J.ランシエール著/梶田裕訳『解放された観客』が、「週刊読書人」(2014年1月3日〔12月27日合併〕号/西山雄二氏・評)にて紹介されました。
2013年 のアーカイブ
第Ⅰ部 磯と人間の文化史
第一章 文化史学としての磯
1 「磯」と「磯漁」
2 磯漁民の文化
3 磯・礁・島──領有権と領土問題
4 「岩と礁」・「堆」
5 海辺の「磯」と「岩」・庭石
6 数々の磯の恵み
第二章 磯に宿るカミ・ホトケ
1 磯を敬う(磯の信仰)
2 海底の磯・カミが宿る磯
3 和布刈の神事
4 「石鏡」という村の「鏡岩」──海女の村の年中行事
第三章 磯をめぐる諸問題
1 磯と肥料藻──モク切り
2 磯にかかわる入漁権
3 磯をめぐる騒動・争論
4 村同士の「カジメ騒動」
第四章 磯漁に関する物質文化・漁具
1 磯漁と「水眼鏡」の導入・使用
2 箱メガネの普及当時
第五章 百磯・百種・百話
1 世界唯一の磯陵──文武王の海中陵
2 「磯」を愛でた菅江眞澄
3 磯漁と俵物三品
4 重要な磯漁伝統──雑漁業ではない磯漁
5 磯にまつわる昔話と伝説
6 磯の履物「足半」
7 エーゲ海の海綿採り
8 ウニ(海胆・雲丹)は食べない
9 エジプト文明と魚突き
10 ギリシアの魚介料理
11 画題としての磯──磯のある風景
12 「磯」に関する伝承・語彙など
第Ⅱ部 磯漁民の生活誌
はじめに
青森県の「イソマワリ」
岩手県の「コリョウ」(小漁)
宮城県の「コリョウ」(小漁)
福島県の「ミヅキ」
秋田県の「イソマワリ」
茨城県の「イソモノトリ」(磯物採り)
愛知県の「イソバタ」(イソドリ)
新潟県の「イソミ」
鳥取県の「イソミ」
島根県の「カナギ」
岡山県の「イサリ」
香川県の「イサリ」
佐賀県の「ネリ」(ホコ漁・鉾漁)
長崎県の「イサリ」(藻刈り)
まとめ
エピローグ──磯大国日本
引用・参考文献
あとがき 長い海岸線と多くの島嶼をもつ日本には、世界にも類を見ないほどの磯があり、人間はもとより、動物たちにも豊かな恵みをもたらしてきた。しかし、磯漁は漁法の素朴さと生産性の低さから雑漁業として軽視され、磯自体も今や危機に瀕している。本書は、磯と人間のかかわりの歴史を信仰や民俗・伝承に探り、磯とともに生きた人々の生活誌と漁法を全国各地の実地調査によって具体的に明らかにする。
おかげさまで、2013年12月24日発売の『エクリチュールと差異〈新訳〉』をもちまして、《叢書・ウニベルシタス》は1000番に到達いたしました。 (さらに…)
金森敦子著『「曽良旅日記」を読む』が、「出版ニュース」(2013年12月下旬号)にて紹介されました。
日下渉著『反市民の政治学』が、「読売新聞」(2013年12月22日付、読書委員が選ぶ「2013年の3冊」/開沼博氏・評)にて紹介されました。
1930-2004年。アルジェリア生まれのユダヤ系哲学者。パリの高等師範学校で哲学を専攻。同校の哲学教授を経て、社会科学高等研究院教授を務める。西洋形而上学におけるロゴス中心主義の脱構築を提唱し、構造主義以降の人文社会科学の広範な領域──文学・芸術理論、言語論、政治・法哲学、歴史学、建築論ほか──に多大な影響をもたらした。邦訳書に『エクリチュールと差異』『絵画における真理』『法の力』『ユリシーズ グラモフォン』『有限責任会社』『哲学の余白』『シニェポンジュ』『アーカイヴの病』『散種』(以上、法政大学出版局)、『声と現象』(理想社)、『グラマトロジーについて』(現代思潮新社)、『友愛のポリティックス』『フッサール哲学における発生の問題』『ならず者たち』(みすず書房)、『アポリア』(人文書院)、『そのたびごとにただ一つ、世界の終焉』(岩波書店)、『死を与える』(筑摩書房)、『精神分析の抵抗』(青土社)、『マルクスの亡霊たち』(藤原書店)、『条件なき大学』(月曜社)ほか多数。 1957年生まれ。一橋大学社会学部卒業、東京都立大学大学院博士課程中退、同大学人文学部助教授を経て、明治大学文学部教授。