西藤洋著『神からの借財人 コジモ・デ・メディチ』が、「週刊文春」(2015年10月29日 秋の特大号/鹿島茂氏・評)にて紹介されました。
2015年 のアーカイブ
H.クレイシ著/武田将明訳『言葉と爆弾』が、「理念と経営」(2015年11月号/嵐公人氏・評)にて紹介されました。
吉田元著『酒』が、「酒史研究」(第31号/秋田修氏・評)にて紹介されました。
C.ヨプケ著/伊藤豊、他訳『ヴェール論争』が、「図書新聞」(2015年10月31日号/伊達聖伸氏・評)にて紹介されました。
1947年パリ近郊ヌイイ生まれ。アグレガシオン、第三期博士号、国家博士号を取得。高等師範学校講師、トゥール大学教授等を経て、1996年よりパリ第十大学ナンテール校(現在はパリ西大学ナンテール/ラ・デファンス)教授を務め、2010年よりフランス大学協会会員、2015年9月よりパリ西大学名誉教授。同志社大学客員教授、日本学術振興会外国人招聘研究者、関西学院大学客員教授として2011年、2013年、2015年に来日。ジャン=リュック・マリオン、ジャン=フランソワ・クルティヌとともに1980年代以降のフランスでの現象学研究を牽引してきた一人であり、本書以外に、『現象学を超えて』、『ハイデッガーとキリスト教──黙せる対決』(いずれも萌書房)、『身体と物体──フッサール現象学について』、『ハイデガーと空間の問題』、『ニーチェと神の影』の著作がある。 1967年大阪生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士課程中退。博士(大阪大学)。関西学院大学文学部教授。専門はフランス哲学。論文に「出来事と存在──ドゥルーズとハイデガー」(『アルケー』第23号)、共著に『ドゥルーズ/ガタリの現在』(平凡社)、『エピステモロジー』(慶應義塾大学出版会)、共訳書にフランク『現象学を超えて』(萌書房)ほか。 1981年大阪生まれ。パリ西大学大学院博士課程修了。博士(同志社大学・パリ西大学)。日本学術振興会特別研究員(PD)。論文に、«La réception ambivalente de Fichte dans L’essence de la manifesta-tion»(Revue internationale de Michel Henry, no 6, 2015)、「行為の自由と感情の不自由──アンリにおける「倫理」の問題」(『倫理学研究』第42号、2012年)ほか。 法政大学出版局 ホウセイダイガクシュッパンキョク 序論
第一章 問いのなかの問い=問いについての問い
第一節 ある問いからもう一つの問いへ=他者へ向けたある問いについて
第二節 主体は存在の関数でしかないのか
第二章 名詞、動詞、存在論的差異
第一節 動詞から名詞へ──同一化
第二節 命題の両義性──〈語られること〉と〈語ること〉
第三章 ある曝露からもう一つの曝露へ=他者への曝露について
第一節 意義性を賦与すること
第二節 ケノーシスと意義
第三節 方法としての激化
第四章 自己に反する唯一者
第一節 〈召喚された者〉の忍耐
第二節 推移と老化
第三節 拒絶不可能な=不変の〔格変化しない〕唯一性
第四節 善から存在へ
第五章 志向性なき感受性
第一節 感覚の麻痺
第二節 意義性としての心性
第三節 抗いえない=不可避な享受
第四節 正義の地位
第六章 魂と身体
第一節 意義のなかの地平
第二節 身体の賦活
第三節 諸々の魂の身体化=合体
第七章 接触と近しさ
第一節 最上級の近しさ
第二節 遺 物
第三節 世界の詩
第八章 意識の遅れ
第一節 近しさから主観性へ
第二節 接 触
第三節 前‐意識的過去
第九章 現象の欠損
第一節 自己自身に不在となる現前
第二節 全く別の戦慄
第三節 態度=容量の喪失と欲望
第四節 彼 性
第十章 痕跡から謎へ
第一節 〈汝〉の根底における〈彼〉
第二節 攪 乱
第三節 謎へ応答すること
第四節 倫理学と第一哲学
第十一章 自己の再帰性
第一節 無起源的強迫
第二節 自己の絶対的受動性
第三節 存在の外なる自己のうちへ追放されて
第十二章 絶対的対格
第一節 カテゴリーのドラマ
第二節 自我の〈存在からの‐超脱〉
第三節 自己との非同等性と同等性
第四節 開示性の誇張
第十三章 〈一人の他者のための一者〉と〈あらゆる他者のための一者〉
第一節 記号とその地平
第二節 〈受動=受難〉
第三節 メシア的自己性
第十四章 善──、存在と悪
第一節 聖書のなかにある見えないものと存在の彼方にある〈善〉
第二節 無責任と存在の遊び
第三節 エロスに瀕して存在すること
第十五章 自由と身代わり
第一節 自己から自由になること、存在から自由になること
第二節 存在の贖罪としての自由
第十六章 〈語ること〉の真摯さ
第一節 体系と主体
第二節 「われここに」
第三節 証 し
第十七章 神という語
第一節 無限者の賛美〔栄光化〕
第二節 預言──始源と仲介
第三節 語られることなしに意義を表すこと
第四節 〈語ること〉のための語
第十八章 言語の誤用
第一節 〈語られること〉から〈前言撤回〉へ
第二節 哲学的言説
第十九章 第三者の介在
第一節 デュオか、それともトリオか
第二節 非対称性の修正
第三節 出発点への回帰
第二十章 正義の時
第一節 近しさと正義の拒否〔裁判拒否〕
第二節 記号の重さと神の正義
第三節 三人称からもう一つの三人称=〔神という〕他者へ
第二十一章 存在の意味、あるいは無‐意味
第一節 イリヤ=ある(il y a)
第二節 無意義性の意義性
第三節 懐疑論とそれへの反駁
第二十二章 〈彼=それ〉 ?
