叢書・ウニベルシタス 548
ドイツ人論 〈新装版〉
文明化と暴力

四六判 / 576ページ / 上製 / 定価:6,300円 + 税 
ISBN978-4-588-14020-4 C1336 [2015年08月 刊行]

内容紹介

ナチズムの台頭から戦争・強制収容所へ、さらにドイツ分割へと至る20世紀前半のドイツの足跡を脱文明化=暴力の支配した過程として捉え、「文明化」の根底にあってその過程を動かしている「暴力」の本質を同時代の体験者の視点から剔抉する。

著訳者プロフィール

ノルベルト・エリアス(エリアス,N)

(Norbert Elias)
1897年ブレスラウ生まれのユダヤ系ドイツ人社会学者。地元のギムナジウムを経てブレスラウ大学に入学。そこで医学や哲学を学ぶ。第一次世界大戦では通信兵として従軍する。その後、ハイデルベルク大学でリッケルト、ヤスパースなどに哲学を学び、アルフレート・ヴェーバー、カール・マンハイムの下で社会学の研究に従事する。フランクフルト大学に移り、マンハイムの助手として働く。ナチスに追われフランスやイギリスに亡命。1954年57歳でレスター大学社会学の専任教員に任命される。レスター大学を退職した後にガーナ大学社会学部教授として招聘される。レスター大学では数多くの有能な若手社会学者を指導し、社会学、心理学、歴史学などの該博な知識に裏打ちされた独自の社会理論を構築する。邦訳書に、『文明化の過程』、『宮廷社会』、『社会学とは何か』、『参加と距離化』、『死にゆく者の孤独』、『時間について』、『諸個人の社会』、『モーツァルト』、『定着者と部外者』(共著)〔以上、法政大学出版局〕などがあり、その他にも英語とドイツ語で書かれた数多くの論文がある。1977年第一回アドルノ賞を受賞。ドイツ、フランス、オランダの大学からも名誉博士号や勲章が授与された。1990年オランダで93年の生涯を終える。

青木 隆嘉(アオキ タカヨシ)

1932年福岡県に生まれる。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学(哲学専攻)。大阪女子大学名誉教授。著書:『ニーチェと政治』、『ニーチェを学ぶ人のために』、共著:『実践哲学の現在』(以上、世界思想社)、『過剰としてのプラクシス』(晃洋書房)ほか。訳書:アーレント『思索日記』・・・(レッシング・ドイツ連邦共和国翻訳賞受賞)、エリアス『モーツァルト』、シュトラウス『始まりの喪失』、エーベリング『マルティン・ハイデガー』、ピヒト『ニーチェ』、アンダース『寓話・塔からの眺め』、『世界なき人間:文学・美術論集』、『異端の思想』、『時代おくれの人間』上下、カネッティ『蠅の苦しみ:断想』、ブルーメンベルク『神話の変奏』(以上、法政大学出版局)、クリステヴァ『ハンナ・アーレント講義:新しい世界のために』(論創社)ほか。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序論

I 文明化と逸脱
A 二十世紀におけるヨーロッパ的行動基準の変化
B 決闘を許された社会

II ナショナリズムについて

III 文明化と暴力──国家による肉体的暴力の独占とその侵犯
補論1 ヴィルヘルム二世時代の市民階級のエートス
補論2 ワイマール共和国の戦争肯定の文学(エルンスト・ユンガー)
補論3 ワイマール共和国における国家による暴力独占の崩壊
補論4 世界の廃墟に立つサタン
補論5 ドイツ連邦共和国のテロリズム──世代間の社会的葛藤

IV 文明化の挫折

V ドイツ連邦共和国について

 原註
 編集後記
 訳者あとがき

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