主な著書:『レヴィナス』『レヴィナスを読む』(ちくま学芸文庫)、『ジャンケレヴィッチ』(みすず書房)、『吉本隆明と柄谷行人』『田辺元とハイデガー』(PHP新書)、『心と身体に響く、アランの幸福論』(宝島社)、『幸福の文法』(河出書房新社)ほか。主な訳書:レヴィナス『全体性と無限』(国文社)、同『存在の彼方へ』(講談社学術文庫)、デリダ『ユリシーズ グラモフォン』、セバー『限界の試練』(法政大学出版局)、グットマン『ユダヤ哲学』、ブーバー『ひとつの土地にふたつの民』(みすず書房)、ベルクソン『創造的進化』(ちくま学芸文庫)、マルタン『ドゥルーズ』(河出文庫)ほか多数。 1962年長崎県生まれ。一橋大学法学部卒業。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程中退。現在、中央大学法学部准教授。訳書にラクー=ラバルト『虚構の音楽』『経験としての詩』(未來社)、ブランショ『望みのときに』(未來社)、同『私についてこなかった男』(書肆心水)、レヴィナス『われわれのあいだで』『歴史の不測』、『ベルクソン講義録1・2』(法政大学出版局)ほか。 法政大学出版局 ホウセイダイガクシュッパンキョク 力と意味作用
コギトと狂気の歴史
エドモン・ジャベスと書物の問い
暴力と形而上学──エマニュエル・レヴィナスの思想についての試論
「発生と構造」と現象学
吹きこまれ掠め取られる言葉
フロイトとエクリチュールの舞台
残酷演劇と再現前化の閉域
限定経済から一般経済へ──留保なきヘーゲル主義
人間科学の言説における構造、記号、遊び
省略
初出一覧
訳者あとがき(合田正人) 1960年代フランスの知的沸騰のなかで生まれ、痕跡、差延、脱構築などのデリダ的概念を展開した本書は、構造主義以後の思想界を決定づける著作となった。ルーセ、フーコー、ジャベス、レヴィナス、アルトー、フロイト、バタイユ、レヴィ=ストロースらの読解を通じて、主体と他者、言語と表象、存在と歴史についての哲学的思考を根底から書き換えた名著。叢書・ウニベルシタス1000番到達記念として新訳刊行!
「週刊読書人」(2013年12月20日号/2013年回顧 収穫動向)にて、小局の今年の新刊が多数紹介されました。 (さらに…)
1954年生まれ.ドイツ文学・哲学・歴史学をマールブルク大学とコンスタンツ大学で学び,»Die Kunst der Entzweiung«(「分裂の芸術」)によって哲学博士号を取得.1990年にはコンスタンツ大学に»Eine Ästhetik der Natur«(「自然美学」)を提出して教授資格を得た.1992年から1995年までハンブルク大学教授,1995年から2004年までギーセン大学教授を務め,2004年にフランクフルト大学理論哲学講座正教授に就任し,現在に至る.主な著書に,Die Kunst der Entzweiung. Zum Begriff der ästhetischen Rationalität(1985), Eine Ästhetik der Natur(1991,本訳書), Versuch über die Form des Glücks. Studien zur Ethik(1995), Ethisch-ästhetische Studien(1996), Ästhetik des Erscheinens(2000), Vom Handwerk der Philosophie(2001), Sich bestimmen lassen. Studien zur theoretischen und praktischen Philosophie(2002), Adornos Philosophie der Kontemplation(2004), Paradoxien der Erfüllung. Philosophische Essays(2006), Die Macht des Erscheinens. Texte zur Ästhetik(2007), Theorien(2009)など. 一橋大学大学院社会学研究科教授. 東京工芸大学芸術学部教授. 法政大学出版局 ホウセイダイガクシュッパンキョク 序言
