鄭栄桓著『朝鮮独立への隘路』が、「図書新聞」(2013年6月15日号/中村一氏・評)にて紹介されました。
2013年 のアーカイブ
岩波ブックセンター信山社では、過去・現在・未来へと伝えられ、書店としていつまでも大事に売っていきたい本の数々を、<書物復権>9社の協力を得て、6回連続で展示しております。
6月開催のテーマは「境界」です。 (さらに…)
1949年ドイツのエッセンで生まれる。1983年にベルリン自由大学で哲学の博士号を取得。現在はフランクフルト大学社会哲学講座正教授、フランクフルト大学社会研究所所長、コロンビア大学哲学科教授を務める。フランクフルト学派第三世代の代表的存在。
主な著作に、『権力の批判:批判的社会理論の新たな地平』(河上倫逸監訳、法政大学出版局、1992年)、『承認をめぐる闘争:社会的コンフリクトの道徳的文法』(山本啓・直江清隆訳、法政大学出版局、2003年)、『物象化:承認論からのアプローチ』(辰巳伸知・宮本真也訳、法政大学出版局、2005年)、『自由であることの苦しみ:ヘーゲル「法哲学」の再生』(島崎隆・明石英人・大河内泰樹・徳地真弥訳、未來社、2009年)、ナンシー・フレイザーとの論争的共著『再配分か承認か?:政治・哲学論争』(加藤泰史監訳、法政大学出版局、2013年)などがある。 法政大学出版局 ホウセイダイガクシュッパンキョク はじめに
I 社会哲学の課題
社会的なものの病理──社会哲学の伝統とアクチュアリティ
世界の意味地平を切り開く批判の可能性──社会批判をめぐる現在の論争地平での『啓蒙の弁証法』
〈存在を否認されること〉が持つ社会的な力──批判的社会理論のトポロジーについて
道徳意識と社会的階級支配──規範的な行為ポテンシャルの分析における諸問題
II 道徳と承認
正義の他者──ハーバーマスとポストモダニズムの倫理学的挑戦
アリストテレスとカントの間──承認の道徳についてのスケッチ
正義と愛情による結びつきとの間──道徳的論争の焦点としての家族
愛と道徳──感情による絆の道徳的内実について
脱中心化された自律──現代の主体批判からの道徳哲学的帰結
III 政治哲学の問題
道徳的な罠としての普遍主義?──人権政治の条件と限界
反省的協働活動としての民主主義──ジョン・デューイと現代の民主主義理論
手続き主義と目的論の間──ジョン・デューイの道徳理論における未解決問題としての道徳的コンフリクト
消極的自由と文化的帰属性との間で──アイザイア・バーリンの政治哲学における解決できない緊張関係
ポスト伝統的共同体──概念的提言
訳者あとがき
原注
事項索引
人名索引 実践哲学の相違する領域において何が正義の「他者」と言われうるのか。社会哲学・道徳哲学・政治哲学それぞれの体系的課題を独自の承認論を展開させて分析し、正義の原理とその「他者」との関わりに新たな照明を当てる。 [訳者一覧]
加藤 泰史(カトウ ヤスシ)
1956年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科教授。哲学・倫理学専攻。
日暮 雅夫(ヒグラシ マサオ)
1958年生まれ。立命館大学産業社会学部教授。社会哲学専攻。
池田 成一(イケダ シゲカス)
1953年生まれ。岩手大学人文社会科学部教授。社会哲学専攻。
池田 拡吉(イケダ ヒロヨシ)
1972年生まれ。名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。翻訳業。
神谷 美砂子(カミヤ ミサコ)
1967年生まれ。南山大学・名城大学非常勤講師。