第一節 第三者から神へ
第二節 対話者
第三節 ニヒリズムの果て=境界に
結論
解説 意味概念の拡張とニヒリズムの克服(服部敬弘)
訳者あとがき(米虫正巳)
原註
人名索引 現代フランスの哲学・現象学研究の第一人者が、『存在するとは別の仕方で』をはじめとする後期レヴィナス思想の読解に挑む全22章の探究。〈神の死〉以後のニヒリズムを見据えながら、他者、顔、超越、彼性、痕跡、受動性、隣人、身代わり、正義、語ることなどの主題を通じて、〈存在の意味〉と〈善〉の可能性、最後の〈神〉とギリシャ/ヘブライ思想の謎めいた関係に迫る。
吉田元著『酒』が、「京都新聞」(2015年10月18日付)にて紹介されました。
地球はどう測られたのか? ヨーロッパが最新の測地技術で地球を測定し、正確な地図作成をめざした時代を、同時代日本との学術交流と併せて描く。多数の新史料&未公開図版でたどる科学文化史。
近代測量史への旅/チラシ
好評いただいております《ものと人間の文化史》より、最新刊『かるた』をはじめ、お正月に因んだ書目を集めました。店頭のミニフェアとしてご展開ください!
《ものと人間の文化史》お正月フェア(PDF)
渡辺昭一編著『コロンボ・プラン』が、「史学雑誌」(第124編第9号、2015年9月発行/前川一郎氏・評)にて紹介されました。
西藤洋著『神からの借財人 コジモ・デ・メディチ』が、「出版ニュース」(2015年10月中旬号)にて紹介されました。
赤羽正春著『鱈(たら)』が、「信濃毎日新聞」(2015年10月11日付/岸本葉子氏・評)にて紹介されました。
J.クロウトヴォル著/石川達夫訳『中欧の詩学』が、「朝日新聞」(2015年10月11日付/杉田敦氏・評)にて紹介されました。
G.ノワリエル著/大中一彌訳『フランスという坩堝(るつぼ)』が、「日本経済新聞」(2015年10月11日付/渡邊啓貴氏・評)にて紹介されました。
A.ホネット著/宮本真也、他訳『見えないこと』が、「図書新聞」(2015年10月17日号/辰巳伸知氏・評)にて紹介されました。
著書:『鮮烈なる断片──日本の深層と創作現場の接点』(杉山書店、1984年)、『アート・ジャングル──主体から〈時空体〉へ』(水声社、1999年)、『新・北斎万華鏡──ポリフォニー的主体へ』(美術出版社、2004年)、『生体から飛翔するアート──二十一世紀の《間知覚的メタ・セルフ》へ』(水声社、2006年)、『〈人型〉の美術史──まなざしの引力を読む』(岩波書店、2011年)ほか多数。 法政大学出版局 ホウセイダイガクシュッパンキョク まえがき
第 I 章 〈皮膜〉の両義性
1 人類における視覚的表現の働き
2 「関係性」、すなわち「双方向性」
3 苛酷な現実に抗する活力の生成
4 プリミティブ・アートからの贈物
5 心を装う人工皮膚の再生に向けて
第 II 章 無数の手の痕跡へ
1 正逆を交互に繰り返す生体の運動
2 知覚に欠かせない反復する目の動き
3 素材に無数の痕跡を残す手の動き
4 見る人の目の動きを誘う視覚的表現
5 〈見ること〉が探知する〈見られ方〉
第 III 章 目に潜む意外な力
1 視覚的表現に含まれる触覚性
2 ミクロな視点とマクロな視点の両立
3 極小の自分を超遠距離から眺める
4 「重力」と交感する垂直方向の視線
5 無限の時空の内側で手探りする目
第 IV 章 言語の手前の世界
1 言語に置き換えられる前の知覚
2 切れ目のない色彩の微妙な変化
3 世界を分割する思考の枠組み
4 仮設性を明示する表現方法
5 分けないで世界を分ける
第 V 章 〈間〉の主体構造
1 〈見ること〉と〈見ること〉の〈間〉
2 異質間せめぎ合いの効力
3 どの時点にも属さない不変の次元
4 二重化された本来の自己
5 自らの脇役に留まる自己救済
第 VI 章 社会共有の心の拠り所
1 視覚的表現独自の共有可能性
2 共有された外部世界の表われ
3 対人関係や社会状況を巡って
4 非実体的な不変の次元の共有
5 自己脇役による社会システム
あとがき
作品名索引 人生の余剰や副産物と思われがちなアート。しかし、旧石器時代の洞窟壁画から現代の映像作品に至るまで、どんなに苛酷な状況でも人類はアートと共に生きてきた。あらゆる視覚的表現は人間と社会に不可欠な「いきのびるアート(技術=芸術)」にほかならない。古今東西の作品の前で人の目はどのように動くのか。そして、それは何をもたらすのか。困難な時代を乗り越え、21世紀をいきのびる手がかりを摑み出す。
