米国の沖縄統治と「外国人」管理
強制送還の系譜

A5判 / 424ページ / 上製 / 価格 7,590円 (消費税 690円) 
ISBN978-4-588-32709-4 C3021 [2022年02月 刊行]

内容紹介

1945~72年まで沖縄は米国の統治下にあった。時に武力を伴うその強引な支配は、「銃剣とブルドーザー」という言葉でも有名である。しかし、米国が人々を戸籍で琉球住民と非琉球人に区分したことは知られていない。非琉球人は現在の外国人と同様に扱われ、入管制度に違反すれば日本本土に強制送還された。非琉球人管理制度がつくられた歴史的背景を考究する。

著訳者プロフィール

土井 智義(ドイ トモヨシ)

琉球大学島嶼地域科学研究所PD研究員、大阪大学招へい研究員、沖縄大学等非常勤講師。
琉球大学法文学部卒業。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位修得退学。博士(文学)。沖縄県公文書館非常勤職員、日本学術振興会特別研究員(PD)を経て、現職。
専門は、歴史社会学(沖縄近現代史)、移民研究。
主な論文に、「1950年前後の沖縄社会における「無籍者問題」と「在沖奄美人」――「南北琉球」のなかの奄美群島と強制送還について」(『PRIME』42号、明治学院大学国際平和研究所、2019年)、「〈別の戦後日本〉としての琉球列島――非琉球人管理制度の成立過程を通して考える」(『歴史学研究』1015号、2021年10月増刊)がある。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに
序章
第1節 植民地国家「琉球列島」と非琉球人
第2節 非琉球人管理制度をみる視座
第3節 強制送還の分析視角
第4節 本書の構成と資料

第1章 無籍者問題における強制送還と登録構想
――奄美出身者を中心に
第1節 沖縄島の奄美出身者
第2節 つくられる無籍者
第3節 南北琉球出身者の取締り:下からの排外政策
第4節 強制送還の意義:社会管理と人種主義
第5節 問題の収束
小括

第2章 日本人労働者の移入問題
――米国の広域支配と経済圏
第1節 「外国人労働者」としての日本人労働者
第2節 日本人労働者を巡る軋轢
第3節 移入の構造
第4節 送還と一体化した移入政策
小括

第3章 非琉球人管理制度の誕生
――第一次入管令の統治構造上の意義
第1節 集成刑法の強制送還
第2節 入管令以前の「外国人」管理:超過滞在への介入の開始
第3節 非琉球人管理制度の成立:第一次入管令をめぐって
第4節 新たな違法性による強制送還
小括

第4章 在沖奄美出身者の完全送還計画
――人種主義のアリバイとして
第1節 日米両政府の基本姿勢
第2節 返還交渉と地位問題
第3節 奄美返還後の奄美人に関する処遇計画
第4節 非琉球人管理への結合:オグデン計画の行方
小括

第5章 非琉球人管理制度の再編とその効果
――第二次入管令の制定以降
第1節 奄美返還後の在沖奄美出身者:第二次入管令まで
第2節 第二次入管令の制定と「本土籍者」の創出
第3節 強制送還の変容とその実態:深まる社会管理
第4節 生まれと領土の一致:第二次入管令の効果
小括

終章
第1節 米国統治のなかの非琉球人管理:強制送還の系譜から
第2節 〈別の戦後日本〉としての琉球列島
第3節 沖縄返還と琉球人

あとがき
巻末資料/参考文献/索引

書評掲載

「琉球新報」(2022年05月01日付/鳥山淳氏・評)に紹介されました。

「朝日新聞」(2022年05月14日付/秋山道宏氏・評)に紹介されました。

「沖縄タイムス」(2022年05月21日付/秋山道宏氏・評)に紹介されました。

「南海日日新聞」(2022年06月08日付/森紘道氏・評)に紹介されました。

「図書新聞」(2022年07月23日号/岩垣真人氏・評)に紹介されました。

「図書新聞」(2022年07月30日号/図書新聞2022年上半期読書アンケート/新城郁夫氏・評)に紹介されました。

「図書新聞」(2022年07月30日号/図書新聞2022年上半期読書アンケート/石原俊氏・評)に紹介されました。

関連書籍

『始まりの知』
冨山 一郎:著
『あま世へ』
森 宣雄:編
『パスポートの発明』
ジョン・トーピー:著