庄司 信(ショウジ マコト)
1958年生まれ。日本赤十字秋田看護大学非常勤講師。社会学専攻。
高畑 祐人(タカハタ ユウト)
1961年生まれ。名古屋大学・南山大学非常勤講師。
竹内 真澄(タケウチ マスミ)
1954年生まれ。桃山学院大学社会学部教授。社会学専攻。
福山 隆夫(フクヤマ タカオ)
1948年生まれ。東京慈恵会医科大学教授。社会哲学専攻。
舟場 保之(フナバ ヤスユキ)
1962年生まれ。大阪大学大学院文学研究科准教授。哲学哲学史専攻。
水上 英徳(ミズカミ ヒデノリ)
1967年生まれ。松山大学人文学部教授。社会学専攻。
宮本 真也(ミヤモト シンヤ)
1968年生まれ。明治大学情報コミュニケーション学部准教授。社会哲学専攻。
1958年生まれ。通信教育で大学入学資格を取得し、パリ第8大学にて博士号を取得。現在はリセで哲学を教えると同時に、その活動は哲学の枠を超えて、小説を書き、絵画を論じるなど、文学や芸術の分野でも幅広い執筆活動を行っている。著書に『ドゥルーズ/変奏』(毬藻充・加藤恵介・黒川修司訳、松籟社、1997)、『物のまなざし:ファン・ゴッホ論』(杉村昌昭・村澤真保呂訳、大村書店、2001)、『百人の哲学者 百の哲学』(杉村昌昭・信友建志監訳、河出書房新社、2010)、『フェルメールとスピノザ:〈永遠〉の公式』(杉村昌昭訳、以文社、2011)、『ドゥルーズ:経験不可能の経験』(合田正人訳、河出文庫、2013)等多数。 1973年生まれ。京都大学人間・環境学研究科博士後期課程修了。思想史・精神分析専攻。現在は龍谷大学で非常勤講師を務める。著書に『メディアと無意識』(共著、弘文堂、2007)、『フロイト=ラカン』(共著、講談社選書メチエ、2005)、訳書にエリザベート・ルディネスコ『ラカン:すべてに抗って』(河出書房新社、2012)、『いまなぜ精神分析なのか:抑うつ社会のなかで』(共訳、洛北出版、2008)、アントニオ・ネグリ『スピノザとわたしたち』(水声社、2011)、ステファヌ・ナドー『アンチ・オイディプスの使用マニュアル』(水声社、2010)、ジャン=クレ・マルタン『百人の哲学者 百人の哲学』(共監訳、河出書房新社、2010)等多数。 法政大学出版局 ホウセイダイガクシュッパンキョク 前口上
第一場 意識の円環
抽象の裏をかく
現象と現象学
循環性、円環
概念
否定性
疎外
感覚的確信、自己確信
知覚
塩の欠片、あるいは「事物とはなにか?」
意識、自己意識
第二場 欲望の諸経路
バッカス
彼岸と「いまここ」
生
動物
欲求と欲望
再認
死を賭した闘争
不安
主人と従僕
ストア派
懐疑論不幸な意識
第三場 「精神は骨ではない」
理性
観念論
理性的なものと現実的なもの
観察
自然法則
有機体
内部と外部
精神は頭蓋骨ではない……
……性格でもない
社会
実践的行動
幸福
心情と自負の狂気
美徳と世の流れ
理性の狡知
作品
第四場 社会的創造
精神
契機と形象
ギリシャの都市国家
アンチ・オイディプス的家族
反ティゴネーAnti/gone
罪と罪責感
《帝国》
彷徨
自己形成過程
善悪の彼岸
下賤な意識、高貴な意識
象徴的死
言語活動
へつらい
分裂
ニヒリズムの曙光
信仰と純粋洞察
啓蒙
啓蒙主義の真理
フランス革命と恐怖政治
恐怖政治を乗り越える
道徳的世界観
良心
美しき魂
悪と赦し
キリストについて
第五場 芸術宗教と永遠性
大綱と《歴史》
宗教的プロセス
自然宗教──光
動物的宗教から職人的宗教へ
抽象的な芸術作品
悲喜劇あるいは生ける芸術作品
神は死んだ
人間‐《神》、あるいは弁証法とは何か?
