フラグメンテ

四六判 / 680ページ / 上製 / 定価:5,000円 + 税 
ISBN978-4-588-13019-9 C1010 [2015年03月 刊行]

内容紹介

レヴィナスをはじめとする数多くの翻訳や著作で知られ、90年代以降日本の現代思想研究の最前線に立ちつづける著者の初の論集。ユダヤ思想を光源として哲学史の縺れた迷宮を読み解き、テクストの無数の断片/裂け目からなる「多島海システム」としての現実を生きる倫理(エチカ)を探究する。日本思想や現代美術への鋭利な批評も加えた30篇の論考やエッセーを収録。

著訳者プロフィール

合田 正人(ゴウダ マサト)

1957年香川県生まれ。一橋大学社会学部卒業、東京都立大学大学院博士課程中退、同大学人文学部助教授を経て、明治大学文学部教授。主な著書:『レヴィナス』『レヴィナスを読む』(ちくま学芸文庫)、『ジャンケレヴィッチ』(みすず書房)、『吉本隆明と柄谷行人』『田辺元とハイデガー』(PHP新書)、『心と身体に響く、アランの幸福論』(宝島社)、『幸福の文法』『思想史の名脇役たち』(河出書房新社)ほか。主な訳書:レヴィナス『全体性と無限』(国文社)、同『存在の彼方へ』(講談社学術文庫)、デリダ『ユリシーズ グラモフォン』、セバー『限界の試練』(法政大学出版局)、グットマン『ユダヤ哲学』、ブーバー『ひとつの土地にふたつの民』(みすず書房)、ベルクソン『創造的進化』(ちくま学芸文庫)、マルタン『ドゥルーズ』(河出文庫)ほか多数。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序 多島海幻想
灯浮標──H君の個展に寄せて

第一部 非在の海図を継ぎ接ぐ

もの言わぬまなざしの世界戦争──横浜美術館「奈良美智展」に寄せて
歓びの荒野の淵にて──宮崎進展「よろこびの歌を唄いたい」に寄せて
PERSONA──鬼海弘雄と福田定良
曾域/ロクス・ソルス──未知の荒川/ギンズに
アラカワとの対話──『建築する身体』の余白に
現代「音楽哲学」の展開をめぐって──ジャンケレヴィッチとその後

第二部 岸辺の漂流

幸福な場所──ベルクソンと「祖国」
廃墟の造形──ベルクソン/レヴィナス/ベンヤミン
同じものの錬金術──コモン・センス論に向けて
翻訳と裏切り—フランスのハイデガー
ブランショの幼年──「文学空間」とは何か

第三部 華やぐ干瀬(ひし)

パトチカと戦争の存在論──テクネー・前線・犠牲
非同一性の非同一性──途上の「アドルノとデリダ」
鏡のなかの迷宮──ドゥルーズの方法序説
超越論的経験論とは何か──ドゥルーズのヒューム論がひらく地平
オイディプスたちの墓に

第四部 暗礁から暗礁へ

ゲシュタルト概念の転成と「制度論的心理療法」──トスケル・ウリ・ガタリ
アンリ・マルディネにおける美と狂気の現象学
神谷美恵子の「フーコー」
スピナロンガ──ジャン=ダニエル・ポレ『秩序』をめぐって

第五部 大渦旋(メールシュトローム)に呑み込まれて

「種の論理」の生成と変容、その現代的意義
種と場所/種の場所──西田幾多郎と田辺元
「存在の革命」をめぐって──埴谷雄高とレヴィナス
岬と雑人──倉橋由美子、再び
文学的想像力と政治──サルトルと石原慎太郎
翻訳の魔

第六部 まだ見ぬ島々の系譜

十九世紀フランス哲学──「人間の科学」の光と翳
レオン・ポリアコフ歴史学の射程と方法、その問題点
スピノザとユダヤ的生存のトポロジー

あとがき
初出一覧

書評掲載

「週刊読書人」(2015年6月19日号/藤岡俊博氏・評)に紹介されました。

「図書新聞」(2015年7月11日号/渡名喜庸哲氏・評)に紹介されました。

「週刊読書人」(2015年7月24日号、2015年上半期の収穫から/池田喬氏・評)に紹介されました。

「週刊読書人」(2015年7月24日号、2015年上半期の収穫から/郷原佳以氏・評)に紹介されました。

関連書籍

『エクリチュールと差異』
ジャック・デリダ:著
『限界の試練』
フランソワ=ダヴィッド・セバー:著
『言説、形象(ディスクール、フィギュール)』
ジャン=フランソワ・リオタール:著
『限りある思考』
ジャン=リュック・ナンシー:著
『困難な自由』
エマニュエル・レヴィナス:著
『ユダヤ女 ハンナ・アーレント』
マルティーヌ・レイボヴィッチ:著