1970年、オランダ生まれ。現在、オランダのトゥエンテ大学(The University of Twente)哲学科の教授。The Society for Philosophy and Technology(SPT)の会長(President)。主な研究領域は、技術哲学、特に技術と人間の関係についての研究であり、「ポスト現象学」と言われる現象学的系譜の技術哲学における現代の代表的な哲学者の一人である。英語で書かれた主な業績は、単著として、What Things Do — Philosophical Reflections on Technology, Agency, and Design (Pennsylvania State Univ. Press, 2005)、共編著として、Kroes, P. and P. P. Verbeek, eds., The Moral Status of Technical Artefacts (Springer, 2014)、Verbeek, P. P. and A. Slob, eds., User Behavior and Technology Development — Shaping Sustainable Relations between Consumers and Technologies (Springer, 2006) があり、他にもオランダ語で書かれた著作が数冊ある。 1968年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻博士課程修了。博士(学術)。現在、上智大学理工学部ほか非常勤講師。
主な著作・論文に、『数学の現象学――数学的直観を扱うために生まれたフッサール現象学』(法政大学出版局、2013)、『岩波講座 哲学05 心/脳の哲学』(岩波書店、2008、共著)、「専門知と専門職倫理――技術者倫理の事例『チャレンジャー号事件』に即して」(『芝浦工業大学研究報告 人文系編』vol. 42-2、2008)、「技術から生まれた数学――数学的対象発生の歴史的研究と現象学的分析」(日本哲学会『哲學』58号、2007)など。訳書に、クリスティアン・ヘッセ『数学者クリスティアン・ヘッセと行くマジカルMathツアー』(東京図書、2014)。 法政大学出版局 ホウセイダイガクシュッパンキョク まえがき
第一章 媒介された道徳
序
倫理と技術
技術的媒介
ポスト現象学
本書の概要
第二章 ヒューマニズム的でない技術倫理
序
産科の超音波技術の道徳的役割
倫理におけるヒューマニズム
人間性を育成する──スローターダイクによるヒューマニズムからの脱却
人間性とポスト人間性──人間性を育成するための新しい媒体
結論──ヒューマニズム的でない方法に向かって
第三章 人工物は道徳性を持つか
序
技術的人工物の道徳的意義
道徳的媒介
技術的志向性
技術と自由
物質的道徳性と倫理学説
結論──物質性と道徳的行為者性
第四章 技術と道徳的主体
序
技術という権力
権力に従属する主体と道徳性
技術的媒介と道徳的主体性
結論──道徳的行為者と媒介された主体
第五章 設計における道徳
序
媒介を設計する
媒介を予見する
媒介を評価する
道徳化の方法
結論
第六章 道徳的環境──具体的応用事例
序
環境知能と説得型技術
道徳的考察の場所
設計の倫理
使用の倫理
第七章 媒介を超えた道徳
序
道徳的媒介とその向こうにあるもの
サイボーグ志向性
合成志向性
自己構成の限界と道徳的意図
第八章 結論──技術に同行する
序
善い生の倫理
倫理的転回に続くもう一つの転回
結論──プロタゴラスを超えて
訳者あとがき
参考文献
索引 技術が我々に迫っている倫理的挑戦とは、適切な仕方で技術発展に同行することである。倫理を技術に対峙させることをやめて、我々は、技術との相互作用のなかで自分達の生を形成していくための語彙や実践を作り出さねばならない。倫理においては、人間と技術の双方が本質的な役割を果たしている。技術の使用者である人間の道徳から、人間と機械の相互作用の中にある道徳へ。フーコー、ラトゥール、スローターダイクなどを駆使して、ポスト現象学の立場から、技術倫理と科学技術社会論(STS)を刷新する新しい《技術哲学》の誕生。
小局が毎年参加している〈書物復権〉事業が、「産経新聞」(2015年10月5日付)にて紹介されました。
来年の1月には、復刊リクエストの受付を開始する予定ですので、引き続き、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。