人間の死
犯罪と概念
絶対知
イメージの不滅性
エピローグ
宇宙の驚異よりも犯罪を──訳者あとがきにかえて
索引 この世界の起源にある不穏さ、あるいは歴史の転機の契機のなかにある不穏さを、哲学はつねに見いだし、果てはその不穏さを自ら組織し、拡大し、遂行する。ドゥルーズ論で著名な哲学者が、ヘーゲル哲学を存在と生成のドラマとして、犯罪、殺人という言葉を主題とする「犯罪計画」として変奏し、『精神現象学』の運動をダイナミックにドラマティックに描き出す。前代未聞のヘーゲル論の誕生。
J.ボードリヤール著/宇波彰訳『物の体系』が、紀伊國屋書店「書評空間」(2013年5月29日付/加藤弘一氏・評)にて紹介されました。
第二章 平安時代の柳
第三章 鎌倉・室町時代の柳
第四章 伝承される柳の話と歌
第五章 稲は柳に生ず
第六章 柳から生まれるもの
第七章 近世の江戸と京の柳
第八章 近現代の柳
「花は紅、柳は緑」と謳われて春の風景に柔らかな風情を添える柳は、「稲は柳に生ず」と豊作の目安になるほど生活に密着した樹木でもあった。古代からの日本人とのかかわりを文献をもとに探るとともに、その材質を生かした容器や調度品として、治山治水対策として、火薬や薬品の原料として、さらには街路や河川の風景の演出として、さまざまに活用され、親しまれてきた歴史を辿る。
池田亮著『植民地独立の起源』が、「東京財団」サイト(2013年5月27日付/川嶋周一氏・評)にて紹介されました。
日下渉著『反市民の政治学』が「読売新聞」(2013年5月26日付/開沼博氏・評)にて紹介されました。
梅崎修・田澤実編著『大学生の学びとキャリア』が、「経済セミナー」(2013年6・7月号)にて紹介されました。
酒井潔・他編『ライプニッツ読本』が、「週刊読書人」(2013年5月24日号/谷徹氏・評)にて紹介されました。
1772-1834。イギリス・ロマン主義の詩人・思想家・哲学者。20歳代の作品「老水夫の詩」「クブラ・カーン」「深夜の霜」など、幻想的・瞑想的な詩作で知られる。また当時の社会や政治の問題にも関心をもち、執筆・講演を行なった。30歳代以後は哲学と宗教への関心をいっそう深め、古代から同時代にいたる思想家の書物に広く学びながら、独自の思想体系を構築。シェイクスピア論その他の文芸批評に加え、哲学史の連続講演も行なう。自らの思想的遍歴を辿りながら「想像力」理論の確立とその応用を試みた本書(1817)は主著の一つ。晩年には『省察の助け』(1825)などにおいて、宗教に仕えるものとしての哲学の位置づけを明らかにした。病みがちな一生を通じて彼が書き残した数多くの覚書も、未完の素材の味わいを持つ魅力的な断片集である。 法政大学出版局 ホウセイダイガクシュッパンキョク 凡 例
第一巻
第一章 本書執筆の動機──筆者の最初の詩集に対する反響──学校時代における審美眼の涵養──同時代の作家たちが若者の精神に及ぼす影響──ボールズのソネット──ポープ氏以前と以後の詩人たちの比較
第二章 天才の性格とされる激しやすさ──これに関する事実の検証──このような非難の原因と契機──その不当性
第三章 筆者が批評家から受けた恩義、そしてその理由と考えられること──現代批評の諸原理──サウジー氏の著作と性格
第四章 序文を付した『叙情民謡集』──ワーズワス氏の初期の詩──空想と想像力──芸術にとって重要なその区別の検討
第五章 観念連合の法則──アリストテレスからハートリーに至るその法則の歴史
第六章 ハートリーの体系は、アリストテレスの体系と異なる限りにおいて、理論的に支持し難く、また事実に裏付けられてもいない
第七章 ハートリー理論の必然的結果──その理論が容認される余地を与えた根本的間違い、あるいは曖昧さ──記憶術
第八章 デカルトが導入した「二元論」──最初にスピノザが精密化し、後にライプニッツが「予定調和」説へと発展させた──物活論──唯物論──これらの体系は、いかなる連合理論に基づいても、知覚の理論そのものにはなり得ず、また連合の形成過程の説明にもならない
第九章 哲学は科学として可能か、そして科学となるための条件は何か──ジョルダーノ・ブルーノ──文学貴族階級、すなわち特権階級としての学識者間にある暗黙の協定の存在──筆者が神秘主義者から得た恩恵──イマニュエル・カントから得た恩恵──カントの著作における文字と精神との相違、そして哲学の教えにおける慎重さの擁護──批判哲学体系を完成しようとするフィヒテの試み──その部分的成功と最終的失敗──シェリングから得た恩恵、そして英国人著述家の中ではソマレズから得た恩恵
