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植民地の〈フランス人〉

植民地の〈フランス人〉

第三共和政期の国籍・市民権・参政権

A5判/上製/276ページ/刊行

978-4-588-37710-5 C3020

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内容紹介

十九世紀末以降、世界第二の植民地帝国を形成したフランス。民主主義と人権の共和国はいかに自他を差別化し、不平等な他民族支配を正当化しえたのか。文明化の使命による「同化」という定説に切り込み、各植民地をめぐる膨大な行政関連文献史料を検討することで、人種や慣習を異にする多様な現地住民の帝国への「包摂と排除」のメカニズムを法制度的観点から明らかにした画期的研究。

目次

はじめに
 一 国民国家と帝国支配
 二 フランス植民地史における法制史

第一章 市民と臣民──植民地における二種類のフランス人
 一 共和国の国民の定義
 二 植民地における国籍・市民権・参政権
 三 臣民としての「原住民」──原住民法
 四 臣民から市民への移行

第二章 フランス植民地主義における「同化」
 一 問題の所在
 二 共和主義者の植民地統治理念としての同化
 三 現地先住民の同化
 四 現地先住民の教育
 五 同化から協同へ?
 六 イギリス流間接統治vsフランス流同化主義?
 七 「フランス=同化」というイメージ

第三章 インド所領──共和国の普遍主義のなかの文化的固有性
 一 フランス領インド五所領における属人的地位と参政権
 二 属人的地位の放棄
 三 複数の選挙人団
 四 インド域外におけるインド人
 五 包摂と排除の併行

第四章 セネガル四都市──ディアニュ法の役割
 一 住民の法的地位と参政権
 二 セネガル「住民」の参政権と市民権に対する攻撃
 三 ディアニュ法──兵役と市民
 四 ディアニュ法に対する批判
 五 植民地における共和主義のシンボル

第五章 アルジェリア──宗教と市民権
 一 本土の延長としてのアルジェリア
 二 一八六五年元老院決議まで
 三 クレミュー・デクレ
 四 ふたつの法規の帰結──宗教を理由とする法的地位の違い
 五 原住民の帰化
 六 外国人の帰化
 七 法的地位の異なる男女間の結婚
 八 ムスリムのキリスト教への改宗
 九 市民、フランス人、ヨーロッパ人、アルジェリア人
   ──非ムスリムというカテゴリー

第六章 血統と文化によるフランス人種──混血の分類
 一 「混血問題」の浮上
 二 混血をめぐる帝国地図
 三 混血の法的地位に関する原則
 四 混血であることの認定方法──見かけと立ち居ふるまい
 五 一九二八年十一月四日のデクレ
 六 人種としてのヨーロッパ

第七章 「アジア人」から「ヨーロッパ人」へ
  ──フランス領インドシナにおける日本人の法・行政的処遇
 一 植民地、国際法、外国人
 二 インドシナでの日本人の地位の変更要求
 三 インドシナ総督府の認識
 四 日仏協約──転換点
 五 植民地支配と「ヨーロッパ」
 六 帝国主義体制の動揺と補強

おわりに
あとがき
関連地図/註/史料と文献/索引

著訳者プロフィール

松沼 美穂(マツヌマ ミホ)
2003年、東京大学大学院総合文化研究科博士課程満期退学。博士(学術)。福岡女子大学文学部准教授を経て、現在群馬大学教育学部准教授。著書に『帝国とプロパガンダ──ヴィシー政権期フランスと植民地』(山川出版社、2007年)、共著に『帝国の長い影』(ミネルヴァ書房、2010年)、論文に「1917年春のフランス軍の「反乱」──共和国の市民‐兵士の声をどのように聞き取るか」(『歴史学研究』883号、2011年)、ほか多数。

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「歴史学研究」(2016年5月号/平野千果子氏・評)に紹介されました。

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