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中国専門記者の日中関係史

中国専門記者の日中関係史

太田宇之助を中心に

奥定 泰之:装丁

A5判/上製/346ページ/刊行

978-4-588-32608-0 C3021

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内容紹介

昭和戦前期の日本では、各新聞の中国専門記者は軍人、外交官の中国通と同等の分析力を持ち、自社の論説や世論を動かし、軍や政府の方針にも影響を与える存在だった。なかでも全面戦争を回避すべく、平等な日中関係の実現を訴えた太田宇之助は、同時代の中国メディアでも高い評価を受けた。その彼がなぜ戦争協力を決意したのか。彼の足跡を詳細に追い、両国の近現代史を考察する。

目次

序章 日本における中国認識と太田宇之助
 第一節 中国専門記者とはどのような存在か
 第二節 特異な中国論者としての太田
 第三節 先行研究の整理
 第四節 本書の課題と構成
 補 節 太田宇之助関係文書の散逸

第1章 ある中国専門記者の誕生
 第一節 中国への関与の端緒
 第二節 中国南北和議問題と五・四運動
 第三節 聯省自治論への傾斜
 第四節 中国専門記者の国民革命観

第2章 中国統一援助論と日中戦争前夜の中国認識の諸相
 第一節 第一次上海事変における報道戦
 第二節 柳条湖事件から盧溝橋事件までの中国認識
 第三節 一九三〇年代の中国論壇における太田の位相
 第四節 同時代中国における太田評価

第3章 日中戦争における陸軍・汪兆銘政権への協力の実相
 第一節 日中戦争期の中国認識の変遷
 第二節 日中戦争下の中国認識と「事変解決策」の諸相
 第三節 支那派遣軍総司令部嘱託への就任
 第四節 汪政権強化策の策定
 第五節 太田の朝日退社――戦時下言論統制への失望

第4章 対華新政策と江蘇省経済顧問期の活動
 第一節 対華新政策策定過程における重光葵との協働関係
 第二節 江蘇省経済顧問への就任
 第三節 田賦実物徴収・公糧収買政策をめぐる軍連絡部との軋轢
 第四節 対華新政策への固執――現地機構改革構想と繆斌工作の交叉

第5章 戦後期の太田宇之助
 第一節 太田にとっての終戦
 第二節 総選挙出馬と駐日代表団の援助
 第三節 『中華日報』・『内外タイムス』社時代の太田宇之助
 第四節 戦後期の中国評論活動――「戦前派中国通」の退場
 第五節 太田宇之助の遺志――東京都太田記念館の開館

補章 日中戦争期中国の日本通ジャーナリストの対日認識
   ――陳博生の軌跡
 はじめに
 第一節 中央通訊社入社までの履歴――日本留学と『晨報』筆政
 第二節 日中戦争前夜における東京での記者活動
 第三節 日中戦争期の活動――和平運動への関与と重慶における敵情分析
 第四節 戦後の陳博生と対日和約問題
 おわりに

終章 太田宇之助と日中現代史
 第一節 太田の中国認識の軌跡
 第二節 太田をどう評価するか
 第三節 今後の課題

太田宇之助年譜
参考文献
あとがき
索引

著訳者プロフィール

島田 大輔(シマダ ダイスケ)
1982年静岡県生。公益財団法人東洋文庫奨励研究員。
立命館大学文学部卒業。中央大学大学院総合政策研究科博士前期課程修了。早稲田大学大学院社会科学研究科博士後期課程満期退学。博士(社会科学)。
早稲田大学社会科学総合学術院助手,立命館大学立命館アジア・日本研究機構研究員,同専門研究員,早稲田大学社会科学総合学術院講師,日本学術振興会特別研究員(PD)を経て現職。
専門は,日本近現代史,日中関係史,メディア史。
主な業績:「日中戦争期における吉岡文六(東京日日新聞)の中国認識――蔣介石観を中心に」『東洋学報』第106巻第2号,2024年,「日中戦争期中国の日本通ジャーナリストの対日認識――陳博生(中央通訊社東京特派員・総編輯)の軌跡」『メディア史研究』第48号,2020年,「1930年代における太田宇之助の中国統一援助論」『東アジア近代史』第24号,2020年など。

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