第一〇章 想像力すなわち形成力の性質と起源に関する章に先立つ幕間としての、余談と逸話の章──衒学および衒学的表現について──出版に関する若い作家への忠告──作家としての筆者の人生の様々な逸話、そして宗教と政治に関する筆者の意見の変遷
第一一章 作家を志す若い人々に贈る心からの勧告
第一二章 次章を熟読するか読まずにおくかについての、お願いと警告の章
第一三章 想像力、あるいは一つに形成する力(エゼンプラスティック・パワー)について
第二巻
第一四章 『叙情民謡集』出版のきっかけ、及び当初の目的──第二版序文──続いて起った論争、その原因と辛辣さ──詩作品(ポエム)および詩(ポエトリ)の哲学的定義と注釈
第一五章 《シェイクスピアの『ヴィーナスとアドーニス』及び『ルークリース』についての批評的分析から明らかになる、詩作力に特有の兆候》
第一六章 《今日の詩人たちと、一五世紀および一六世紀の詩人たちとの間に見られる顕著な相違点――両者に特有な長所を併せ持ちたいという願望の表明》
第一七章 《ワーズワス氏独特の信条の検討――鄙びた生活(とりわけ鄙びた下層の生活)は人間の言葉の形成にとって特に不都合である――言語の最良の部分を生むのは、百姓や羊飼いではなく哲学者――詩は本質的に理想的で普遍的――ミルトンの言葉も農民の言葉と同様に、いや、それよりもはるかに、現実の生活の言葉である》
第一八章 《韻文の言葉、それがなぜ、いかなる点で散文の言葉と本質的に異なるか――韻律の起源と要素――韻律の必然的効果、および用語選択の際に韻文を書く者に課される条件》
第一九章 《前章の続き――ワーズワス氏が、彼の批評的序文においておそらく念頭においていたであろう本当の目的について――その目的の解明と応用――中間的文体、すなわち散文と詩に共通する文体をチョーサーやハーバートらの実例によって例証する》
第二〇章 《前章の主題を引き続き論じる》
第二一章 《文芸批評誌の今日の編集方法に関する見解》
第二二章 《ワーズワスの詩の欠点の特性、及びそれを欠点と見なす判断の基準となる原理――美点に対する欠点の割合――その欠点の大部分がもっぱら彼の詩論の特性に由来すること》
サティレインの書簡
書簡一/書簡二/書簡三
第二三章
第二四章 結論
訳注/解説/訳者あとがき
年譜/索引 ワーズワスとともにイギリス・ロマン派を代表する詩人の主著であり、英文学史上における文芸批評の最高峰とも見なされる作品、初の完訳。哲学・美学の古典に通じ、同時代のドイツ観念論の衝撃も受けとめて書かれた一八一七年刊行の本書は、詩人の長年の思索と創作に培われた批評理論であり、近代の洞察であり、その精神史的遍歴の告白でもある。訳者による詳細な注・解説および年譜付。 [訳者紹介]
安斎 恵子(アンザイ ケイコ)
1990年お茶の水女子大学大学院人間文化研究科(博士課程)単位取得退学。お茶の水女子大学ほか非常勤講師。共著に東京コウルリッジ研究会編『「政治家必携の書─聖書」研究──コウルリッジにおける社会・文化・宗教』(こびあん書房)、『伝統と変革──一七世紀英国の詩泉をさぐる』(中央大学出版部)ほか。
小黒 和子(オグロ カズコ)
1958年東京女子大学文理学部英米文学科卒業。1966年米国ワシントン大学大学院修士課程修了。元東京女子大学助教授、元早稲田大学非常勤講師。主な著書に『詩人の目──コールリッジを読む』(校倉書房)、訳書にニコルソン『暗い山と栄光の山』(国書刊行会)、『円環の破壊』(みすず書房)ほか。
岡村 由美子(オカムラ ユミコ)
1979年法政大学大学院人文科学研究科英文学専攻博士課程単位取得。茨城県立医療大学人間科学センター准教授。共著に『最新和英口語辞典』(朝日出版社)、東京コウルリッジ研究会編『「政治家必携の書─聖書」研究』(こびあん書房)、訳書に『シェイクスピア批評』(同)、『コウルリッジの生涯』(共訳、同)ほか。
笹川 浩(ササガワ ヒロシ)
1992年早稲田大学大学院文学研究科英文学専攻博士後期課程満期退学。中央大学商学部教授。共著に『地誌から叙情へ──イギリス・ロマン主義の源流をたどる』(明星大学出版部)、論文に「コウルリッジとボウルズ」(『イギリス・ロマン派研究』第23号)ほか。
