ボアヴェントゥーラ・デ・ソウザ・サントス:著, 北野 収:訳, 松下 冽:解題
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サピエンティア84
南の認識論
南の認識論
不在の社会学と正義
奥定 泰之:装丁
四六判/上製/502ページ/刊行
978-4-588-60384-6 C3330
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内容紹介
内容紹介
グローバルな認知的正義がなければグローバルな社会正義は存在しない。私たちの認知の深淵を分かつ境界線により、グローバルサウスは見えないもの、あるいは存在しないものとして排除されてきた。異文化間の対話と翻訳にもとづく知識のエコロジーによってヨーロッパ中心主義的な認識論に抗い、現実の不正義に介入するための闘争の書。来たるべき多元社会を構想する知の巨人ソウザ・サントスの主著、完訳成る。
目次
目次
序 文
善き生き方/ブエン・ビビールのマニフェスト
知識人/活動家のためのマニフェスト
序 章 西洋中心主義的な政治的想像力と批判理論を分離する
「強い問い」と「弱い答え」
終わりなき資本主義の終焉
終わりなき植民地主義の終焉
緊急事態と文明の変化のパラドックス
非常に古いもの、あるいは非常に新しい何か──ヤスニ・プロジェクトの例
重要な名詞の喪失
理論と実践の亡霊のような関係
敵は誰なのか
成功や失敗をどのように測定するか
取るに足らない過激主義
世界社会フォーラム(WSF)後を理論化する
結 論
第Ⅰ部 外延的近代性と従属的西洋──両者の分離の度合い
第1章 ヌエストラ・アメリカ──ポストコロニアルのアイデンティティとメスティーソ性
ヨーロッパのアメリカの世紀と社会体制としてのファシズムの台頭
「ヌエストラ・アメリカ」の世紀
「ヌエストラ・アメリカ」の基礎理念
バロックのエートス──叛逆的コスモポリタン政治と文化のための序説
「ヌエストラ・アメリカ」の限界
二一世紀における対抗ヘゲモニーの可能性
結論──アリエル、あなたはどちらの側につくのか
第2章 もう一人の新しい天使──近代のルーツとオプションのゲームを超えて
はじめに
檻の中の過去
「新しい天使」の寓話
ルーツとオプションの方程式
方程式の終焉
スケールの乱れ
ルーツとオプションの炸裂
ルーツとオプションの互換性
過去のための未来
不安定化する主体性
第3章 オクシデンタリスト的でない西洋は存在するか
哲学を売りに出す
無知の知
賭 け
結 論
第Ⅱ部 南の認識論に向けて──経験の浪費に抗する
第4章 深淵性思考を超えて──グローバルな論理から知識のエコロジーへ
規制/解放と収奪/暴力の間の深淵性の境界線
結論──ポスト深淵性思考に向けて
第5章 盲目の認識論と向き合う──なぜ「儀礼的妥当性」の新しい形態は規制も解放もしないのか
はじめに
規制としての知識と解放としての知識
限界の表象
関連性の決定
関連性の度合いの決定
識別の決定
持続の不可能性
解釈と評価の確定
盲目の認識論から見ることの認識論へ
見ることの認識論に向けて
不在の知識の認識論
不在エージェントの認識論
表象の限界の再検討
結 論
第6章 怠惰な理性を批判する──経験の浪費に抗い不在の社会学と創発の社会学を求めて
はじめに
換喩的な理性を批判する
非存在の五つの生産様式
経験の浪費に対抗する五つのエコロジー
予期的な理性を批判する
結 論
第7章 知識のエコロジー
知識のエコロジーと世界的経験の無限の多様性
知識のエコロジーの一部としての近代科学
科学的実践の内的多元性
外的多元性──知識のエコロジー
知識の内的多元性と外的多元性の区別を相対化する──アフリカ哲学を例として
知識のエコロジー・ヒエラルキー・語用論
慎重な知識のためのオリエンテーション
第8章 異文化間の翻訳──情熱の共有と差異化
生きた翻訳としての異文化間翻訳について
異文化間翻訳を通じた「南」からの学び
翻訳の条件と手順
何を翻訳するのか
何から何へと翻訳するのか
いつ翻訳するのか
誰が翻訳するのか
どのように翻訳するのか
なぜ翻訳するのか
終 章
解題 サントスの認識論の歩みと現代的意義──グローバル・サウス論とオルタナティブなパラダイム(松下 冽)
訳者あとがき(北野 収)
参考文献
索 引
著訳者プロフィール
著訳者プロフィール
ボアヴェントゥーラ・デ・ソウザ・サントス(Boaventura de Sousa Santos)
1940年ポルトガルのコインブラ生まれ。コインブラ大学で法学、ベルリン自由大学で法科学を学んだ後、イェール大学で社会学Ph.D.を修める。コインブラ大学経済学部、社会研究センターの創設に関わり、同校の社会学教授となる。現在は名誉教授。ウィスコンシン大学マディソン校ロースクール特別スカラー。若い頃はブラジルのスラム街でのフィールドワークに身を投じ、その後、マルクス理論の再解釈、参加型民主主義、社会的疎外に対する闘争を論じてきた左派知識人。本書を含むEpistemology of the Southシリーズ6冊(Routledge)のほか、編著や他言語を含め30冊以上の著作がある。著作は10以上の言語で出版されている。日本語の共著として『21世紀の豊かさ』(コモンズ)がある。メキシコ科学技術賞、法・社会学会ハリー・カルヴァンJr.賞など数多くの受賞歴を有する。
北野 収(キタノ シュウ)
1962年東京都生まれ。獨協大学外国語学部教授。大地の大学(Unitierra Japón)日本校副代表。専門は国際開発論・平和学・食料農業問題。元農林水産官僚。コーネル大学で国際農業開発修士と都市計画学Ph.D.を修める。著書に『私の中の少年を探して─ある「農学者」が回想する昭和平成』(デザインエッグ)、『南部メキシコの内発的発展とNGO』(勁草書房)、『国際協力の誕生』(創成社)、『人新世の開発原論・農学原論』(共編著、創成社)等、訳書にアルトゥーロ・エスコバル『開発との遭遇』(新評論)、フランツ・ヴァンデルホフ『貧しい人々のマニフェスト』(創成社)、ステイシー・バーンほか『労働者協同組合とフェアトレード』(彩流社)、等がある。
松下 冽(マツシタ キヨシ)
1947年東京都生まれ。立命館大学名誉教授。専門はラテンアメリカを中心とする国際政治学。博士(国際関係学)。単著に『現代ラテンアメリカの政治と社会』(日本経済評論社)、『途上国の試練と挑戦』(ミネルヴァ書房)、『現代メキシコの国家と政治』(御茶の水書房)、『グローバル・サウスにおける重層的ガヴァナンス構築』(ミネルヴァ書房)、『ラテンアメリカ研究入門』(法律文化社)、『ポスト資本主義序説』(あけび書房)などがある。ほか単著、編著、翻訳書多数。
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