緒論 自然に対する人間の関係
一、原像か模像か
二、美的関係
三、自然美学はいかなる自然を扱うか
四、倫理学としての自然哲学
五、美学の用語法について
第一章 観照の空間としての自然
一、現出の戯れ
二、意味を欠いた世界
三、観照的意識
四、観照の形而上学と観照のイデオロギー
五、観照的判断
第二章 照応する場所としての自然
一、生の反映
二、形成する空間
三、照応的意識
四、照応の形而上学と照応のイデオロギー
五、照応的判断
第三章 想像の舞台としての自然
一、芸術という仮像
二、世界との戯れ
三、想像的意識
四、芸術の形而上学と芸術のイデオロギー
五、想像的判断
第四章 自然知覚の時間
一、美的自然の統一性
二、両義的経験
三、自然の規範的概念
四、風景の自然の回顧
五、自然風景・文化風景・都市風景
第五章 芸術の偉大さ
一、美的なものの三つの次元
二、芸術作品の統一性
三、美的自然と美的芸術
四、技術的芸術の時間
五、美的自然の相互主観性
第六章 自然美の道徳
一、自然美学から自然倫理学へ
二、倫理に関する区別
三、善き生の三つの観点
四、倫理的経験としての美的自然
五、道徳的問題としての自然
結論 自然考察の限界
一、それは自然でなくてもよい
二、二通りの相互作用
三、善き生の抽象概念
四、善と正しさ
五、外部への眼差し
自然美学と自然倫理学の間──監訳者あとがきに代えて
訳注
原注
参考文献
事項索引
人名索引 なぜ、われわれは自然に対して好感を抱くのか。もはや内的な意味が信じられていない知覚にとって、自然の感性的な魅力はどこにあるのか。自然をいたわることが人間世界の保護に行き着くのはなぜか。なぜ、自然美は人間的実存がその生をうまく成就できるような範例的な場所であるのか。自然を美的に知覚する可能性を体系的・規範的に記述して、美学と倫理の問題に新たな展望を切り開く。 [訳者一覧] *は監訳者
加藤 泰史(カトウ ヤスシ) *
平山 敬二(ヒラヤマ ケイジ) *
阿部 美由起(アベ ミユキ)
玉川大学・東京工芸大学・横浜美術大学非常勤講師.
小川 真人(オガワ マサト)
東京工芸大学芸術学部准教授.
菅原 潤(スガワラ ジュン)
長崎大学大学院水産・環境科学総合研究科教授.
高畑 祐人(タカハタ ユウト)
名古屋大学・南山大学非常勤講師.
長澤 麻子(ナガサワ アサコ)
立命館大学文学部准教授.
宮島 光志(ミヤジマ ミツシ)
福井大学医学部准教授.
日下渉著『反市民の政治学』が、「アジア経済」(2013年12月、第54巻第4号/五十嵐誠一氏・評)にて紹介されました。
日下渉著『反市民の政治学』が、「アジア・アフリカ地域研究」(2013年第13-1号/青山和佳氏・評)にて紹介されました。
12月9日(月)より、甲南大学生協書籍部において、「大学出版部協会創立50周年フェア」が開催されております。 (さらに…)
12月9日(月)より、早稲田大学生協戸山店において、「大学出版部協会創立50周年フェア」が開催されております。 (さらに…)
1943年ベルギー生まれの政治哲学者。ラディカル・デモクラシーの旗手として知られる。ルーヴァン・カトリック大学とパリ大学に学んだのち,エセックス大学で修士号を取得。60年代にはアルチュセールから圧倒的な影響を受けたが,70年代にはグラムシによって本質主義的な経済中心主義を脱し,コロンビア国立大学、ロンドン市立大学、ロンドン大学ウェストフィールド・カレッジの教授をへて、パリ国際哲学コレージュにも参画、現在はウェストミンスター大学「デモクラシー研究センター」の特別研究員として盛んな活動を展開している。2001年には来日して3大学でのシンポジウムに参加した。