山田 崇人(ヤマダ タカヒト)
1989年東京大学大学院人文科学研究科英語英文学専攻修士課程修了。成蹊大学法学部教授。共著に東京コウルリッジ研究会編『「政治家必携の書─聖書」研究』(こびあん書房)、論文に「Lyrical BalladsにおけるWordsworthの聖書への言及について」(『成蹊法学』第56号)ほか。
鄭栄桓著『朝鮮独立への隘路』が、「出版ニュース」(2013年5月中・下旬号)にて紹介されました
R.ザフランスキー著/識名章喜訳『E.T.A.ホフマン』が、「二期会通信」(vol.294、2013年6月1日号)にて紹介されました。
1952年、ドイツのカイザースラウターン生まれ。社会学者、哲学者、エッセイスト。ゲッティンゲン大学で社会学、哲学、歴史学、政治学を専攻したのち、1981年に同大学で博士号を取得。複数の大学で教鞭をとったのち、現在は在野の著述家として、『ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥンク』や『フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥンク』などのメディアに寄稿しつつ定期的に著作も発表するなど、精力的な言論活動を行なっている。『テロの秩序── 強制収容所』(Die Ordnung des Terrors:Das Konzentrationslager, S. Fischer, Frankfurt a.M. 1993)により1993年の「ショル兄妹賞」を受賞。 1978年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了、博士(学術)。現在、東京大学大学院総合文化研究科学術研究員。主要業績に、博士論文「ヴァイマル共和国(1919-33年)における監獄改革・犯罪生物学・釈放者扶助」(東京大学,2010年)、「ヴァイマル共和国における監獄改革と受刑者処遇の実際──不服申し立て史料の検討を通して」『現代史研究』55号、2009年など。 (Sebastian Maslow)
1983年生まれ。2007年ドイツ・ベルリン自由大学卒業、現在、東北大学大学院法学研究科博士課程在籍(政治学専攻)、および、日本学術振興会特別研究員を経て、現在、ハイデルベルク大学東アジア研究センター助教。主要業績に、“Right-Wing Politics in Postwar Japan(1945-Present),” in Louis G. Perez, ed., Japan at War: An Encyclopedia, Santa Barbara: ABC-Clio(2013), “Dispatched and Displaced: Rethinking Employment and Welfare Protection in Japan,” The Asia-Pacific Journal , 15-3-10, April 2010(共著)など。 法政大学出版局 ホウセイダイガクシュッパンキョク 1 破局
うねり/爆発/九・一一/運命/正常性への意志
2 危険、冒険
リスクと責任/正常な危険
3 計算と否認
幸運あるいは災難/ありえない災難
4 不安、勇気、そしてリスク願望
非常事態の雰囲気/勇気の賛美/不安の文化/冒険心というニッチ
5 保険社会
安全に対する資金/責任と損害/社会保険の惨状
6 社会的紛糾
役割、規範、幻想/信頼/距離と裏切り/猜疑心/孤独
7 リスク経済
市場と競争/労働市場/銀行業の栄枯盛衰/調子のいい株式仲買人/資金と性格
8 保安国家
支配と安全/国家権力/法的安全?/権力の夢/警察/全体的社会国家/国家の終焉?
9 戦争の危険
感覚、計算/兵士の戦争/戦争の権利/総力戦
10 テロ
現場、動機/テロリズムからテロ戦争へ/恐怖の支配者/狙撃手、人質誘拐犯/自爆テロ実行犯/強者の弱点/弱者の勝利
11 平和と安全
破壊力の均衡/冷戦/ヘゲモニー/世界帝国/国家形成の加速?
12 自由あるいは安全
消極的自由/例外状態/事前配慮の危険/全体的テロ
原註および出典
原著者あとがき
訳者あとがき
