叢書・ウニベルシタス 1059
ハイデガー『存在と時間』を読む

四六判 / 298ページ / 上製 / 定価:4,000円 + 税 
ISBN978-4-588-01059-0 C1310 [2017年06月 刊行]

内容紹介

『哲学者たちの死に方』のサイモン・クリッチリー。そして、ハンナ・アーレントに見出され、ハイデガー研究に重大な影響を残しつつ早逝したライナー・シュールマン。アメリカのニュースクール・フォー・リサーチで教鞭をとった二人による珠玉の講義がここに再現される。20世紀を代表する哲学書でありながら、難解をもって知られる書物の最重要論点をコンパクトに提示し、来たるべき読解の基礎を築く待望の一冊!

著訳者プロフィール

サイモン・クリッチリー(クリッチリー サイモン)

(Simon Critchley)
1960年生まれ。エセックス大学(Ph. D.)。ニュースクール・フォー・ソーシャルリサーチ哲学科教授。専門は哲学。
邦訳されている著書に、『ヨーロッパ大陸の哲学』(原著2001年/佐藤透訳、岩波書店、2004年)、『哲学者たちの死に方』(原著2008年/杉本隆久・國領佳樹訳、河出書房新社、2009年)がある。

ライナー・シュールマン(シュールマン ライナー)

(Reiner Schürmann)
1941-1993年。ソルボンヌ大学博士。ニュースクール・フォー・ソーシャルリサーチ哲学科教授を務めた。専門は哲学。
著書に、Le Principe d’anarchie: Heidegger et la question de l’agir (Editions du Seuil, 1982), Des hégémonies brisées (Trans-Europ-Repress, 1996) など。

スティーヴン・レヴィン(レヴィン スティーヴン)

(Steven Levine)
ニュースクール・フォー・ソーシャルリサーチ(Ph. D.)。ボストン・マサチューセッツ大学教養学部准教授。専門は哲学。
著作に、“Norms and Habits: Brandom on the Sociality of Action” (European Journal of Philosophy, Vol. 23 (2), 2012)など。

串田 純一(クシタ ジュンイチ)

1978 年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。博士(学術)。早稲田大学、東京工業大学、東洋大学非常勤講師。専門は哲学。
著作に、「ハイデガーの動物・有機体論の超越論的再解釈」(『現象学年報』第22号、2006年)、「為されざる要なきを為すこととしての能力――『形而上学』Θ巻のハイデガーによる読解から」(日本哲学会編『哲學』第65号、2014年)、「偶然のしるしに知るは必然か――九鬼周造と在五中将」(『現代思想』、「総特集九鬼周造」2017年1月臨時増刊号)など。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

 まえがき   スティーヴン・レヴィン
 略記一覧
 訳語対照表

第1部 初心者のためのハイデガー   サイモン・クリッチリー
 はじめに
 1 ハイデガーの二重の身振り
 2 志向性
 3 カテゴリー的直観
 4 現象学的アプリオリ
 5 更新としての現象学
 6 トートロジーとしての現象学
 7 頽落の可能性
 8 自然的態度の変容――人格主義的心理学から現存在分析論へ
 9 現象学すること――科学主義でも蒙昧主義でもなく
 結 論

第2部 ハイデガーの『存在と時間』   ライナー・シュールマン
 第一節 導 入――『存在と時間』を位置づける
 第二節 反復にとって範例的な存在者としての現存在
 第三節 存在の理解の一般的な構造
 第四節 存在理解の存在者的な様態化

第3部 根源的な非本来性   サイモン・クリッチリー
 ─ハイデガーの『存在と時間』について─
 1 『存在と時間』の根本経験を理解するための手がかり
 2 謎めいたアプリオリ
 3 謎めいたアプリオリは『存在と時間』の根本経験をいかに変えるか
 4 本来性における英雄的なものに抗して――回避、事実性、これなること
 5 死――有限性の関係的な性格
 6 良 心――自己を解きほぐす
 7 時間性――過去の優位
 結 論

訳者あとがき

書評掲載

「読書人」(2017年8月25日号/陶久明日香氏・評)にて紹介されました。

関連書籍

『ハイデガー読本』
秋富 克哉:編
『実在論を立て直す』
ヒューバート・ドレイファス:著
『『存在と時間』講義』
ジャン・グレーシュ:著