叢書・ウニベルシタス 350
宗教と魔術の衰退

第29回日本翻訳出版文化賞受賞
四六判 / 1412ページ / 上製 / 定価:16,000円 + 税 
ISBN978-4-588-00350-9(4-588-00350-X) C1322 [1993年06月 刊行]

内容紹介

16~17世紀イングランドを中心に、当時の民衆生活に根ざした魔術や占星術、予言の役割を明らかにし、キリスト教による魔術の取り込み/対立の歴史を、囲い込み運動や宗教改革、産業の発展など、社会状況の変貌との関わりにおいて跡づける。ウルフソン文芸賞受賞。

著訳者プロフィール

キース・トマス(トマス,K.)

(Sir Keith Vivian Thomas)
ナイト爵、文学修士、英国学士院特別会員。1933年、ウェールズに生まれる。オックスフォード大学ベイリャル・カレッジ卒業。同大学の特別研究員、チューター(個別指導教官)、近代史リーダー(上級講師)および教授を歴任し、1986年よりオックスフォード大学コーパス・クリスティー・カレッジ学寮長、1988年より同大学副総長に就任。その間、ケント大学およびウェールズ大学から名誉文学博士号を、ウィリアムズ大学から名誉法学博士号を受けている。また、本書により1971年、ウルフソン文芸賞(歴史部門)を受賞した。本書のほか『人間と自然界』(1983、邦訳・法政大学出版局)の著書があり、「過去の大家」シリーズ、「オックスフォード社会史研究」シリーズの編集主幹を務める。

荒木 正純(アラキ マサズミ)

1946年生まれ。東京教育大学大学院文学研究科博士課程中退。博士(文学)。筑波大学教授を経て、現在、白百合女子大学教授、筑波大学名誉教授。専攻:英米文学批評理論。著書:『ホモ・テキステュアリス』、訳書:ウィルソン『ナチュラリスト(上・下)』、ケラート、ウィルソン編『バイオフィーリアをめぐって』(以上、法政大学出版局)、グリーンブラット『驚異と占有』(みすず書房)ほか。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

(上巻)

 序文
 謝辞

プロローグ
第一章 環境

宗教
第二章 中世教会の魔術
第三章 宗教改革の衝撃
第四章 摂理
一 神に由来する災難
二 忠告話
三 神物冒瀆
四 教義とその用途
第五章 祈りと予言
一 祈り
二 治療行為
三 予言
四 結論
第六章 宗教と民衆
一 国教会と社会
二 忠告を求める心
三 無知と関心
四 懐疑の姿勢

魔術
第七章 魔術治療
一 チャーマーとカニング・マン
二 触れる治療法
三 魔術的治療の効き目
第八章 カニング・マンと民間の魔術
一 遺失物
二 コンジュレーション使用と魔術の伝統
三 民間の魔術と占い
四 魔術を用いる職業
第九章 魔術と宗教
一 魔術に対する教会の対決姿勢
二 類似点と相違点

占星術
第十章 占星術──その実際と広がり
一 序
二 暦書と予知
三 占星術を生業とする者
四 諮問室にて
第十一章 占星術──その社会的・知的役割
一 野心
二 成功例と失敗例
三 衰退
第十二章 占星術と宗教
一 葛藤
二 同化

 原注
 省略符号一覧
 参考文献について


(下巻)

過去への訴えかけ
第十三章 古来からの予言法
一 ジャンル
二 効果
三 眠れる英雄たち
四 予言のルーツ

ウィッチクラフト
第十四章 イングランドにおけるウィッチクラフト──犯罪と歴史
一 ウィッチクラフトの意味
二 ウィッチ信仰の年代記
補遺A 「ウィッチクラフト」という用語の意味について
補遺B 一五六三年以前のイングランドにおけるウィッチクラフトの法的位置について
第十五章 ウィッチクラフトと宗教
一 魔王
二 取り憑かれること・退散させること
三 ウィッチクラフトと宗教
第十六章 ウィッチを仕立てる
一 呪い
二 悪魔崇拝への誘惑
三 ウィッチクラフトへの誘惑
四 社会と非国教徒
第十七章 ウィッチクラフトとその社会環境
一 ウィッチ信仰の有用性
二 ウィッチとその告発者
三 ウィッチクラフトと社会
第十八章 ウィッチクラフト──衰退

同類の諸信仰
第十九章 亡霊および妖精
一 亡霊に関する神学
二 亡霊の目的
三 社会と死者
四 妖精
第二十章 時と前兆
一 時の遵守
二 前兆と禁止

結論
第二十一章 相互連関
一 魔術的諸信仰のまとまり
二 魔術と宗教
第二十二章 魔術の衰退
一 知的変化
二 新しい技術
三 新しい野心
四 生き残ること

受容史断章 解説にかえて(荒木正純)

 訳者あとがき
 原注
 聖職者および教会関係用語解説
 キリスト教聖人解説
 索引

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N.フォーサイス:著
『ゾーハル』
エルンスト・ミュラー:編訳