人名・事項索引 近代以降の国家のもとで暮らす人びとは、自由と安全の両方を同時に得ることが不可能になり、そのどちらかの選択を迫られ、結局は日常のあらゆる事象に対して安全を求めて、終始不安に怯える存在となった。本書は、ホッブズ、ルーマン、ベック、ゴッフマンらの理論に依拠つつ、とりわけチェルノブイリ原発事後や9.11テロ以後の世界に顕著に現われる安全をめぐる諸問題について考察する。
社会と世間の違い
兆民の翻訳語「天」
言霊とは何か
現代小説と人工語
革新思想の「革新」とは何か
翻訳語と「私」のことば
II
思想を表現することば
日本語ナショナリズムへの不安
小林秀雄の批評文の構造
翻訳日本文の論理
吉田健一の文体
「闇のなかの黒い馬」の構造
III
日本人の遊びと仕事
日本人のものの考え方
日本文化にとって漢字とは何か
極限追求の発想と極限拒絶の発想
時間について
ことばと文明の始源について
あとがき
初出発表誌紙一覧
復刊にあたって 外来文化受容に際してつくられてきた「翻訳日本語」の形成過程に日本文化の特異な構造を探ってきた著者が、日常語から文学作品に至る広範なことばの〈現場〉に立って、みずからの「カセット効果」理論を展開。もうひとつの日本語たる翻訳語の特殊なはたらきを明らかにしつつ日本文化を考察する。
序章 いわゆる「南北朝動乱」の評価をめぐって──『歴史学研究』の特集「戦後四十年の時間をはかる」によせて
付論1 一九六三年歴史学研究大会報告にふれて──「悪党」の評価の変遷を中心に
付論2 悪党の評価をめぐって
まえがき
一 戦前の研究──中村直勝と竹内理三
二 戦時中の研究──清水三男と石母田正
三 戦後第一期(一九五五年まで)の研究──松本新八郎を中心に
四 戦後第二期(一九五五年以後)の研究
むすび
第 I 部 鎌倉後期の社会と政治
第一章 「関東公方御教科書」について
第二章 文永以後新関停止令について
はじめに
一 文永以後新関停止令
二 文永の西国新関河手停止令
三 関所をめぐる幕府と朝廷
むすび
第三章 豊後国六郷山に関する新史料
付論1 「元寇」前後の社会情勢について
付論2 農村の発達と領主経済の転換
はじめに
第一節 農民経営と村落の発展
第二節 在地領主経済の転換
第三節 荘園領主経済の動揺
むすび
付論3 十三世紀後半の転換期をめぐって
第 II 部 鎌倉末・南北朝期の社会と政治
第一章 鎌倉末期の諸矛盾
一 まえがき
二 幕府体制の完成と硬化
三 悪党と得宗御内人
四 モンゴル襲来と矛盾の激化
五 一円領の形成と職の流動──荘園公領制の発展
六 悪党海賊鎮圧令と本所一円地
七 むすび──元弘・建武の内乱の前提
第二章 悪党の系譜──『太平記』を中心に
在地領主か傭兵集団か
悪党的な戦闘
飛礫と撮棒
「ばさら」な「いたずらもの」
楠木正成
名和長年
赤松円心
異様な花押
悪党の時代の残照
第三章 楠木正成に関する一、ニの問題
まえがき
一 和泉国若松荘と正成
二 内大臣僧正道祐
三 正成とその所領をめぐって
むすび
第四章 鎌倉幕府の海賊禁圧について──鎌倉末期の海上警固を中心に
まえがき
一 国衙軍制と水軍
二 鎌倉幕府の海賊禁圧と水軍動員
三 元応の海上警固
四 元亨四年の悪党海賊禁圧令
むすび
第五章 造酒司酒麹役の成立──室町幕府酒屋役の前提
序
一 中世初期の造酒司とその経済
二 元亨の洛中酒鑪役
三 貞治・応安の酒麹売役興行
四 永和・永徳の大嘗会酒鑪役
五 明徳の幕府新制
結
第六章 元亨の神人公事停止令について──後醍醐親政初期の政策をめぐって
第七章 倉栖氏と兼好──林瑞栄『兼好発掘』によせて
一 はじめに
二 倉栖氏と下河辺荘
三 倉栖氏の出自と性格
四 兼好と『徒然草』に即して
五 むすび
付論1 建武の所出二十分一進済令
付論2 建武新政府における足利尊氏
付論3 青方氏と下松浦一揆
終章 悪党と海賊
終章 悪党と海賊
はじめに
一 十三世紀までの流通と神人・悪僧
二 十三世紀後半以降の社会の転換と悪党・海賊
三 「悪党」の悪とはなにか
むすび
あとがき
初出一覧
索引(人名・地名・事項) 鎌倉後期から南北朝動乱期にかけて活動した悪党・海賊を取り上げ、彼らの位置づけをめぐる従来の通説を検討する一方、その存在形態を明らかにし、中世社会に定位する。戦後歴史学の批判・検討、精力的な実証研究を通じて日本史像の転換を促し続ける網野史学の原点。
