ものと人間の文化史 180
醤油

四六判 / 278ページ / 上製 / 定価:2,600円 + 税 
ISBN978-4-588-21801-9 C0320 [2018年03月 刊行]

内容紹介

日本の味に欠かせない醤油だが、商品として庶民に広まったのは江戸時代である。それまでは塩辛や味噌に似た自家製の汁を調味料としていた。醤油の普及により天ぷらや寿司、蒲焼きや蕎麦など食文化は一気に多彩になる。母国に数百本持ち帰った明治期の英国人、濃口・淡口といった産地の特徴、台湾や中国との製法の違い、代用醤油の登場、海外輸出時の苦労ほか、エピソードも盛りだくさん。

著訳者プロフィール

吉田 元(ヨシダ ハジメ)

1947年京都市生まれ。京都大学農学部卒業。農学博士(京都大学)。種智院大学教授を経て、現在同大学名誉教授。専門は発酵醸造学、日本科学技術史、食文化史。
著書に『日本の食と酒─―中世末の発酵技術を中心に』(人文書院、1991年。2014年に講談社より再刊)、『江戸の酒─―その技術・経済・文化』(朝日新聞社、1997年。2016年に岩波書店より再刊)、『近代日本の酒づくり─―美酒探究の技術史』(岩波書店、2013年)、『京の酒学』(臨川書店、2016年)などがある。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

第一章 調味料の誕生
   東アジア型食生活と調味料/旨味の発見/醤油とは/醤油のつくり方/発酵の仕組み/圧搾と火入れ/醤油の味と香り

第二章 古代日本の調味料
   朝廷でつくられた調味料/醤とは/醤油の神/宴会料理

第三章 室町・戦国時代の調味料
   寺院の食事/公卿の食事/醤油の誕生

第四章 江戸時代の醤油
   料理書にみる醤油/醤油の産地/関西醤油/関東醤油/醤油屋の看板/醤油職人/醤油の輸送/「下り醤油」の復元

第五章 日本醤油の海外輸出
   ケンペル、ツュンベリーの報告/ティッツイングの報告/コンプラ瓶/商館記録から/ヨーロッパ人による評価

第六章 手づくり醤油
   『広益国産考』/各地の手づくり醤油/長崎江島の醤油/ソテツ醤油

第七章 中国の醤油
   清代の醤油/満州の醤油/中南部の醤油/その後の満州醤油/台湾の「蔭油」/現代中国の醤油

第八章 豆味噌と溜り醤油
   「溜り」の登場はいつか/焚味噌屋仲間/幕末の溜り醤油/明治時代の溜り醤油/ニーラ溜り/現代の溜り醤油/朝鮮半島の「醤」

第九章 近代の醤油醸造業──明治以降の歩み
   東京醤油会社と海外輸出/醤油税/業界の歩み:戦前から戦中まで/日本醤油株式会社の挫折/科学技術の導入/圧搾機の導入/工場建設と生産過剰/醤油の容器/粉末醤油/ハワイの醤油/統制の時代/醤油のカビ/アメリカ本土における生産

第十章 最近の醤油
   御用醤油醸造場/移築された醤油店/嗜好の地域差/容器の変遷と鮮度

文献一覧
あとがき

書評掲載

「ダ・ヴィンチ」(2018年5月号)にて紹介されました。

「東京新聞」(2018年5月6日付)にて紹介されました。

「日本農業新聞」(2018年6月17日付/竹内早希子氏・評)にて紹介されました。

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