叢書・ウニベルシタス 1061
反教養の理論
大学改革の錯誤

四六判 / 214ページ / 上製 / 定価:2,800円 + 税 
ISBN978-4-588-01061-3 C1310 [2017年07月 刊行]

内容紹介

現代オーストリアを代表する哲学者が、グローバル化した「知識社会」で経済効率やランキング競争一辺倒になったヨーロッパの大学改革を徹底批判し、すでに27刷を重ねた異例のベストセラー。「反教養」に支配され、実学重視の名のもとに繰り返されてきた場当たり的で空疎な教育改革ではなく、人間性の批判的啓蒙と伝統に根ざした大学の再生を問う。教員・学生・市民必読の書。

著訳者プロフィール

コンラート・パウル・リースマン(リースマン・パウル・コンラート)

(Konrad Paul Liessmann)
1953年生まれのオーストリアの哲学者。ウィーン大学哲学科教授。19世紀から現代にかけての哲学・美学・芸術論・メディア論を専門分野として旺盛な研究・執筆活動を展開。ドイツ美学会やドイツ教育・知識学会の要職を歴任し、学際的国際学術会議フィロゾーフィクム・レヒおよび国際ギュンター・アンダース協会の創設者・会長も務める。オーストリア国営放送(ORF)の哲学講座「思考と生」で声価を高め、ウィーンの左右二大高級紙『スタンダート』『プレッセ』をはじめ、ドイツ・スイスの主要紙や主要局等、言論界で幅広く社会批評を続けている。オーストリア「2006年の科学者」賞、オーストリア文化報道国家賞(1996)、オーストリア出版名誉賞(2003)、ウィーン精神科学賞(2014)等多数の受賞歴があり、現代オーストリアで最も著名で、かつ最も支持を集めている思想家である。著作には、「大学改革」の錯誤を厳しく批判してドイツ語圏全体でベストセラーとなった本書のほか、特に近代以降の美学理論を現代における芸術の意味という視点から読み解いた『近代芸術の哲学』(1999)、オートメ化時代における人と物との関係を分析した『物の宇宙』(2010)、グローバル化社会の欲望・暴力性と他者排除の論理を鋭く批判した『境界の賛美』(2012)、さらに本書の続編『亡霊の時間』(2014)、『挑発としての教養』(2017近刊)などがある。

斎藤 成夫(サイトウ シゲオ)

1965年生まれ。東北大学大学院文学研究科博士課程満期退学。博士(文学)。ドイツ文学専攻。盛岡大学文学部教授。著書に『エディプスとドイツ近代小説』『世紀転換期ドイツの文化と思想 ニーチェ、フロイト、マーラー、トーマス・マンの時代』『楽都の薫り ウィーンの音楽会から』、共著に『価値崩壊と文学 ヘルマン・ブロッホ論集』、訳書にJ.ヘルマント『ドイツ近代文学理論史』(以上、同学社)ほか。

齋藤 直樹(サイトウ ナオキ)

1970年生まれ。東北大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。哲学専攻。盛岡大学文学部教授。共著書に『21世紀の哲学史』(昭和堂)、共訳書にディルタイ『シュライアーマッハーの生涯』、ブプナー『美的経験』、バーンスタイン『根源悪の系譜』(以上、法政大学出版局)ほか。論文に「ツァラトゥストラの言語」(『理想』第684号)、「「正義」の源泉としての力」(『哲學』第53号)ほか。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

日本語版への序

序 言

第一章 億万長者になるのは誰か、
    あるいは知っておかなければならないことのすべて

第二章 知識社会は何を知っているか?

第三章 教養・半教養・反教養

第四章 PISA──ランキングという妄想

第五章 知識にはどれくらいの重みがあるか?

第六章 ボローニャ──ヨーロッパ高等教育圏の空虚さ

第七章 エリート教育と反啓蒙

第八章 差引勘定の結果としての知識の価値

第九章 教育改革との決別

原 注
訳 注
訳者あとがき

書評掲載

「讀賣新聞」(2017年8月20日付/納富信留氏・評)にて紹介されました。

「出版ニュース」(2017年9月中旬号)にて紹介されました。

関連書籍

『無知な教師』
ジャック・ランシエール:著