第 I 部 ベルクソンと現代
いま、ベルクソンを読む──記憶・文学・忘却
ベルクソンと現代──現前、脱去、痕跡、控除、反攻、生起
「ベルクソンと現代」小考
第 II 部 ベルクソン哲学の諸問題
記憶と知覚の二元論
ベルクソンの存在論
自由と社会──個体性と生命の問題
ベルクソンにおける人間と宗教
「知性の発生」と科学論──『創造的進化』読解のために
ベルクソンと美学問題
ベルクソンにおける言語問題──習慣の言語と創造の言語
第 III 部 ベルクソンと哲学史
ベルクソンとプロティノス
ベルクソンと十六世紀キリスト教神秘主義──十字架の聖ヨハネを中心に
ベルクソンと十七世紀の哲学──デカルト、スピノザ、ライプニッツ
ベルクソンと十八世紀哲学──ルソーとカントを巡って
ベルクソンと十九世紀哲学
第 IV 部 ベルクソンと現代思想
ベルクソンとサルトル
メルロ=ポンティのベルクソン読解──「流産した現象学」から「存在直観の学」へ
ベルクソンとフッサール
実在と存在=無──ベルクソンとハイデガー
ベルクソンとレヴィナス
ベルクソンとデリダ
ベルクソンとドゥルーズ
ベルクソン生命論と現代科学
ベルクソンと小林秀雄──信じることと苦悩すること
ベルクソン著作解題・研究紹介
I ベルクソンの著作
II 主要著作の解題
III 研究紹介
世界におけるベルクソン研究の現在
人名索引
事項索引 伝統的哲学への根本的かつ全面的な批判を展開して、サルトル、メルロ=ポンティ、ドゥルーズ、デリダ等々、20世紀の哲学に測り知れない影響をもたらし、現代思想の展開の軸となったベルクソンの思想を再検討し、ベルクソン・ルネサンスをめざすガイドブック。 [執筆者紹介] *は編者
久米 博(クメ ヒロシ) *
中田 光雄(ナカタ ミツオ) *
安孫子 信(アビコ シン) *
石井 敏夫(イシイ トシオ)
前・慶應義塾大学助教授(2005年11月逝去)
清水 誠(シミズ マコト)
武蔵大学名誉教授(2009年逝去)
山形 賴洋(ヤマガタ ヨリヒロ)
大阪大学名誉教授(2010年逝去)
岩田 文昭(イワタ フミアキ)
大阪教育大学教授
杉山 直樹(スギヤマ ナオキ)
学習院大学教授
上村 博(ウエムラ ヒロシ)
京都造形芸術大学教授
内藤 純郎(ナイトウ ジュンロウ)
元・横浜市立大学教授(2011年逝去)
中村 弓子(ナカムラ ユミコ)
お茶の水女子大学名誉教授
戸島 貴代志(トシマ キヨシ)
東北大学教授
加國 尚志(カクニ タカシ)
立命館大学教授
箱石 匡行(ハコイシ マサユキ)
岩手大学名誉教授
松葉 祥一(マツバ ショウイチ)
神戸市看護大学教授
中 敬夫(ナカ ユキオ)
愛知県立芸術大学教授
合田 正人(ゴウダ マサト)
明治大学教授
越門 勝彦(コエモン カツヒコ)
宮城学院女子大学准教授
檜垣 立哉(ヒガキ タツヤ)
大阪大学大学院教授
守永 直幹(モリナガ ナオミキ)
宇都宮大学・拓殖大学非常勤講師
根田 隆平(コンダ リュウヘイ)
群馬大学講師
藤田 尚志(フジタ ヒサシ)
九州産業大学専任講師
哲学断層 (野沢協訳)
哲学断層 追補
盲人に関する手紙 (平岡昇訳)
盲人に関する手紙 補遺
自然の解釈に関する思索 (小場瀬卓三訳)
基本原理入門 (中川久定訳)
ダランベールの夢 (杉捷夫訳)
ダランベールとディドロとの対話
ダランベールの夢
対話のつづき
物質と運動に関する哲学的諸原理 (小場瀬卓三訳)
ブーガンヴィール旅行記補遺 (佐藤文樹訳)
女性について (原宏訳)
哲学者とある元帥夫人との対話 (杉捷夫訳)
訳注
解説(小場瀬卓三) 十八世紀最大の啓蒙思想家、百科全書派の領袖ディドロの、哲学・政治経済論・芸術思想におよぶ主要著作を網羅し、国際的なディドロ復興に呼応する待望の著作集。本巻は、哲学上の主要著作をほぼ年代順に収め、理神論から無神論へ、さらに唯物論へという大胆かつ独創的な思考の軌跡とたどる。
