サピエンティア 75
共同の未来
〈民衆連合〉のためのプログラム
ISBN978-4-588-60375-4 C0331 [2024年07月 刊行]
ジャン=リュック・メランション(メランション ジャン リュック)
ジャン゠リュック・メランション(Jean-Luc Mélenchon)
1951年モロッコのタンジェに生まれる。高校で68年5月革命の運動に参加。フランシュ゠コンテ大学(ブザンソン)で哲学と現代文学を学びつつ国際共産主義組織(OCI)に所属し、フランス全国学生連合(UNEF)の大学代表などの活動を続けた。哲学・現代文学の学士号取得。さまざまな職場で働いた後、中等教育教員資格(CAPES)を取得し、1976年に工業高校のフランス語の教員になる。1977年社会党に入党。1983年にはエソンヌ県マシー市の市会議員に当選。1986年にはエソンヌ県から当時最年少の35歳で上院議員に当選し、2000年まで務めた(2004~2009年に再任)。ジョスパン内閣では2000年から2002年まで職業教育大臣に就任。2008年に「左翼党」を結成し共同代表に就任。2009年の欧州議会議員選挙で「左派戦線」を結成し、自身も南西仏選挙区から欧州議会に当選した。2010年の年金制度改革への抵抗運動の際にメディアで取り上げられ広く知られるようになった。2012年に大統領選に出馬し4位となる。2016年にエコロジストやLGBT運動などを加えて「服従しないフランス」を結成。2017年の大統領選も4位。その第2回投票の際に「極右に一票も入れてはならない」と宣言。2017~2022年、ブッシュ゠デュ゠ローヌ県マルセイユの国民議会議員、および院内会派「服従しないフランス」の会長を務める。2022年の大統領選の第1回投票では僅差で3位。本書はその大統領選での政権公約(マニフェスト)である。大統領選後の総選挙に向けて党派連合「新民衆連合 環境・社会」を結成。2024年の国民議会選挙では、党派連合「新人民戦線」を結成して議会内最大勢力となり、極右の政権掌握を阻止する市民のダイナミズムに大きく貢献した。2024年現在、「服従しないフランス」のシンクタンク「ラ・ボエシー協会」の共同会長を務め、本書を含め23の著書がある。
松葉 祥一(マツバ ショウイチ)
松葉 祥一(マツバ ショウイチ)
監訳者。
1955年生まれ。同志社大学文学研究科哲学・倫理学専攻博士課程満期退学。パリ第8大学博士課程満期退学。前神戸市看護大学教授。現在同志社大学非常勤講師。
主な業績:著書、編著書に、『哲学的なものと政治的なもの』(青土社、2010年)、『メルロ゠ポンティ読本』(編著、法政大学出版局、2018年)ほか。訳書に、メルロ゠ポンティ『自然』(共訳、みすず書房、2020年)、同『コレージュ・ド・フランス講義草稿』(共訳、みすず書房、2019年)、ジャック・ランシエール『民主主義への憎悪』(インスクリプト、2008年)、ほか。
飛幡 祐規(タカハタ ユウキ)
飛幡 祐規(タカハタ ユウキ)
1956年生まれ。1974年渡仏、パリ第5大学で文化人類学、パリ第3大学でタイ語・東南アジア文明を専攻。文筆家、翻訳家。
主な業績:著書に、『それでも住みたいフランス』(新潮文庫、2014年)、『時間という贈りもの──フランスの子育て』(新潮社、2014年)ほか。訳書に、ファトゥ・ディオム『大西洋の海草のように』(河出書房新社、2005年)、『エレーヌ・ベールの日記』(岩波書店、2009年)、ヤニック・エネル『ユダヤ人大虐殺の証人ヤン・カルスキ』(河出書房新社、2011年)、フランソワ・リュファン『裏切りの大統領マクロンへ』(新潮社、2020年)、ほか。
ジャック=マリ・ピノー(ピノー ジャック マリ)
ジャック゠マリ・ピノー(Jacques-Marie Pineau)
1961年生まれ。1986年以来日本在住。1987、1994年度チェス全日本チャンピオン。1988年、1992年チェスオリンピック日本代表。1995~2002年将棋連盟国際将棋部チェス講師。日仏学院チェス&将棋クラブ会長、毎日新聞カルチャーセンターチェス講師、将棋を世界に広める会理事、暁星小学校フランス語講師などを務めた。
主な業績:著書に、『ジャック・ピノーのダイナミックチェス入門』(山海堂、1995年)、『チェスの花火―ピノーさんのチェス教室』(紀伊國屋書店、2005年)、『クレイジー・チェス』(河出書房新社、1999年)、ほか。
堀 晋也(ホリ シンヤ)
堀 晋也(ホリ シンヤ)
1978年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科共生人間学専攻博士後期課程修了。北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院助教。
主な業績:ナタリー・オジェ「多言語環境における学習に対するCEFRの影響」堀晋也訳、西山教行・大木充編『CEFRの理念と現実 現実編 教育現場へのインパクト』(くろしお出版、2021年)、フランシス・カルトン「異文化間教育とは何か」堀晋也訳、西山教行・細川英雄・大木充編『異文化間教育とは何か―グローバル人材育成のために』(くろしお出版、2015年)、ほか。
ジャン゠リュック・メランション
共同の未来──世界観としての人と人の調和、人と自然の調和
序文:ジャン゠リュック・メランション
自由に市民として生きます
第1章:民主主義と政治制度
第2章:警察と司法
自然のシステムに合わせます
第3章:エコロジカル行動計画と国の整備
第4章:エコロジカルな方向転換という大きな挑戦
第5章:共有資源の保護
よく生きるために力を合わせます
第6章:永続的なパンデミック状態での生活
第7章:完全雇用
第8章:豊かさの分配
人と社会を人間的なものにします
第9章:平等
第10章:解放
第11章:教育と研修・職業訓練
世界秩序を立て直します
第12章:ヨーロッパ
第13章:平和のためのオルター・グローバリズム外交
第14章:人類の新しいフロンティア
訳者あとがき
書評掲載
「社会新報」(2024年08月29日号/小泉洋樹氏・評)に紹介されました
「週刊読書人」(2024年09月20日号/深澤民司氏・評)に紹介されました