サピエンティア 39
言葉と爆弾

四六判 / 230ページ / 上製 / 定価:2,800円 + 税 
ISBN978-4-588-60339-6 C1398 [2015年05月 刊行]

内容紹介

なぜ神と正義の名のもとに冷酷なテロや殺戮に手を染め、憎悪の連鎖へと世界を巻きこむのか。映画から小説まで幅広く活躍する作家が、パキスタン系というみずからのアイデンティティとの葛藤のなかで、移民の子供たちがイスラム原理主義に傾倒する背景を、痛ましいほどの皮膚感覚で受け止め、神学や思想の言葉ではなく、現代の郊外を生きる人間の言葉で表現する。エッセイと小説をあわせて収録。

著訳者プロフィール

ハニフ・クレイシ(クレイシ,H.)

(Hanif Kureishi)
1954年、ロンドン郊外のブロムリーに生まれる。父はインドのボンベイ(現在のムンバイ)生まれの移民でパキスタン大使館で働き、イングランド人の母は製陶所で絵師として働いていた。ロンドンのキングズ・カレッジに入学。作家になる夢を抱いていたが、大学では哲学を専攻する。卒業を待たずにロイヤルコート劇場の案内係として働きはじめる。1976年に自作の『熱を吸い込む』が上演され、劇作家としてデビュー。1981年にロイヤルコート劇場のライター・イン・レジデンス(座付き作家)となる。1985年に脚本を書いた映画『マイ・ビューティフル・ランドレット』、1987年に『サミー&ロージィ/それぞれの不倫』が公開され、1990年には『郊外のブッダ』で小説家デビューを果たす。1991年には自ら監督をした『ロンドン・キルズ・ミー』が公開。以降は小説を中心に執筆活動を行っている。邦訳された作品に、『ミッドナイト・オールデイ』(中川五郎訳、アーティストハウス/角川書店)、『パパは家出中』(中川五郎訳、アーティストハウス/角川書店)、『ぼくは静かに揺れ動く』(中川五郎訳、アーティストハウス/角川書店)、『郊外のブッダ』(古賀林幸訳、中央公論社)などがある。

武田 将明(タケダ マサアキ)

1974年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科准教授。デフォーとスウィフトを中心に研究すると同時に日本とイギリスの現代文学についての評論活動も行う。「囲われない批評──東浩紀と中原昌也」(『群像』2008年6月号)で群像新人文学賞(評論部門)受賞。著書に『「ガリヴァー旅行記」徹底注釈』(共著、岩波書店)、『イギリス文学入門』(共著、三修社)など。訳書に、デフォー『ロビンソン・クルーソー』(河出文庫)、サミュエル・ジョンソン『イギリス詩人伝』(共訳、筑摩書房)などがある。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

1 言葉と爆弾

2 虹のしるし

3 ブラック・アルバム

4 まさにこの道

5 俺の子が狂信者

6 ブラッドフォード

7 セックスと世俗文化

8 困難な対話を続けよう

9 文化のカーニバル

訳注
訳者解説
人名索引

書評掲載

「週刊ダイヤモンド」(2015年7月4日号/宮野源太郎氏・評)に紹介されました。

「朝日新聞」(2015年7月19日付/島田雅彦氏・評)に紹介されました。

「週刊新潮」(2015年8月6日号/小山太一氏・評)に紹介されました。

「出版ニュース」(2015年8月上旬号)に紹介されました。

「本の雑誌」(2015年9月号/都甲幸治氏・評)に紹介されました。

「図書新聞」(2015年9月12日号/原田範行氏・評)に紹介されました。

「理念と経営」(2015年11月号/嵐公人氏・評)に紹介されました。

「図書新聞」(2016年12月12日号、海外文学・文化回顧2015/原田範行氏・評)に紹介されました。

「日本経済新聞」(2016年5月22日付/吉田徹氏・評)にて紹介されました。

関連書籍

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