邦訳に、『政治的なものについて』(酒井隆史監訳、篠原雅武訳、明石書店)、『民主主義の逆説』(葛西弘隆訳、以文社)、『政治的なるものの再興』(千葉眞・田中智彦・土井美徳・山田竜訳、日本経済評論社)、編著『カール・シュミットの挑戦』(古賀敬太・佐野誠訳、風行社)、エルネスト・ラクラウとの共著『民主主義の革命:ヘゲモニーとポスト・マルクス主義』(西永亮・千葉眞訳、ちくま学芸文庫)などがある。 1932年福岡県に生まれる。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学(哲学専攻)。大阪女子大学名誉教授。著書:『ニーチェと政治』、『ニーチェを学ぶ人のために』、共著:『実践哲学の現在』(以上、世界思想社)、『過剰としてのプラクシス』(晃洋書房)ほか。訳書:アーレント『思索日記』Ⅰ・Ⅱ(レッシング・ドイツ連邦共和国翻訳賞受賞)、ヴィラ『アレントとハイデガー:政治的なものの運命』、ヨベル『深い謎:ヘーゲル、ニーチェとユダヤ人』、ヘッフェ『倫理・政治的ディスクール』、エリアス『ドイツ人論』、『モーツァルト』、シュトラウス『始まりの喪失』、エーベリング『マルティン・ハイデガー』、デュル『神もなく韻律もなく』、ピヒト『ニーチェ』、アンダース『寓話・塔からの眺め』、『世界なき人間:文学・美術論集』、『異端の思想』、『時代おくれの人間』上下、カネッティ『蝿の苦しみ:断想』、ブルーメンベルク『神話の変奏』(以上、法政大学出版局)ほか。 法政大学出版局 ホウセイダイガクシュッパンキョク 来たるべき民主主義社会にとって政治的決定の根拠は何か、という現代の核心をなす問題をめぐって、脱構築(デリダ)対プラグマティズム(ローティ)の対立軸を中心に据え、クリッチリー、ラクラウ、ムフの論客を加えた白熱の討議。現代政治に内在する全体主義的傾向を批判し、「多元的民主主義」による政治そのものの根本的転換をめざす。
1942年、ポーランド移民のユダヤ人である父とフランス人母のもとに生まれる。ソルボンヌ大学で哲学を学びつつ、1967年詩誌La Déliranteを創刊、ドイツ・ロマン主義の研究や翻訳を発表。68年には後のイザベル夫人らとともに演劇運動に身を投じ、学業を中断。のち夫人の母国アルゼンチンに渡り、演劇運動のかたわらスペイン語、ラテン・アメリカ文学を学ぶ。帰仏後、ラテン・アメリカ文学の翻訳と紹介に携わり、英語、ドイツ語、スペイン語の職業翻訳家として活躍。1984年に『他者という試練』を上梓するとともに、国際哲学コレージュのディレクターとして翻訳をテーマとするセミナーを担当。86年には「翻訳センター ジャック・アミヨ」を創設。大学教授資格論文を準備するかたわら、翻訳批評を認知させるために奮闘中病に倒れ、1991年死去。 1955年生まれ。アテネフランセ、日仏学院にて学ぶ。英米仏の批評理論、翻訳理論を研究。現在、翻訳家、河合塾講師。訳書にJ.-J.ルセルクル『言葉の暴力──「よけいなもの」の言語学』(法政大学出版局)。 法政大学出版局 ホウセイダイガクシュッパンキョク 刊行にあたって
序 「国際哲学コレージュ」でのセミナーについて
翻訳の時代 開講の辞
講義ノート1
言葉の形而上学
ベンヤミンの思考の五つの特徴
翻訳者ベンヤミン
「翻訳者の使命」──ある一つの序文
註 解
講義ノート2
講義ノート3
講義ノート4
講義ノート5
講義ノート6
講義ノート7
講義ノート8
講義ノート9
講義ノート10
原注/訳注
訳者後記 フランスの翻訳研究の第一人者であり、名著『他者という試練』で知られるベルマンが、20世紀の翻訳論の「中心テクスト」としてのベンヤミンのエッセイを詳細に読み解く。バベル的な複数言語世界における逐語性、純粋性、忠実性についての理論的批判であるとともに、翻訳行為の歴史性や作品の存在論を問う精密な思索。国際哲学コレージュでの未刊の講義ノートを初集成した、翻訳思想への入門。
東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。現在、京都造形芸術大学准教授。
専門はフランス語圏文学、現代文学全般。 法政大学出版局 ホウセイダイガクシュッパンキョク 序章 マリーズ・コンデとは誰か?
