人びとに対して、日本仏教はいかに関わってきたのか。自然科学をベースとする医学を仏教はどのように取り込み、苦痛の解消に役立ててきたのか。仏教の病因論と治方論、祈療と医療の交錯、僧医の系譜、薬種の栽培と製薬、天皇の治療・看取りから癩者(ハンセン病者)へのまなざしまで、厖大な文献を渉猟し、絵巻に見る病の図像を参照しつつその歴史を克明に跡づける。

目次

第1章 生を脅かす病
 一 病苦の両義性
 二 仏教に期待された治病利益
 三 不確実な医療を補う祈療

第2章 仏教の病因論と治方論
 一 定命・定業としての死
 二 病因についての一般認識
 三 『摩訶止観』にみる病因
 四 病因に対応した治方

第3章 交錯する祈療と医療
 一 叡山における祈療と医療
 二 死を伝染させる伝屍病
 三 わが国にもたらされた仏教医学
 四 慈悲布施行としての看病

第4章 看取りと往生
 一 死を迎える
 二 臨終看病の作法
 三 臨終正念を求めない看病
 四 仏道修行を支える医薬
 五 仏道修行の障りとなる医薬
 六 医薬を拒む僧 医薬に親しむ僧
 七 「念死念仏」を心がけた人の臨終

第5章 天皇を看取る
 一 灸治の制約と脈診の盛行
 二 死を迎える堀河天皇の心理と看取り
 三 後嵯峨法皇と中院雅忠の死

第6章 時衆・遊行聖における病
 一 癩者と時衆
 二 生命体としての念仏
 三 病への身の処し方
 四 時衆と金創医
 五 宗教行為としての臨終看病

第7章 絵巻にみる病の図像

第8章 病に向けられた仏教者の目
 一 祈療と医療を使い分けた明恵
 二 念仏の治病利益と法然
 三 医薬に親しむ親鸞・覚如・蓮如
 四 医療と護符を用いた日蓮

第9章 薬種の栽培と製薬に励む寺僧

第10章 僧と医師を兼ねる者たち
 一 僧医の推移
 二 僧医の系譜

第11章 沢庵と白隠の医学
 一 道三流医学を修めた沢庵
 二 調息法と道三流医学を修めた白隠

第12章 明治の医療政策と仏教

あとがき
索引

著訳者プロフィール

新村 拓(シンムラ タク)
1946年静岡県生。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士(早大)。京都府立医科大学教授、北里大学教授・副学長を経て、現在北里大学名誉教授。専攻、日本医療社会史。著書に、『古代医療官人制の研究』(1983年)、『日本医療社会史の研究』(85年)、『死と病と看護の社会史』(89年)、『老いと看取りの社会史』(91年)──以上の4書にてサントリー学芸賞を受賞(92年)。『ホスピスと老人介護の歴史』(92年)、『出産と生殖観の歴史』(96年)、『医療化社会の文化誌』(98年)、『在宅死の時代』(2001年)、『痴呆老人の歴史』(02年)、『健康の社会史』(06年)、『国民皆保険の時代』(11年、以上いずれも法政大学出版局)が、編著に『日本医療史』(06年、吉川弘文館)がある。

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