1729-1797。アイルランド生まれのイギリスの政治家(下院議員)、雄弁家、政治哲学者。若くして美学論や年鑑編集、ジャーナリズム活動に携わり、自由主義的な貴族政治家ロッキンガムの秘書を経て下院に登場。ブリテン憲政史上で初めて政党政治を合理づけ、それ以後現代に至るまでの立憲的な自由主義政治の意義と精神を明らかにした。フランス革命の勃発に際して著わした、主著『フランス革命論』は「保守主義のバイブル」として後世に大きな影響を与え、今日では国民の自由と社会秩序の維持の両立に関する最も貴重な政治哲学と評されている。 1931年東京生まれ。東京大学経済学部卒業。国学院大学、富山国際大学教授を歴任。著書に、『評伝バーク』(みすず書房)、『晩翠草堂の顛末』(御茶の水書房)、訳書に、ボズウェル『サミュエル・ジョンソン伝』(みすず書房)、ギボン『ローマ帝国衰亡史』(共訳)、同『ギボン自伝』(同)、スティーヴン『十八世紀イギリス思想史』(以上、筑摩書房)、カッシーラー『啓蒙主義の哲学』(紀伊國屋書店)、『スウィフト政治・宗教論集』、ポーター『ギボン』(以上、共訳、法政大学出版局)など。 法政大学出版局 ホウセイダイガクシュッパンキョク 口絵写真
編訳者序文
凡例
短命な前内閣についての短い報告(一七六六年)
現代の不満の原因を論ず(一七七〇年)
アメリカへの課税についての演説(一七七四年)
ブリストル到着ならびに投票終了に際しての演説(一七七四年)
植民地との和解決議の提案についての演説(一七七五年)
ブリストルの執行官への手紙(一七七七年)
ブリストル市在住の紳士への手紙二通(一七七八年)
経済改革演説(一七八〇年)
議会任期の短縮法案についての演説(一七八〇年)
ブリストルの選挙に臨んでの演説(一七八〇年)
投票拒否についてのブリストル演説(一七八〇年)
下院代表の状態を調整する委員会についての演説(一七八二年)
フォックスのインド法案についての演説(一七八三年)
*
フランス国民議会議員への手紙(一七九一年)
新ウィッグから旧ウィッグへの上訴(一七九一年)
フランスの国情についての考察(一七九一年)
サー・ハーキュリズ・ラングリッシへの手紙(一七九二年)
ユニテリアン協会の陳情についての演説(一七九二年)
一貴族への手紙(一七九六年)
国王弑逆の総裁政府との講和(一七九六年)
訳注
作品解題
〈解説〉エドマンド・バーク ──その生涯と政治哲学
バーク略年譜
バーク本邦文献一覧
人名索引
英文目次 会政治と保守主義の思想家として知られながら、〈政治的叡知の不朽の手引〉たる思想の精髄が未だによく理解されていないバークの演説・書簡・論考を集成。
一方、昭和17年沖縄社において養蚕講習を受け、昭和25年まで竹富養蚕副組長として養蚕事業に、昭和29年から33年までは八重山保健所竹富詰所長として保健衛生に尽力した。なお少年時代から蒐集してきた琉球、日本、中国の美術工芸品を陳列した蒐集館は広く知られている。1984年没。 法政大学出版局 ホウセイダイガクシュッパンキョク 第一章 歌謡・童謡
第一節 古謡 I (アユー)
山樫木あゆー
霧下あゆー
しきたぶんあゆー
…ほか
第二節 古謡 II (ジラバ)
いしゃぎょう船
むすびぬだんごま
うむとぅから引く水
んがどうりや
第三節 古謡 III (ユンタ)
黒島ぬまひなま
打組ゆんた
くばぬ葉ゆんた
…ほか
第四節 古謡 IV (ユングトゥ)
竹富ぬ一本竹ゆんぐとぅ
みやまくむゆんぐとぅ
いだふん
…ほか
第五節 古謡 V (その他)
雨ぬ根(出羽)
雨ぬ根(中羽)
ふなやぎさ
…ほか
第六節 節歌・その他
いやる節
なゆちゃる節
そんかにー節
…ほか
第七節 童謡
雨ほしい/雨はれ
てんごゆみ
ごろろじんちんちん
…ほか
追補
新見船
じらばしょうり
あらまりゆんた/ふうじゃんぐち
第二章 狂言
第一節 例狂言
始番狂言
あぶじ狂言
波座間大長者
…ほか
第二節 笑し狂言
南作田狂言
蛸捕狂言
女鷹男鷹ぬ狂言
…ほか
第三章 芸能
狂言の種類/舞踊の種類
種子取祭に演じられる芸能
結願祭に演ぜられる芸能
…ほか
第四章 強制移住と人頭税
第一節 村越し
屋良部村/仲間村/安良村
盛山村/移民にまつわる話
第二節 人頭税
士族出身の五階級役職名
平民出身の五階級役職名/村、部落の役職名と階級
人頭税
第五章 玩具・民芸品
第一節 玩具
音の出る玩具
アダン葉の玩具
蘇鉄の玩具
…ほか
第二節 織物
芭蕉布/ぐんぼう/みんさー
ひじりうちいく/花染手さーじ
第三節 民具
農具
民具
跋 (外間守善)
あとがき (宮良安彦)
竹富島歴史年表 本篇は、アユー、ジラバ、ユンタ、ユングトゥ等の古謡、節歌、童謡、さらには例狂言・笑し狂言19篇を収録し、強制移住と人頭税の歴史、玩具・民芸品等にもおよぶ。