第I部 カリブ海、言葉の胎動
第1章 被植民者による諸理論の変遷とその後景
一 セゼールとネグリチュード
二 クレオール性とは何か?
第2章 書かれること/書くこと──表象としてのカリブ女性から女性作家へ
一 植民者と「黒人」の出会い──恐怖から接近へ
二 ドゥドゥイスム──クレオール女性の表象
三 ヨーロッパ人作家が描く「黒人」女性像──『ウーリカ』『ユーマ』「ボアテル」
第3章 カリブ海の女性作家誕生
一 戦間期とヴィシー政権下──S・ラカスカード、S・セゼール
二 一九六〇年代:カリブ女性の日記文学と病理──ミシェル・ラクロジル
三 一九七〇年代:クレオール世界のアレゴリー──シモーヌ・シュヴァルツ=バルト
第II部 マリーズ・コンデを読む
第1章 マリーズ・コンデと「アフリカ」──『ヘレマコノン』をめぐって
一 『ヘレマコノン』とその背景── 一九六〇年代初頭のアフリカ独立国家
二 セゼールからファノンへ──コンデと「アフリカ」を結ぶふたりの作家
三 大文字の「アフリカ」はあるのか
四 隔てる時間と集団的記憶
第2章 非‐マロン文学としてのカリブ海文学──『わたしは魔女ティチューバ』
一 アフリカからアメリカへ──新たな自伝
二 マロナージュと母子関係──トニ・モリソン『ビラヴィド』と『わたしは魔女ティチューバ』
三 語りとしての滑稽叙事詩と非‐英雄たちの共生
第3章 アフリカ‐アメリカ‐カリブ海──『最後の預言王たち』
一 ふたたび「アフリカ」──非‐英雄スペロの起源探索
二 アメリカのカリビアン
三 カリブの母の系譜
四 アメリカ/カリブのアナンシ的ネットワーク
第4章 蜘蛛の巣化する一族──『悪辣な生』
一 カリブ海の歴史とある家族の「滑稽叙事詩」
二 個人の記憶、集団の記憶
三 世界の周縁としてのカリブ海ディアスポラ
第5章 アンチ・ヒーローと名前──コンデ作品のカリブ世界創造:『マングローヴ渡り』『移り住む心』(前)
一 英語文学の書き換えとグアドループへの移植
二 他所者のいる共同体
三 奇妙な名──クレオールの魔術空間
第6章 微弱なポリフォニー──コンデ作品のカリブ世界創造:『マングローヴ渡り』『移り住む心』(後)
一 複数化する乳母(マボ)たち
二 コンデの「姉」リースの多層的批判
三 マングローヴを生きる──シャモワゾーとの対話
終章 世界の網としてのカリブ海
註記
あとがき
附録3 マリーズ・コンデ個人年譜
附録2 カリブ海の女性文学史
附録1 カリブ海のフランス植民地史概略
参考文献一覧
索引 カリブ海に浮かぶ小島、仏領グアドループに生まれた国際的な女性作家M・コンデ。その創作に見られる想像力には、アフリカ‐アメリカ‐カリブを往還する彼女の身体性と心性が反映されている。本書は,カリブの歴史・思想史、作家の系譜からコンデの作品群に横たわる〈奴隷制の記憶〉を読み解き、クレオールやポストコロニアル、さらにはカリブ世界の創造を考える。
C.ムフ編/J.デリダ・他著/青木隆嘉訳『脱構築とプラグマティズム〈新装版〉』が、「週刊読書人」(2013年11月29日号)にて紹介されました。
岩井桃子著『水都アムステルダム』が、「都市問題」(2013年12月号/渡辺克利氏・評)にて紹介されました。
鄭清文著/西田勝訳『丘蟻一族』が、「図書新聞」(2013年12月7日号/名取弘文氏・評)にて紹介されました
J.コール著/河野哲也・松葉祥一監訳『スティル・ライヴズ』が、「出版ニュース」(2013年12月上旬号)にて紹介されました。